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数年に一度、転職の誘いを持ちかけてくる知人

数年に1回やってくる転職の誘い

数日前、数年に1回連絡してくる知人・森さん(仮名)から、会社のメールに連絡が来た。
「あんずさん、近々ランチしませんか?」
あー、数年ぶりにまた来たよ。
森さんが私に連絡するときは、自分の会社に転職してこないかと誘いたいときである。知り合ってから10年近く経つが、3回誘われた。うちの業界では転職の誘いなんてよくあることだけど、この森さんの場合、問題があった。
誘ってくるたびに、違う会社に勤めているのである。
森さんは転職が多く、新しい会社に行くたびに、私に一緒に仕事しないかと誘うのだ。もし私が応じても、おそらく森さんはまた辞める。残された私はどうなるのだ。森さんはまた新しい会社に誘ってくるだろうけど、森さんと運命共同体になるつもりはない。
なにより、私は同業他社に転職する意思はない。森さんと出会ったときから一度も転職していない。かつては転職を検討したことはあったが、5~6年前に同業他社と合併したことで、いまはずいぶん過ごしやすい会社になったので、もう辞める理由はなくなった。それは数年前に森さんに伝えたんだけどなあ…。

森さんに会ってもどんな話になるかわかっているので、わざわざ会う時間を作るつもりはない。かといって返事をしないのも失礼なので、ひとこと返しておいた。
「ありがとうございます。今月はバタバタしているので、またご連絡します」
もちろん、今後連絡するつもりはない。向こうから連絡が来てもスルーしようかと思っている。


転職を勧めるトンデモ理論

森さんの転職の誘いは、いつもあまり条件が良くない(苦笑)。森さんは、いつもまあまあの規模の会社に所属しているが、社内ベンチャーや子会社のようなところにいるので、人員が少なく、ひとりひとりの負担が大きい。私が転職する場合、給料はダウンし、退職金や確定拠出型年金の制度がなくなるため、現在の生活や資産形成にも影響が出る。
上記の理由で断ったことがあるのだが、そのときにトンデモ理論で説得された。

その1 うちの会社の業務内容をディする
10年前に初めて勧誘されたときだが、
「御社にいても限界がある」
と言われた。
たしかに当時のうちの会社は何かと問題があったが、その問題は人の入れ替わりや合併により解消された。会社の環境は変わるものだし、外部の人に「限界がある」とか言われる筋合いはない。

その2 他人の給料に口出しする
私の給料が、同業他社の同世代の人より高めであることは知っている(平均年収の高い異業種と比べたらたいしたことはない)。同業他社でも同程度以上の給料を出してくれる会社はあるだろうが、退職金や福利厚生はいまほど手厚くないだろう。
そんな中で、森さんの誘いは、いつも給料ダウン、退職金・福利厚生なしである。
それを私に納得させるために、あるとき、
「このあたりで一旦給料ダウンを飲まないと、これからきつくないか?」
と言われた。
彼曰く、これ以上給料が上がったら、同業他社で転職するときにギャップが大きすぎてできなくなるのではないか、というのである。
会社が「もうこんなに高い給料を出さない」と言うのであれば仕方ないが、出してくれているのだから余計なお世話である。

みずから転職の意思を示していない人間に対し、いまの会社より安定していない、おそらく仕事の負担が重い、給料の下がる会社に転職しろなんて、まったく理不尽な要求である。私が得することはなく、すべて森さん側が得をするだけである。
なので、今後も森さんからの誘いには応じない所存である。


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