6人目の出産と病気が発覚したあの日④

手術後一晩集中治療室で過ごして
次の日は朝から検査、検査、検査。

24時間は身体を起こしてはいけないということで
ベッドのまま院内を移動して
あちこちへ検査に行き
大忙しだった。


わたしのした手術は
鼻からのカテーテル手術だったため
ずっと鼻血が口の中に流れてくる状態。


'流れてきた血を飲まずに吐いて'
と言われていたため

ベッド脇にはティッシュとゴミ袋を完備して
そのまま院内を移動するから

一般の患者さんから見たら
異様な光景だっただろうな…

その時のわたしはそんなこと考える余裕もないほど
頭痛と怠さで目を閉じていたけども。

CTの検査結果がよかったら
一般病棟に戻れると聞いていたので
今か、今かと主治医の先生を待っていた。


昼くらいには来るかな?と言われていたので
ドキドキワクワク。

まるで試験の結果を聞くような気分でいたのだけれど
昼を過ぎても
おやつの時間を過ぎても
主治医が来ないチーン


'もしかして…
検査結果が悪くて一般病棟に行けないのかも…'

ものすごく不安だった。


スマホもテレビもない集中治療室。
カレンダーと医療機器意外何もない部屋で
またしても自分と向き合う時間。

カレンダーを見ながら
一週間後にはきっと元気になっているよね。
この頭痛も楽になっているよね。

自分を励ました。


夕方近くなったからだろうか。

看護師さんたちがわたしの部屋を忙しそうに行き来した。

「お待たせ。やっと一般病棟に戻れるからね。」

そう声をかけてくれた看護師さんが
女神のように見えた。


主治医の先生は今日違う病院に行っていて
遅くなったと。

「一般病棟に戻っていいよ」とは
わざわざ主治医は言いにこないことをその時知った。


それまではめっちゃ恋しかった先生が
一気にあまり興味のない存在に変わった笑


一般病棟に戻るとすぐに
主人がスマホや他の荷物を届けてくれた。


スマホを開くと
たくさんのメッセージ。

出産報告を軽くしてから
わたしが返信をしないから
心配してくれたひとたちだった。


主人へありがとうとメールだけして

すぐに連絡したのはマイ助産師さん。


早期胎盤剥離で危険な時
救急車で付き添ってくれた
安心できる存在。


淡々と起きたことを話していたつもりだったけれど
途中で感情が溢れて涙が止まらなくなった。

怖かった。
辛かった。
不安だった。

集中治療室でじっとひとり堪えていたことに
その時気づいた。

「たかよちゃんはやっぱりタダでは終わらないね笑」


なんて笑ってくれたから
気持ちが軽くなって
ホッとした。

「あなたは絶対にこの経験を糧にできる人だから、今はしっかり治療をして、また飛躍してね。」

その言葉に頷いて電話を切った。

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