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自転車で行く琵琶湖の旅〜湖東〜

 湖岸沿いにはところどころ湖岸公園がある。公衆トイレや駐車場もある。しかもほぼすべての公園でキャンプOKという旅人に優しい地域である。今日の野営先は米原駅から北に10キロほど進んだ公園だ。琵琶湖は琵琶湖大橋を境に南湖と北湖にわけられる。北湖はさらに湖東、湖北、湖西に分けられている。現在いるのが湖東である。今日の野営地の公園は湖東の中では一番北にある。ここより進んでしまうとしばらく公園が無いためまだ16時前と時間に余裕はあるがここでテントを張ることを決めた。


 自転車から荷物を外し、幕営道具をとりだす。僕の使っているテントはNature hikeの1万円ちょっとでかえるものだ。重さは2キロほどでこの値段でこの軽さはほかに無い。モンベルやスノウピークのものは高くていけない。学生には厳しい値段である。

 すぐ近くではごつい大物用の竿を3本仕掛けている人がいた。1メートル級のコイをねらっているのだそうだ。岡山の比婆山あたり出身だが定年で釣りに没頭中だ。車で待機して一晩中狙うとか。比婆山と言えばヒバゴンというご当地妖怪が昔はやっていた、らしい。高校の山岳部時代にそう習った。そのことを話すと、釣りに集中していたその男もうれしそうに
「そうだよ、ヒバゴンのとこだよ」
 と答えてくれた。地元の話は誰でも別腹のようだ。


 その夜はほかの地元のキャンプ客とともに過ごした。30代の男の人だ。元釣具屋の店員らしく、話が合う。ツイッターでよく見る人の別店舗のような覚えがある。牡蠣や熱燗をごちそうになった。
「熱燗飲むか」
「ありがとうございます、頂きます」
と答えたが実は人生で初めての熱燗で自分が飲めるのかどうかはわかっていなかった。


 3月の琵琶湖はまだまだ寒い。安い寝袋では寒さはしのげず鞄からスキーウェアを取り出して寝袋に入った。久しぶりの旅だからか、それとも熱燗のせいなのか気分がいい。

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