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PM理論について

マネジメントに関する理論に、PM理論があります。これは「メンバーにパフォーマンス(P) だけ求めてもうまくいかず、同時にメンバーのモチベーションをメンテナンス(M)しなければならない、両者のバランスが大事」という考え方です。

パフォーマンスもメンテナンスも高い(PM、下図の右上)状態を目指しますが、両方低い(pm、左下)と大変です。

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ただこの理論、考え方としてはわかるものの、実践では難しい部分があります。具体的に言うと「左下→右下→左上→左下」の無限ループに陥りがちで、なかなか右上に行けないのです。

① pもmも低い時、Mだけ上げてもpは必ずしも上がらない。左下から右下に移動してパフォーマンスの低い・ゆるい組織になる。

② そこで、無理してPを上げようと思うと、たいていはMが下がる。右下から左上に移動。

③マネジャーの持つリソースは有限なので、PもMも維持しようとして消耗し、どちらも徐々に低下する。左上から左下へ。


この無限ループから抜け出すには、右下から右上に行く必要がありますが、ではどうすれば右上に行けるのかに言及していない点が、PM理論の限界ではないか…と勝手に考えています。

右下から右上に行くために、サーバントリーダシップ・パスゴール理論・フェアプロセス・エンパワーメント・目標設定とフィードバックなど、マネジャーとしての技を色々繰り出すわけですが、私自身はP志向が強いこともあり、Mだけでパフォーマンスを向上させるのはハードルが高く感じます。


では何が必要か?Mを通じてPを高めるには、メンバーを含むチームの気持ちの方向性を定め、暗黙知がシェアされていることが大事であり、この"メンバーがあらかじめ持っているベース"を「組織文化」というのではないか。組織文化が、マネジャーがメンバーのMに働きかける場面で効いてくるのだ、と考えます。


Pも低く組織文化も弱い、という時はどうしたらいいんだろう。修羅場でマネジャー力を鍛える「虎の穴」と考えるしかないですね・・・。

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