最近の記事

僕にとっての"櫻井敦司"という人

アーティストを評するとき「表現力」というワードを用いることがあるけど、正直その大半は「笑止!」と鼻で笑ってあしらってやりたいと思うものばかり。 何でって、僕らは「櫻井敦司」を知ってるからだ。この人がひとたびマイクを握れば天使にも悪魔にもなる。ピエロになったかと思えば髭の女装歌手にもなる。戦渦に慄く姿も、戦渦の中でも無邪気に微笑む少年にも。 類まれな容姿、鋭い眼光、深い声、人柄…その全てで楽曲の登場人物を演じてきた人。本当に、 大袈裟でもなんでもなく、生きていく上での道しる

    • another side of PHALARIS FINAL -DIR EN GREY 和歌山初上陸

      本編感想はこちら 本来九州の人間なんで福岡に参戦、ってつもりだったのですが今回Vol3は平日の19時開演。仕事をしている身としてはなかなか難しい時間帯。年度末が近づいて忙しいのもある。閑散期なら仕事放り出して行ってただろうけど(実際Vol1は仕事放り出して行った)流石に…と思った。 ただ最近バンド界隈、人の命に関することが多すぎて。 それでVol2は開催エリア的に断念したけど、今年はしこたまライブ行ってるし、このバンドは見届けないといけない瞬間が多いの分かってるし、どこか

      • DIR EN GREY TOUR 2023 PHALARIS FINAL -The scent of peaceful death-

        多分何か狂ってるんだろう。この世の中も、こんなバンドが生まれたことも。 でも狂ってるからこそ、このバンドが必要だったんだとも思う。 DIR EN GREY TOUR 2023 PHALARIS FINAL -The scent of peaceful death- バンドのコンセプトである痛みの表現、そのために用いられる狂気的なパフォーマンス。 ただそれ自体を狂気と一言で片づけてしまうのはあまりに浅はかで、”狂気は理性と隣り合わせであること”そしてその狂気が強烈な”生へ

        • LOVEBITESのお勉強~Glory to the World MV編~

          はい、やってまいりました。今回のLOVEBITESのお勉強、Glory to the WorldのMV編です。 このMV、個人的には理想がかなり詰まった作品になっていると思っています。大きなポイントは一つ、それは メンバーの目線です。 これよく見ていくとわかるんですがメンバーでカメラ目線があるのボーカルのasamiさんだけなんです。 実はこれ、結構大事だと思ってます。 バンドのMVって大体それぞれのピンショットがあって、それぞれカメラ目線をしてて、何ならそのピンショッ

        僕にとっての"櫻井敦司"という人

          LOVEBITES ~新入社員向け資料(ライブ)~ライブ、こう楽しもうぜ講座

          今年の夏の一番の衝撃…それは LOVEBITESのツアー初参戦! 2021年、youtubeで初めてThunder Vengeanceを聴いて本当に落雷に打たれたような衝撃を受け早2年…そんな社員前夜を過ごしてきたワテクシですが、この度初めてツアーに参戦し、Thunder Vengeanceを初めて聴いたときよりも更に大きな衝撃を受け、晴れて社員(ファンクラブ会員の呼称)になりました! 今回はそんなワテクシがこの夏感じた興奮、喜び、そして…悔しさ含め、未来の新入社員向け

          LOVEBITES ~新入社員向け資料(ライブ)~ライブ、こう楽しもうぜ講座

          -太陽とイカロス- BUCK-TICK

          イカロス:ギリシア神話に出てくる登場人物。 蜜蝋で固めた翼によって自由自在に飛翔する能力を得るが、太陽に接近しすぎたことで蝋が溶けて翼がなくなり、墜落して死を迎えた… 上記はWikipediaの説明。上記の説明の背景はもっとあるんだろうけど割愛。 イカロスって言葉は知ってるけど意味は知らないなと思って調べてみたら曲の聴こえ方が変わってきた。 元々は人間の傲慢さが自らを破滅に導くという戒めの意味もあったけど、反面勇気の象徴として表している例もある…と…。 曲はもう突き抜

          -太陽とイカロス- BUCK-TICK

          薔薇色のパレード / BUCK-TICK TOUR THE BEST 35TH ANNIV.

          『そうして君の街へパレードがゆくよ』 1987年のメジャーデビューから続くパレードが我が街にもやってきたので参加してきました。 途中電子チケットの受け取りで手間取りましたが無事に前日にチケットを手にし迎えた当日。 35周年、こんな記念すべきツアーだし、初めてBUCK-TICKのツアーに参加したときに買って開けていなかったパーカーを開封。ツアーTシャツとパーカーを着ていざパレードへ。 今回参加出来ることが自分でも想像していなかったくらい嬉しかったみたい。開演前から泣きそ

          薔薇色のパレード / BUCK-TICK TOUR THE BEST 35TH ANNIV.

          「宝石の国」がうつし出す世界

          💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 💎 #宝石の国 木曜と金曜でアニメ12話一気見、土曜日に漫画大人買いして既発11巻まで読了。 この漫画は芸術。 心を深くえぐられるような、そんな感情。 面白い、と一言で評するのはあまりに安易と言うか、読者の心に刻まれる悲哀の深さがそうさせる。 人間を起源とする3つの種族。ファンタジーだけど、この3つの種族を取り巻く関係性はまさに人間そのもの。そして今の世界そのもの。 それぞれに主張があり、それぞれに正義があり、協調の

          「宝石の国」がうつし出す世界

          ELECTRIC PROPHET -電気じかけの預言者のメッセージ- が提示していた未来は?

