見出し画像

難破した客引き。キャッチボールのできないキャッチ。

バイトを、クビに、なりました。

どんなバイト?

エステの客引き。店の前で20代女性に声をかけ、店内に案内し、無料体験チケットを渡せたら勝ち。予約まで取れたら大勝ち。

なんでそのバイト?

バイトを増やしたいなぁと思い、応募を送りまくっていたうちのひとつ。
「ビラ配り」みたいな感じで書いてあったが、実際は客引きだった。別にそこに不満はない。
また、まかないのような感じでサービスを受けられるシステムに少し惹かれた。

なんでクビ?

「数字」が芳しくなかったから。(そして多分、治験の入院で採用早々2週間穴を開けたから。)
6時間(うち休憩1時間)客引きして、成果は一人か二人。成長も見込めなかったのだろう。無論、成長する気もさしてなかったし、そんな機運もなかった。3,4回の出勤ののち、電話にてクビ宣告。

どんな感じ?

言ってしまえば、ビジネス的ナンパをせよという仕事である。プライベートでナンパをしたことがない(しようと新宿に繰り出して地蔵になったことはある)自分に、アドバンテージはなかった。学歴も通用しない。

まぁそれでも対人訓練にはなるかもしれないと思って楽しんでいた。「会社にやらされてます〜」という盾があるので、声をかけるのに躊躇する気持ちもなかった。ただ只管に声をかけまくる。

無視。無視。無視。
たまに目が合う。そして断られる。
さらにたまに立ち止まる。そして断られる。
さらにさらにたまに承諾してくれる。そして20歳未満でアウト。
さらにさらにさらにたまに承諾してくれる20代女性。神。

わかってはいたが、気は滅入る。慣れてくればどうってことないんだろうが、流石に舌打ちされると気分は沈む。

時給はそれなりに高かったので我慢できたが、正直楽しくはなかった。ただ、ブラックで時間外労働が多いようなバイトではなかったので、そんなバイトよりはマシだと割り切っていた。

業務に関してはこれくらい。業務以外の雰囲気みたいなことについては、まあ、、、。(精神的な)マッチョとギャルばかり。有害な男性性とそれを「ノリ」として受け入れる女性。作り笑いを浮かべるのにも一苦労した。セクハラって、受ける側が苦だと思わなければセクハラにならないんだ〜という学び。「受けた側がいじめだと思ったらいじめなんだ!」の逆を観測した。

そして誰とは言わないが、一回自分にキャッチの極意を教えてくれた偉い人がまあすごかった。「いや、そんなんじゃダメだ!いいか、これはあれだ、、。その、、。パッションなんだよ!気持ちで喋れ!」みたいな。無茶苦茶すぎて笑った。
でもこれって多分正しくて、マニュアル的に仕込めない一種の「間」みたいなものは確かに存在するのだろう。それは決して言語化できない。だからフィーリングで伝えるしかない。そういうことなんだろう。

単純に向いてはなかったなぁと思う。もっと継続できていたら何かしらのブレイクスルーはあったのかもしれないが、会社的にも見込みがないと判断したのだからやはり向いてはないんだろう。

せいぜい学べたのは、
・不快に感じる距離感というのはある。
・平気で20人とか一日で達成する化け物みたいな先輩は実在する。コミュ力ってこんなに露骨に数字に出るんだというのは大きな学び。
・面白くないことでずっと笑っていられるのは幸せだなぁという羨み。
くらい。

こういう類のバイトもあるんだなぁという一種の職場体験だと思って、この体験は消化する。


短い間ではございますが、しつこくて不快な思いをさせた20代女性の皆さん、どうもすみませんでした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?