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北陸新幹線開通を活用して福井県が観光を柱に振興していくための一提案


近く、北陸新幹線の福井敦賀駅間が開業する。
昨年の10月に敦賀に帰省した際に見た建設中の新幹線駅舎は、まるで、重い巨躯を持て余して大地でしばし休息する、さながら「臥龍」のような容貌であった。
奇しくも、東京と敦賀が、列島を蛇行するが如くの一本の線路で繋がるその年は、干支で言えば「辰年」に当たる。
現在の文化流行の中心地東京と、かつて大陸の文化の玄関口であった敦賀の邂逅。
じっと静かに埋伏していた北陸の巨龍が、いよいよ空へと首をもたげて世界へ飛翔するのである。

新幹線開業は、福井県の観光振興を新たなフェーズへ押し上げるアイテムではあるが、それを活用しようとする時に、すでに新幹線が開通して久しく、
距離的に近場にある京都や金沢の後追いとなるような広告宣伝のやり方では、福井県の魅力を広く伝えることは出来ないと考える。

福井には、金閣寺も清水寺も兼六園もない。
もちろん、福井にも歴史ある古刹や庭園はあれど、「映え」の観点から見れば、それらは京都金沢にあるそれらの「下位互換」になってしまう。「地味」なのである。
それ故ただ単に、ここにいけばこれが見学できて、あそこにいけばあれが食べられますよと、いった観光名所提示型では到底勝ち目がないのではないか。
東京での福井の知名度が上がらないのは、元々が「地味」な存在で、毎年冬は雪に埋もれた山深い修行寺でひたすら只管打坐して己を磨くような永平寺的な質素堅実の気質なのに、無理に背伸びして古都京都や加賀百万石が纏う華美で優雅なキラキラした「映え」の土俵で闘ってしまっているちぐはぐさが原因にあると思われる。

来日した観光客が東京駅から、京都に向かうのぞみに乗車せずに北陸新幹線に乗車し、また更に金沢駅を素通りして福井敦賀で降車して観光してもらうためには、京都大阪金沢では経験できないような魅力的な観光体験を提示する以外にないと思う。

例えば、京の金閣寺銀閣寺南禅寺といった有名寺、これらを「日本の伝統的な趣のある寺院」という大きなカテゴリーに区分するとき、そこには規模や知名度では劣れど、福井の地にも散在する「伝統的」で「趣のある」寺院を複数カテゴライズできる。
そうした寺院を観光客が訪れた時に、何がしたいかと言えば、「建物の中に入ってみたい。」ではないか。
ところがこうした要望は、京都のような観光客の多い有名なお寺では保全や安全の面で実現が難しい。
しかし、訪れる人が小規模なら、例えば小浜の明通寺が提供しているような、「歴史ある寺院の本堂」で、「座禅」を組み、「朝粥をいただく」ことができる、といった、京都では味わえないプラスアルファの観光体験を提供できるのではないか。

日本政府観光局の報告書には、

観光庁の『上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略検討委員会 』の報告書では、多様な価値観、動機、目的を持つ富裕旅行者について、海外の富裕旅行者本人、有識者などからのヒアリングをベースに、旅行時の心理状況に着目して4つの行動タイプに分類しています。
①Aesthetics seeking moments(自分自身の美意識の追求)②Entertainment seeking moments (刺激的なアクティビティの体験を主とした娯楽・楽しみの追求)③Truth seeking moments(人生観が変わる、新たな人生の価値観を見出す体験、経験を求める真理の追求)④Discovery seeking moments(旅行先の国・地域の伝統や儀式の真髄を知り、浸るとともに、家族や友人との貴重な時間の共有を求める新たな発見・体験の追求)
この4つの行動タイプのうち、世界トレンドでは2030年までに『③Truth seeking moments』『④Discovery seeking moments』において成長が見込まれています。これは、地域ごとに異なる多様な文化があり、自然、食、季節感など楽しむ要素が多彩な日本にとっては、追い風であるといえるでしょう。日本の地方に数多く存在する、これらのタイプに該当する地域コンテンツを磨き上げることによって、地方への誘客が進んでいくと思われます」



といった記述があり、こうした「コト消費」のニーズが増加していくことは今更素人の自分が言うまでもないことだろう。

たしかにこうした方面で観光客を獲得するのは、プランの作成、地域との調整、人々への周知とひと手間もふた手間もかかってくるが、
「地味」「なにもない」と揶揄される福井県のほんとうは「すごい」魅力を伝えることが出来、またそこから新たな商機も生まれてくる未来もあるのではないか。
幸いにも福井には長い歴史と伝統によって育まれた魅力的な観光資源がたくさんある。
新幹線開業を機に、これらを上手くパッケージングした観光ツアープランの提案から始めてみるのはどうだろうか。
以下に、自分が旅行会社だったら顧客に薦めてみたいとおもうツアープランをざっくりといくつか挙げてみたい。

