事業承継、M&Aはむずかしくない!!④      2023.10.22 発行



こんにちは。元外資系生保の小松豊です。

2021年に独立し、事業承継・M&A、富裕層営業に関わる
コンサルタントをしております。


このメールマガジンは、当社セミナーにご参加頂いた方、
「小松豊」、「株式会社ブレインサポート」と名刺交換、
何らかのコンタクトしていただいた方に送らせていただ
いております。


皆様、随分と時間が経ってしまいました。
涼しくなったな、と思っているうちに今朝の都内は11~
12度。あっという間に秋も深まった感があります。
でもこの時期は、やはり過ごしやいですね。

前回の配信から今まで、世の中随分と色々なことが起こっ
ています。一時期ジャニーズに関するニュースばかりでし
たが、中東でパレスチナとイスラエルの武力による衝突が
起きてから、世の中が随分変化していると感じます。

戦争のニュースが全面に出た関係でジャニーズの件は一段
落した感じですので、このタイミングで一度コメントして
おきたいと思います。この件に関しては、今まで隠れてい
た性的被害が明るみに出たという側面は別として、私が仕
事として取り組んでいる「事業承継」の側面では、非常に
リアルな事例です。ちなみに同社は10月17日付で社名を株
式会社SMILE-UP.に変更しましたが、便宜上ジャニース事
務所のままで進めさせていただきます。

同社の株式は、元々ジャニー氏50%、メリー氏50%で保有
していたようで、ジャニー氏が亡くなった時に、ジャニー
氏分の株式は姪のジュリー氏に引き継がれ、その後メリー
氏が亡くなった時は、その分の株式もジュリー氏が相続し
、結果的にジュリー氏が100%保有していると言われていま
す。

本件は、いわゆる「事業承継税制」の特例を活用している
と思われますが、どの時点で特例申請をしていたのかはわ
かりません。いずれにしても、株主である被相続人が亡く
なる前に特例申請をしていたら、相続発生で株式を相続し
てもその時点では相続税は「猶予」されます。その後もい
くつかの要件がありますが、その株式を相続した次の経営
者が亡くなって次世代に引き継いだ時点で相続税は「免除」
となります。

マスコミは、後継者であるジュリー氏が代表を降りないの
は被相続人の没後5年は代表に在籍しないと、この税制が
使えなくなるからだと書いたことで、平たく言えば「お金
を持っている人が国の制度を使って税金を払わずにいる」
というような印象を与えたように思います。

この件について、数名の経営者の方から「本当にこのよう
な高額の税金を払わずに済むのか?」といったご質問をい
ただきました。私は税理士ではありませんので断定的なこ
とは申し上げられませんが、行政としては要件を満たす限
りはこちらの税制を適用すると思われます。その要件の一
つが、非上場の「中小企業であること」。サービス業であ
れば、資本金5,000万円以下、従業員数100人以下、のいず
れかの条件に合致すれば中小企業に該当します。つまり、
ジャニーズ事務所という「巨大な中小企業」であっても要
件当てはまれば、この税制の対象になると考えられます。

そもそもこの税制は中小企業の事業承継を促進する目的で
作られており、業績の良い中小企業ほど株価が高く、後継
者の税負担が大きいために引継ぎが進まないことに国が危
機感を感じ、「見るに見かねて」作った税制だと思います。

以上のような背景から、制度そのものに良くないイメージ
を持つような報道には、個人的には違和感を感じます。
長期に渡って報告義務があるなど、制度的にはハードルも
高く、課題もありますが、特に長く一族で守り続けている
ような老舗の企業などは、一考の余地があるではないでし
ょうか。

また、前のメルマガでも書いた通り、この税制を適用する
ための条件である特例承継計画の提出期限が2024年3月と
迫っているので、今後この税制を使う可能性のある企業は
、この特例承継計画を提出しておくことをお勧めします。

この件に関しては、色々とご意見、ご質問もあるかと思い
ますが、その際には是非メールなどでお寄せください。

では、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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☆編集後記


最近、前職の同僚、友人等と外でバッタリ会ったり、連絡
を取ったりすることが続いています。外資系生保を退職し
たのが2021年4月なので、2年半経過したことになります。

27年近く在籍していたので、知り合いも多くいたのですが、
中には退職した事実も伝わってない方もいました。思えば
2021年4月といえばまだコロナ真っ最中で、挨拶なども中
々できず、送別会なども少人数でコッソリやっていただい
た覚えがあります。

私としては、会えばすぐに元の感覚に戻ってしまいますし、
会った方達も同様に接していただけるのですが、会う人に
よっては、「もう5年ぐらい経ちましたか?」という方も
いて、このコロナの3年ぐらいというのはエアポケットの
ような時間だったなと実感しています。

時間て相対的なものなのかもしれないな、と思うこの頃
です。

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