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授業中

 高校の授業中、眠そうな先生の時は、クラスの仲間とマグネット式の麻雀をしたり、うる星やつらの全巻を読破したり、ポケットゲームをしたりして遊んだ。
 どうやって授業中に麻雀ができるのかというと、前の席と後ろの席の4人で机に麻雀台を置いてするのである。マグネット式だから音は出ない。その授業中だけ、後ろの女の子に席を代わってもらうのである。
 それでも教室にいるだけ真面目なほうで、クラブの部室で麻雀したり、放送部の防音室でギター弾いて録音したり、新聞部の暗室で写真を焼いたりしていた。
 高校3年生の時である。高3にもなると、大学受験が控えているので、ある意味、高校の授業何て意味をなさないのである。受験勉強をしていた方がマシなのである。特に共通一次試験を受けないと決めた僕などは英語国語世界史だけしていればよかったのである。だからそれ以外は赤点スレスレで問題はなかった。先生のほうもちゃんとわかっていて、名前さえ書ければ赤点にはしないのである。これが共通一次試験を受ける奴とかなら受ける教科が多くて大変だろうから、成績が悪ければ、追試補講が待っているのである。
 もっともそういう僕に引きずられ、国公立を受ける奴まで一緒に遊んでいたのは、申し訳ない次第である。彼らは見事に浪人してしまった。
 そういう苦労をして?入学した大学であるが、やっぱり真面目に授業を受けたのは最初の頃だけで、出席を取らない授業にはいかなかった。また出席を取る授業についても、授業中、大きな教室でやると、自分が目立たなくなるうえに、そういう教室でやる先生に限って、眠そうな授業をするので、ついつい眠たくなってしまう。
 2つ向こうに座った女の子何て用意がいいもので、ハンカチを机に置いて、その上に自分のぽっぺたを置いて寝始める。よだれ対策である。
 僕なんて、何もしないで寝るものだから、授業が終わった頃には、机がよだれで、ビショビショになっていた。
 こんなにもよだれが出るものかと感動するくらいビショビショである。元気な証拠であろう。
 おかげで卒業はできたが、碌な成績ではなかった。お情けで単位をもらったようなものであった。
 今はどうなのであろう。大学のレベルも昔より高くなったと聞くから真面目に勉強しているのかしら。でもきっと僕みたいな者は必ずいるだろうから、大して変わらぬかもしれない。

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