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折れ曲がる春菊

蒸気機関車の黒煙が鉄橋に棚引く。

枕木の踏み締め方を知らない。

虚空を砕石して見せるように

(笑われる)

(払われる)

(祓われる)

(腹割れる)

笑い転げて手につく。

鳥の巣に顔をうずめ、

蜘蛛の巣にかかりし日で暖を取る。

火鉢の火の粉を介して傷を庇い、

灰汁までも纏う。



蒸気機関車の黒煙が鉄橋に棚引く。

枕木の踏み締め方を知らないまま、

郵便受けの封書は散る。

あの頃の憂いは掃き集められ—。


・鐡橋にいる・
(2023.1.1)


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

2023.3.19
先日受け取れずに帰宅した本を借りてきました。読んでいた本に引用され、以前本屋で見かけた『ルバイヤート』が気になっていたので、『現代イラン詩集』を読んでみます。世界史止まりな自分の知識を詩から現代に進ませます。

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