雨をたどって 泳ぐ 熱帯魚 灰いろ 波立て 泡立て
あなたは命の香りとなりて
愛も死も 私の欲望の内から出たものであった
やわらかい風が光をゆらす 感覚に静まり、私を失う 恵まれし、この時よ あなたの赦しの中で
木漏れ日の中 歩みをすすめた シャッターを切るように 交差する光と影
重い雲に起き上がれない 慣れたことだし、あきらめた 壁にかけた十字架に目がいく 救いや慰めはもうどうでもよかった ただ、時間つぶしにはなった もう何年もあなただけを見ている
ただの風景から、君に
祈りを捨てたとき あなたとの対話がはじまった
空と君 それだけでよかった
空に帰りたい 囁くきみ 頷くことなく 雲を追った
君に触れると、僕から僕がこぼれてゆく
君から溢れた光を 僕の真ん中に
優しいうたが聞こえたころ 深淵の先で逢いましょう
雲につつまれて なにも見えない 雲の向こうから なつかしい声 雲に手をかけ 君をさがしてる 雲を眺めて、そんなことばかり
僕のうちに夜がひろがると 君が灯りはじめた 僕と君だけ 静かなとき
あなたは愛さえ奪ってしまう