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通級に通うのは恥ずかしい?授業を見れば考えが変わる!後編

1カリキュラムの概要

前編では、通級の制度がどういうものがをお伝えしました。
ここからは、実際にどのようなトレーニングが行われているのか、リアルな実態をお届けします。

私の息子は、主にビジョントレーニングと感覚統合運動を鍛えるカリキュラムを組んでいます。
これは、事前にトレーナーが通常学級での息子の様子を見て決めてくれています。

また通級指導が始まる前に、校長、担任、トレーナー、保護者の四者面談を開いて下さり、普段の生活や困り事を聞き取り調査してくださいました。

通級は、あくまでも本人と保護者の希望を優先してくれるので、本人が行きたくないと言う場合は無理に通わせることはありません。
実際に息子も始めはクラスを抜けて通級に行くのが嫌だと言って、しばらく通っていませんでした。

息子が教室に入るや否や、
『よーし、今日は何からやる?』
とトレーナーが声をかけ、
息子が
『風船!』
と答えて風船を取りに行きます。

風船ヘディング50回や、風船バレーボール、風船リフティングなど、しばらく風船を使うトレーニングをします。

それが終わると、ペットボトルキャップ開けです。
トレーナーが思い切り固く閉めたペットボトルのキャップを、息子が開けます。
これは指先の力を鍛えるトレーニングです。

ここでトレーナーが、
『〇〇が閉めたキャップを、お母さんに開けてもらおう』
と言って、私も参加することに。
息子がギューッと閉めたペットボトルを私に手渡し、お母さんが開けるチャレンジです。
やらかしオカン、秒で開けてしまいました。
なぜすぐに開けずに
『わぁー、固くてあかなーい!すごい力だね!』
と小芝居のひとつも打てなかったのか、悔やまれる所です。

次に、運動しながら計算問題を解くと言う、なかなか難易度の高い事をしました。
バランスボールをパスしながら計算したり、風船をキャッチしながら計算したり。
これはマルチタスクのトレーニングなのですが、大人でも難しそうです。

黒板にランダムに書かれた数字を、1から12まで順番に手でタッチしていく『ナンバータッチ』。
これは瞬発力と目の動き、認識力を鍛えます。
ストップウォッチで時間を測るのですが、ここでもやらかしオカン、息子よりもトレーナーよりも速いタイムを叩き出してしまいました。
もう、これは帰って一人反省会決定事案です。

最後に、今回国語の授業を抜けて通級に来ていたので、国語の勉強をしました。
机に座って勉強をしたのはこの10分程度でした。
しかし、通級の目的は学習そのものと言うよりも、学習の土台になる身体作りです。
私は、勉強の時間はこれぐらいで充分だと感じました。

2 通級の先生に伺ったこと

通級の先生(トレーナー)に、なぜ勉強の土台作りに運動が必要なのか伺いました。
少々専門的な話になりますので、飛ばしていただいても結構です。
人間の脳は他の動物よりも発達しており、発達の段階で必要な運動が変わってきます。



赤ちゃんの頃のハイハイは、手の指や足の指をしっかり使う練習、首を上に向けることによって脳幹からの神経伝達をスムーズに大脳新皮質に届ける運動になります。
因みに、私の息子はハイハイをしませんでした。座った姿勢から掴まり立ちをし、歩き出しました。
発達段階で必要な運動が足りていないため、脳幹から大脳新皮質にスムーズに神経伝達が行われていない可能性があるため、通級でもハイハイや首を上に向ける風船バレーボールなどを取り入れています。
その他にも、黒板の文字をノートに書き写す際には、目の動きと短期記憶(黒板の文字を覚えて、ノートに書く)を連動させて行います。
高いところからぶら下げたサッカーボールの白い場所に文字を書いて、ボールを蹴ったり回したりしながら読み取るトレーニングは、両方を鍛えられます。

4 通級に通わせるか迷ったら

保護者としては、通級に通わせるかどうか迷う時もあるかと思います。
「発達に問題があるわけではないし、通常学級でなんとか楽しくやれているみたい。それでも通級に通わせる意味あるの?」
「せっかく通常学級に通えているのに、授業を抜けてまで通級に行くのは、子供が恥ずかしがらないのかな?」
いろいろな思いもあるでしょうが、私は通級に通わせて良かったと思っています。
もちろん、支援学級のように教育委員会や小学校から通うことを推奨されるわけではありません。
子供の可能性は無限ですので、通級に通わなくてもそのうち運動や学習に問題なく付いていける様になるお子さんも多いでしょう。
あくまでもお子さんの気持ちが大切です。無理強いすると逆効果になることもあります。
担任の先生やトレーナー、お子さん本人とよく相談して決めるのが良いと思います。

5まとめ

今回は思いの外書きたいことが多くなったので、前編・後編に分けて書かせていただいた、私が通級の授業を見学してみた感想。
一度見学しただけでも、かなり勉強になりました。
子供の可能性を信じて、長い目で成長を見守っていけるよう定期的に見学させて頂こうと思っています。
何か少しでも参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

追記・・・新年早々の震災でまだ不便な生活を強いられている方々も多いかと思います。
寒い日が続きますが、どうぞご自愛ください。
私も阪神淡路大震災の被災者です。
明けない夜はありません。
今は心と体を守ってください。

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