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読書日記『六波羅探題 京を治めた北条一門』(森幸夫、吉川弘文館)

読みやすい六波羅探題概説書。

「朝廷の監視機関」というイメージだったけど、京都の治安維持、さらには寺社の強訴の対応をしなきゃいけないだなんて大変だよなあ……
北条氏にとっての本拠はあくまで東国で、鎌倉に帰れずに六波羅探題とともに滅亡した人たちの心境はどうだったんだろう……
と、最後はしんみりしてしまった。
(足利好き・室町好きの自分が言うのもあれですが)


意外だったのが、六波羅探題滅亡の要因の一つとして挙げられていた「権限の弱さ」。
「在京人に対する処罰権・人事権・恩賞権などがなく、六波羅探題には求心力を得にくい機能的欠陥があった」のだそう。
また、六波羅探題のトップはもちろん北条氏だけど、六波羅北条家みたいな感じで特定の家系のみで受け継がれる役職じゃなかったんだね。
権限を強くしたり、特定の家系でトップを独占すると、鎌倉から独立した勢力になってしまう懸念があったからかもしれないけど。


さて。
この本がとても面白かったので、調子にのって他の六波羅探題本も読んでみることにしました。
読了できたらまたこちらに書きます。

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