・インバウンドツアー向け、結婚式体験プラン
インバウンドツアーの、東京観光の後の京都観光の間に福井嶺南の観光パッケージをを組み入れてもらう。
成田に降り立って東京観光をして日本の文化風俗に興味が湧いて出た頃に、通り一遍の京都観光では体験できない参加型日本文化体験観光プランを提案し、北陸新幹線に乗って敦賀まで来ていただけることを目指す。
ツアー客を新郎側新婦側に分け、新郎新婦役は紋付袴白無垢の着付け、親族役も着物、洋装の着付けを選択してもらい、敦賀氣比神宮で模擬神前結婚式体験。
もちろん気比神社の歴史、敦賀の歴史、神前式の解説もつく。
式の後は、赤レンガ倉庫を利用した披露宴的メニューを提供する昼食。用意される合間に、赤レンガ前の公園の散策や、人道館への案内ガイド。
宿泊は、敦賀市内にこだわらず、熊川宿や小浜方面で求めても良いと思う。そうすれば翌日に三方五湖周辺の観光、もしくは小浜若狭観光も組み入れることができる。

・大人の知的好奇心を深掘する、座学講座があるツアー
①日本の食文化の礎、「発酵」を福井で学ぶ
近年日本の伝統的な食文化が国内のみならず海外でも広く注目されている。
なかでも発酵食品は、ナチュラルでサステイナブルなライフスタイルへの関心などから、訴求力のあるコンテンツである。
福井には美味しいお米と水、新鮮な海の幸山の幸を背景に、日本酒をはじめとして質の高い、かつユニークな発酵文化が息づいている。
そこで、福井の様々な発酵食を試飲食を伴う座学で学び、そののち、実際に酒蔵を見学したり、発酵食品づくりを体験するツアー。
   
②福井で学ぶ、「大人の地学」
ブラタモリが長寿番組となったのも、自分のすぐ足元の地面が、時には火山や自身を引き起こして人知の及ばない荒ぶる力で我々を畏怖させ、むき出しの隆起した地層は人類以前のはるか古代の地球へのロマンを掻き立て、実はそういった大地のマクロなダイナミズムが、我々人類の歴史の成り立ちに大いに影響を与え、それが例えば城下町の成り立ちや集落の構成といったミクロな日常生活レベルに収束することを、タモさんが土地をブラブラ歩いて観察しながら解明していく痛快さが根本にあるからだ。
福井県も、地学的視点で見ると、勝山の恐竜博物館周辺、三国の東尋坊、小浜の蘇洞門、見方の年縞博物館、敦賀の中池見湿地と深掘すると面白いスポットが点在してる。
そこで、まず座学で地学のロマンを学び、各スポットを訪れるツアー。

・日本の伝統工芸を福井で短期留学して学ぶ(国内、インバウンド向け)
テレビ東京の番組に、日本の食や文化に傾倒している外国人を日本に招待してその道の達人のもとで学ぶ様子を放映する番組がある。
ラーメンから、組紐、竹垣、畳、納豆、豆腐など、多岐にわたっていて、日本マニアが世界各国にいることに驚かされる。
福井県にも古くから伝わる伝統工芸があり、中でも、越前町の小さなエリアにに、越前和紙、越前打刃物、越前焼、越前漆器が集約しているのは全国的に見ても珍しいのではないか。
日本のこうした文化をそこが営まれている地で生活しながら学んでみたいというニーズはあるのではないか。
期間は数週間から数ヶ月まで幅をもたせ、宿泊はホームステイや借り上げた空家などを活用して、短期留学プログラムを組むのはどうだろうか。
基礎からじっくり学び、帰国しても続けられるように用具一式を購入できるようにし、ズームなどを活用して不明なところは質問できたりするアフターフォローも整える。
特に包丁などは、海外の料理人からは人気で、フォローが手厚ければ、以後、越前刃物のユーザーになってくれるかもしれない。
滞在中の衣食住や観光で周辺へも経済効果があるだろう。
日本語を学びながらなにか日本の文化も体験してみたいという層にもアピールできるかもしれない。
  

以上、現時点で思いつける観光プランを挙げてみた。
観光振興後発組の福井県は、「観る」だけでなく「学べ」て「体験できる」観光、「福井でしか味わえない特別な体験」を提供できるような観光プランを作れば、
れに感応した観光客が新幹線で福井まで訪れてくれるのではないだろうか。


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実は昨年、大人の休日主宰の「福井県トリップアンバサダー」てのに任命?されてました。
福井県に一泊二日の旅行に行かせていただいたり、恵比寿で何度か会合も出席したりして、新幹線開業に向けた福井の観光振興、更には、「大人の休日」としてどーいった旅行プランや、福井アピールがあれば、読者層の興味を引くことかできるかなどの話し合いみたいなものをやったような気がします。

なんか、あいまいなまま終わってしまったんですが、最後に、自分の考える福井旅行プラン考えてくれってゆー課題があり、それに答えて書いたのが上記の文章です。

一泊二日の提案はできんかった。。。。。

なんでかってゆうと、俺氏自身がそうゆう短期トラベルが苦手なんですよねー。
しかもツアーなんて、バスとか車移動。
歩くのが好きな自分には苦痛。
全身でその土地の風や匂いや音を受け止めたい人間には詰め込み型の旅行はきつい。

でも、そーいった趣向の人は、人生経験豊富な人ほど多いんじゃないのかな?って思うんです。
それで上記のような提案になってしまいました。

他の人がどう思ってるのか知りたくて、なんも書かずにほっといたnoteに載せてみます。

お時間ありましたら、感想キボンヌ\(^o^)/!!


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