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閉店セール

大吾のまんだらけ風のお店は、マニアの間では流行っていた。
少し前に、同業者が閉店した店を買い取ったので、2店舗になっていた。その店は、税関審査の時に一緒だったバイトにほぼ任せていた。

お客さんにしてみたら、こちらの状況なんて知らない。急な閉店になぜって思っていたに違いない。流行りの店を閉店する事は大変だった。古本、フィギュア、CD、DVD、写真集など、お店の中にはさまざま商品が並んでいた。

まずは、閉店のお知らせをする。反響は凄かった。
遠方からも毎日客が押し寄せて、商品を買って行った。しかし到底なくなるはずもないくらいの品数だったので、セール後捨てるのは勿体無いレア商品は、また、マンションの倉庫と押入れ行きになった。

当面凌げるだけの額は稼げた。
2店舗目のお店は、バイトが買い取り引き継ぐことになった。

何年も頑張って作り上げたお店が、なくなったことは悲しそうだったが、娘の為に健全な店を作るという新たな目標を立てて、お店は閉店した。

新たな店舗の構想は出来ていた。
大吾から提案を受け、私も真摯に相談に乗った。
まだ、あまりその手の店がなかったので、不安な気持ちもあったが、大吾を信じた。

その勘は見事に的中した。

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