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「どうしたってインクルーシブ教育ができない層」論について

こんな感じのツイートを twitter/X で見かけました。

「どうしたってインクルーシブ教育が出来ない層を知っているけど『どんな障害があっても人らしく生きる権利があり』と叫ぶ人は本当の最重度の現実を知らないんだよね」

今日はこれについて。

私の勤め先の特別支援学校では「2〜3校転々として最終的に行き着いたのがここ」というケースが多いのが特徴です。つまり色々なタイプの子供たちがいて、必要なサポートのレベルは幅広いです。私の印象では来るもの拒まずで受け入れているんじゃないかと。今度ディレクターに聞いてみよう・・

そしてサポートをするのが大事なのと同じように、私たちスタッフも自分達の体を守ることが大事です。雇われてすぐにクライシス・トレーニングというものを受け、自分の身に危険を及ばさないスキルを学びました。一番大事なのは状況をクライシスのレベルに持っていかないことで、事前に感知して避ける方向へ誘導する方法も学びます。しかしどうにもならない時もあります。そんな時のためにディフェンス法も学びました。それでも怪我をする場合はありますが、あってもほとんどがアザや噛み付きなどマイナー系です。

また私の学校はスタッフへのサポートが手厚く、個人では対応しきれないと感じる時はクライシス・チームが呼べます。校内のどこにいると伝えればすぐに飛んできてくれるので、生徒にとってもスタッフにとっても可能な限り安全に対応できるようになっています。

言いたいのは私も色々なケースを見てきていると言うこと。

で、先ほどのツイートに戻ります。

「どうしたってインクルーシブ教育が出来ない層を知っているけど『どんな障害があっても人らしく生きる権利があり』と叫ぶ人は本当の最重度の現実を知らない」

私は後者の人間で、どんな障害があってもみんな人らしく生きる権利があると思っています。インクルーシブ教育で教えたこともあります。最高です。大好きです。

その上で言うと、このツイートはインクルーシブ教育一択になってるからこういう意見が出てくるのかと。みんなにインクルーシブ教育を与えるのではなく、みんなに選択肢を与えればいい。インクルーシブでもいいし、特別支援でもいい。本人と保護者で最適な教育を選ぶ。私はインクルーシブを推しますが、特別支援を望む人もいるかと思います。個人的に将来の究極の形はインクルーシブだとは思っていますが。

インクルーシブ教育については色々と言われているようですが、考えすぎなんじゃないかと思う。そんなに難しいものではない。ただ日本で一般的な一斉教育にインクルーシブを取り入れるのは無理ですが(ハードル高い説)、授業をプロジェクトベースにしてスタッフを増やせばいい。あとはIEPのように個人の学習計画を立てる(やっぱりハードル高い説)。

でも本当、他国に出来て日本で出来ない理由がない・・・つうか、日本人のきめの細やかなお仕事でさらに素晴らしいプログラムになるのでは。

私の知る限り、神奈川県ではいくつかの高校で始めていますよね。素晴らしいです!応援しています。

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