          改めて1984-1994年のTM NETWORK,TMNを聴いてその素晴らしさに浸るのと同時にあのキラメキを今のTMで感じることがなくなってしまった寂しさを感じてしまいました。 何でだろうか。 昔のTM NETWORKって楽曲そのものが持つ瑞々しさ、なんていうか精神的なキラメキが詰まってた様に感じます。そしてそのキラメキをバンドサウンドがとても綺麗に彩ってくれていました。 でも今は、 身につける装飾品だけ煌びやかになって精神的な部分が悪い意味でつまらない大人になってしま

          ELECTRIC PROPHET -電気じかけの預言者のメッセージ- が提示していた未来は?

          「aftermath」/ sukekiyo

          久々に聴いたこの曲。発表から時間が流れ、自分も年齢を重ねたからか、その当時には感じ取れなかったものが一気に自分に流れてくるような感覚になった。 「aftermath」/ sukekiyo陰鬱なんだけど、でも単に暗いのかというとどうもそういうわけでもなく、多分"堕"ちていくという字が一番合っているような気もするけど、でもそれも悪いことじゃないと思わせる美しさがあって…こんな感覚になれる曲もなかなかない。心のどこかに少し訴えかけてくるような痛みと、それを包み込もうとしてくれる楽

          「aftermath」/ sukekiyo

          ブラックバードカタルシス/The Birthday

          楽曲とMV、聴覚と視覚の情報から自然と触角や嗅覚にまで訴えかけてきそうな、そんな一曲。 ブラックバードカタルシス/The Birthday紡がれる歌詞から見えてくる風景の中で吹く風は少し肌寒くて、それはブラックバードが風を切りながら飛んでいく風の冷たさと同じで。 目に見える風景に少し心を留める僕は、その冷たい風の中を冬の装いで歩く。冷たい風の中だからこそ感じる温もりがあって、その温もりこそカタルシス(=心の浄化)なのかなって。 ---------------------

          ブラックバードカタルシス/The Birthday

          ”淡く滲む僕の恋” BUCK-TICK

          聴き手に複雑で、自身が抱く感情でありながらも読み解くには難解な、それでいて澄み切った余韻を残す素晴らしい名曲に出会ってしまった… 『恋』/BUCK-TICK 本当にヒデさんは素晴らしいバラードを描く… このエレクトロで独特な浮遊感とバンドの演奏とのマッチングは星野英彦×CUBE-JUICEの取り合わせ、阿吽の呼吸と言ったところでしょうか。本当に美しい。 ----------------------------------------------------------

          ”淡く滲む僕の恋” BUCK-TICK

          GLORY TO THE WORLD/LOVEBITES

          それがどんな種類の感情であっても、突き抜けていれば涙が流れる。 久々に曲を聴いて涙するくらい心動かされています、2曲も、しかも同じバンドで。今回は… 『GLORY TO THE WORLD』/LOVEBITES何ともドラマティック。この暗い世の中を光に導く間違いのない道を提示してくれているよう。特にサビに入ったときの解放感は格別。とことんメタルの様式美にのせて高らかに希望を歌い上げる素晴らしい曲。 コロナ禍において、産まれるべくして産まれた傑作だと感じていますが、この曲

          GLORY TO THE WORLD/LOVEBITES

          Heavy Metal Never Dies!!!/LOVEBITES

          聴き始めて10日程度。 もう完璧だ… youtubeで行われた LOVEBITES先行視聴会「LIVE AT HOME 2」Macbookから家のプロジェクターに繋ぎ、AirPodsProで大音量の視聴会。 こういうと少し失礼かもしれないけどガールズバンドでこんなにどハマりして感動してる自分に少し驚いています。 そもそも"ガールズバンド"という見方をしてしまっていること自体がもう失礼だなと感じてます。 前回もLOVEBITESについて書いたけど日に日に感動が増して

          Heavy Metal Never Dies!!!/LOVEBITES

          The Unbroken/LOVEBITES

          何となく名前は知ってたけど敬遠してたというか、失礼な話容姿的にも少しナメてたのかもしれないし、そもそもどんな音楽性かも分からない。調べてなかったからどんなジャンルをやってるのかをまず知らなかったから。 でも何故あの日あんな時間に僕はYouTube動画をクリックしたのか。日頃辛いことが多いけど、こういう出会いに関しては神様に感謝しないといけないかもしれない。 LOVEBITES メンバー個々についてなどは調べてもらうとして、 この若い女性たちからは想像もつかないほどの圧

          The Unbroken/LOVEBITES

          クモ/TOKIO

          ※他のSNSに載せたものを加筆修正したものです。だからパクリとかでもなんでもないよ。そもそも僕程度でそんなこと騒ぎ立てる人もいないか。ということで今回は 「クモ/TOKIO」です。 ******************************** ようやくちゃんと聴けた。もう4年も経ったんだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 小学生の時、何の予定もない日の夕方ごろによく見ていたテレビCMがあって、そのCMを見るとその日友達に会わなかったこと

          クモ/TOKIO