「楽しい」は「続ける」のエネルギー
江戸時代後期にうまれた「江戸いろはかるた」の1つだという。
江戸時代を生きたひとも、わたしとおなじように感じていたのか。
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英語のポッドキャストを毎日聴いている。1日わずか15~20分ほどだが、続けているとリスニング向上に効く。
まさに「塵も積もれば山となる」を体感中。
まだまだ山は遠いし、丘にもなっていない。でも、イグルーくらいにはなっている(はず)。そうであってほしい。
続けて聴いているポッドキャストはいくつかあるが、今回はそのうちの1つを紹介したい。英語中級~上級者向けの、わたしのお気に入りの番組だ。
ダウンロード数2億回以上、1日あたりのリスナー数は75,000人という有名番組なので、知っているひとも多いかもしれない。アプリストアでの評価も4.8と高く、英語学習者のあいだでは名の知れた番組だ。
“All Ears English”。アメリカのネイティブスピーカーLindsayとMichelleが、毎回いろいろなテーマに沿って対話する番組だ。
ナチュラルスピードなので速く聞こえるかもしれないが、発音がしっかりしているのでとても聞きやすい。速すぎるようであれば、ポッドキャストプレイヤーの低速再生を使うのもアリ。
彼女たちは潔い。
“Throw away your boring old textbook!” と、爽やかな笑顔でいう。テキストブックはたいていの場合boring(退屈)、同感だ。
この番組のポリシーは “CONNECTION NOT PERFECTION” (完璧じゃなくていいから繋がろうよ) だ。ちなみに、この “CONNECTION NOT PERFECTION” はアメリカ特許商標庁で商標として登録されている(US商標登録番号第5017000号)。
日本人は(主語が急に大きくなった)、こんなふうに「完璧」を求める傾向が強いように思う。完璧な状態でないとアウトプットなんかできません、と考えるひとが多い。
番組のなかでLindsayとMichelleは、こう話す。
これは日本人へのメッセージ?と思うくらい、「ミスはご法度、完璧でなければ!」と思い込んでいる日本人に刺さる。
そもそも、日本語を完璧に使える日本人なんているんだろうか。
わたしは日本語のネイティブスピーカーだけど、外国人に「敬語の違い」を聞かれてもあやふやにしか説明できないし、デジタル化のせいか年のせいか分からないが、漢字は忘れる一方だ。
それでも間違いを恐れずに、大手を振って日本語を使っている。
英語もおなじように考えていいのでは?言語はコミュニケーションツールなんだもの。
“All Ears English”でとりあげるテーマは豊富だ。
「”No, thank you.”と断るとき、どういえばいい?」「自分の気もちを英語でどう説明する?」など、単語やフレーズを学ぶものから、「ネットフリックスを使って英語を学ぼう」「アメリカの銃社会をネイティブはこう考えている」「あと数年でファッションはどう変わる?」まで、会話の幅が広い。
LindsayとMichelleの会話にでてきたフレーズを、2人が選び、ロールプレイしてくれるので、リスナーの理解度は高まる。
そのほか、ビジネスフレーズを紹介したり、愛について語ったり、育児のネタを披露したり。
バリエーションの豊富さは、この番組の大きな魅力の1つだ。わたしが感じる1番の魅力は、なんといっても彼女たちのキャラクターだけど。
LindsayやMichelleがテンポよく楽しそうに話すから、会話にあっというまにひきこまれる。
聴いていて楽しい。
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なにかを学ぶうえで「楽しいかどうか」は個人的にすごく重要だと思っている。楽しくなければ続かないし、続かなければ上達しないからだ。
なにかに上手くなりたいなら、地道に続ける必要がある。
続けられるかどうかを見極めるため、わたしは自分の「楽しい」アンテナをチェックする。アンテナがピコピコ反応していればオッケー。細く長くでも続けられる。
「楽しい」は「もう少しやってみよう」「続けよう」のガソリンになるし、続けてさえいれば「塵も積もれば山となる」も夢ではない。
はじめから大きな山を目指さなくてもいい。まずは、ちょっとがんばれば行けそうだよね、というあたりに照準を合わせる。山登りが好きな友人もそういっていた。
そのとおり。それでいいし、それがいい。
山は逃げない。英語も逃げない。“All Ears English”のLindsayとMichelleも、ポチっとタッチすればそこにいてくれるのだ。
番組が2013年にスタートしてから公開されたエピソードは、1700以上。それこそ「塵も積もれば山となる」ではないか(塵というのは憚られるが)。
彼女たちの会話はyoutubeでも視聴できるので、興味があるひとは見てほしい。ネイティブスピーカーの、リアルで生きた英会話がそこにある。
彼女たちの活気ある表情から、“All Ears English”の番組を楽しんで作っていることがよく分かる。
やっぱりだ。
「楽しい」は「続ける」のエネルギー源なのだ。
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