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2次元コンプレックス

 息子は2次元コンプレックスである。いわゆるオタクである。一時期戸田恵梨香が好きだったようだったが、それ以来、実物の女性を好きになったことはないような気配である。
 あんな異様に目の大きい、鼻の穴があるのかないのかわからんような代物に夢中になるやつの気が知れない。まあ夢中といってもフィギュアを買って飾ったり、ポスターを貼ったり、パソコン画面の壁紙にしたり、グッズで部屋を埋め尽くしたりするような愚かなことはしていないので、そこまで心配はしていない。適齢期なので、出会いさえあれば、3次元の女性への愛に目が覚めることだろう。
 それにしても2次元の世界は日本の文化になって、数多くの外国から人が集まってコミケなんかを開いたりして、大盛況だ。一大産業になっている。馬鹿にできたものでもない。
 かといって老いたのか、漫画なぞ見る気もおきない。目が悪くなってきているせいもあるだろう。浦沢直樹の漫画が好きだったが、それも最近はとんと見ない。
 息子の場合、凝り性で、ゲームはしないくせに、艦これが流行ると、軍艦そのものに興味を持ち、ウマ娘が流行ると、競馬そのものを勉強して詳しくなったりしている。馬券は買わないけれど。そのへん親に似てケチ、いや堅実である。
 僕が小学生の頃、プロ野球にはまって、いろいろ勉強したが、それに似ているかもしれない。
 いろんなことに興味を持ち、教養を高めていくのは結構なことだ。そういう意味では2次元の世界も馬鹿にはできない。

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