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心象風景   花手水

訪れる 人を迎える 花手水

曇天の雲間から差す 一条の光に照らされて
水に咲く 黄色の花が 黄金に輝いている

本堂で 一人静かに 祈る人

しゃんと 伸びた背中に 
かすかに漂う 悲しみの気配が
思い過ごしなら いいな…

御仏は 口元に わずかに笑みを浮かべて
あなたを 見守っている

祈りは きっと 届いている

線香の煙が ゆらめきながら 立ちのぼり
時が 静かに 流れていく

水に咲く 紫の花が かすかに 揺れている
まるで 優しい歌を 歌うように

あなたの 心に 届くと いいな…

雲が切れ 青空が 広がる

水に咲く 白い花が 
ひときわ その色を 際立たせる

まるで 来たるべき 夏から 届く
招待状のように

あなたの 眼にも 映ると いいな…

その名も知らぬ あなただけれど

梅雨空を超えた その先に広がる
明るい 夏空の下へ

よろしかったら 
今度
ご一緒に…

招待状を 握りしめて…


(写真はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
 こっぽんのひとりごと置き場。さん、素敵  な写真をありがとうございます。
 タイトルは春と夏の真ん中で。)


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