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クロケット&ジョーンズのブーツ

商品レビューなんて全く柄じゃないのでしたくない。というかしない。多分向いていない。ある商品の特徴くらいなら、まだいい。それの良し悪しとかを論じると、途端に下手くそになる。自分にとって良いのが他人にとって果たして良いか悪いか、それがわからないから戸惑う。だから、映画とか本とか、そういうののレビューはまともにしたことがない。実用品についても、同じである。一言感想くらいで済ませておくのが一番いい。それくらいのほうが、案外、力を持っているものである。

ところで、今回はブーツである。しかもクロケット&ジョーンズの、である。クロケット&ジョーンズとは何ぞや。そういうのは面倒だがご自身で調べていただきたい。僕が下手くそな説明をするより、よっぽどわかりやすい解説をした記事が、腐るほどある。とりあえずイギリスの革靴ブランドの一つ、ということだけは言っておく。それだけで、何だか歴史がありそうな気がするものである。何せ紳士の国の革靴ブランドだからな。

で、そんな由緒正そうなブランドのブーツがどうしたのか。それを手に入れたのである。某フリマサイトで、お安い値段で手に入れられた。コイツがなかなかカッコいいのである。だからちょっと見せびらかせたくなった、まあこのnoteはそれだけの動機で書いている。柄にもなく実用品のことを書いているのは、その為である。取り敢えずその姿を見ていただこう。

見ておわかりのように完全無欠のカントリーブーツである。カントリーブーツというのは元々英国紳士たちがハンティングする際に着用していたもので、丈夫さが売りである。米国のレッドウィングとかチペワみたいなワーキングブーツと同じポジションなのだが、英国らしくちょっとお上品に纏まっている。

メダリオンといって、もともとは湿地帯を歩くときに、中に侵入した水を効率的に排出するために設えた穴を、装飾に転用したものである。こんなお化粧は、米国のブーツはほとんどしない。大英帝国はワーキングブーツの一種とあってもお高く止まっているのである。

カントリーブーツといえばトリッカーズが有名であろう。英国で一番長い歴史を持つシューメーカーで、英国王室御用達でもある。トリッカーズのブーツはかなりトラッドで、ともすれば野暮ったく見えるような豪快なものなのだが、クロケットのコイツはそこらへんが丁度いい塩梅である。コバがあんまり張り出していないし、ぽってりしすぎていない。言うなれば都会的である。でも完全に都会的な感じかと言われればそうでもない。まことに丁度よい。

都会的な装いだからといって、カントリーブーツの機能性がないわけではない。ソールはダブルソールで、ウェルトはストームウェルト、防水防塵性も十分にある。

加えてソールはダイナイトソールだから、グリップもよい。普段使いにはバッチシなブーツである。

コイツを買うにあたって怖かったのが、サイズである。コイツのサイズ表記は8だが、USかUKか判然としない。イギリスのブランドだから普通はUKサイズ換算でいいのだが、このモデルがクロケットのサイトにない。いや、あるにはあるのだがこのカラーリングがない。もしアメリカブランドの別注とかだと、USサイズ換算になってる場合があって、最悪ワンサイズずれて履けない。

調べてわかったことは、コイツはどうやらBen Silverというアメリカのセレクトショップか何かの別注モデルのようであり、USサイズを採用してるらしいとのこと。USで8サイズなら多分合わないが、ラストの大きさや、アウトソールの幅と長さを加味して履けると判断し、買った。結果サイズはかなりちょうど良かった。小指が少し当たるが、それ以外は極めて快適である。

コイツが激安で手に入ったので、今はすこぶる気分がいい。ブーツは他にジャランスリウァヤのを持っているが、何度履いても右足がちょっと痛い。コイツは履き始めから、先程言った小指が当たることを除いて、全く痛くない。ステップも踏めちゃう。こんなブーツに会えたことは誠に幸運であった。こんだけ快適だと、夏も履いてしまうかもしれないな。

ところで、コイツのモデル名はSKYEという。スコットランドのスカイ島から名前を取っているらしい。クロケットはもう一つ別モデルでISLAYというのも作っていて、こちらはアイラ島から取っている。スコティッシュな雰囲気も感じられて大変いい。因みにISLAYは007 SKYFALLでダニエル・クレイグが履いていたブーツであるという。それも欲しくなっちゃった。SKYEと違って、そっちは人気だから、お安くならない。難儀である。

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