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「とび太くん」ではない方の坊やの父を発見!突撃インタビューと父の素晴らしすぎる志は日本を席巻中

 全国で増殖を続ける謎の子ども・・・飛び出し坊や。その発生源を探る琵琶湖一周妄想自転車旅③

 今回の妄想旅行は飛び出し坊やの起源を見つけないことには、計画もへったくれもあったものじゃない。ここは、直接インタビューするに限るだろう。私は手に汗を握りながら豊郷町の役所から聞き出した丸◯看板に電話をかけてみた。いろんなことが頭をよぎる。なぜテレビにも出ているような人なのに、ネットサーフィンに引っかからないのだろうか?本当にどこの馬の骨かもわからない奴に付き合ってくれるのだろうか?「当たって砕けろだ。」と心に決め、電話番号の最後の数字を押した。

プルプルプル….ガチャ

丸◯氏「はい、もしもし」

私「もしもし、丸◯看板さんのお電話でよろしかったでしょうか?」

丸◯氏「はい、そうですけど」

私「突然のお電話申し訳ございません。少しお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

丸◯氏「ええ、何のご用件でしょう?」

私「実は今、飛び出し坊やの起源を調査していまして、こちらの丸◯看板さんが元祖だとお聞きしたものですから….」

丸◯氏(声が明るくなった)「はいはい、そうそう、一応うちが元祖ってことになってるねー。でも元祖か本家かみたいなもんで、今ある形はウチで作ったけど、似たようなものはほかにもあったみたいだねー」

 ここで私の疑問は解消された。やはり同時坊やは時代の必要性に合わせ、多発的に生まれてきたのか!!私の推測は間違っていなかった。ということで私はあえてとび太くんの久田工芸さんは本家とし、とび太くんではない方の坊やを生み出した丸◯看板さんを元祖と押すことにする。

私「えっそうなんですか?それは例えば、普通のたて看板板みたいな形のとかですか?」

丸◯氏「そうそう、ああいうのは前からあったけどね、でもなんかインパクトないでしょ。あの看板。それに一応、NHKのおはよう関西とか、ニュース610とかでも元祖ってことになってるから。ウチがはじめたってことになるねー。」

私「色々取材にもいらしているんですね。ところでなぜあの看板を作り始めたんですか?」

丸◯氏「ウチの子供がね、小さいころ交通事故にあいかけたのよ。ウチはね、国道の307号線沿いにあるからさ、子供がちょっと飛び出してね、トラックにはねられそうになったんだけど、何とかトラックも止まってくれてね、事故にはならなかったからよかったんだけど、こりゃ危ないなーって感じたから、とりあえずウチ看板屋でしょ。だから手作りでコンパネ切ってねー、道路のとこに出したわけさ。」

私「なるほど。では最初にPTAとか、自治体に頼まれて作ったわけじゃなかったんですね?」

丸◯氏「うん。でも一体設置したら、こっちも危ない、あっちも危ないなんてことになってきて、ウチの近隣には結構作ったのよ。」

私「それは、どなたかに頼まれたんですか?」

丸◯氏「いいや、ボランティア。っていうかウチの子のためかな、最初はね。でもそのうちにロータリークラブやらライオンズクラブ、役所やら何やらが、あれいいから作ってくれって言ってきて。作ってたんだよね。だけど、こんなことで金とって商売するのも、何か違うなーって思ってたから、もらってたのは実際にかかる材料費だけ。でもね、そのうち、どんどんあっちこっちから注文が入るもんでさ、自分の本業が全然できなくなってきちゃったのよ。でもやめるわけにはいかんでしょ。だからそのとき取引があった、長岡産業さんってとこに話してさ、そっちで何とかやってくれんかって頼んだんだよ。そしたらウチだったら、シルク印刷の技術でできるし、量販もできる、商売にもなりそうだからいいよって、引き受けてくれたのよ。」

私「そうだったんですか。では今はもうまったく作ってないんですか?」

丸◯氏「作ってないよ、いまはその長岡産業さんが、材料なんか変えて作ってるよ。一回よかったらホームページみてみなよ。NHKもウチと長岡産業両方取材してたよ。でもやっぱり、手作りはモチが違うよ、モチが!いまだに一番最初に作ったの残ってるしね。ウチの近隣は初期のやつがいっぱい残ってるから、時間あったら見にきてよ。」

私「そうなんですか。ありがとうございます。その一番最初に作った看板から黄色い帽子をかぶっていたんですか?」

丸◯氏「いや最初はかぶってないよ。ウチが作ったやつは、頭は普通に真っ黒。黄色い帽子は長岡産業さんからだね。それに今色んなのあるでしょ。アニメのとか。あれどうなんかねー、あんまりドライバーの注意になってない気がするから、いいのかなって思うね。あっそれから最初にウチが作ったやつは男の子で、何個目かに女の子作ったね。」

私「ええ~そうなんですか!女の子がいるってことは、それじゃーもしかしたら正式名称は飛び出し坊やではないんですか?」

丸◯氏「そうだね、ウチは飛び出し人形っていってたね。」

私「では今のデザインが全国にあるのは、長岡産業さんからなんですね?」

丸◯氏「そうだね。特に長岡産業さんがインターネットで販売始めてからが、一気に全国に広まった理由だね。ウチで作ったやつなんかは近隣市町村だけだからね。」

私「今日は貴重なお話ありがとうございました。お時間をおかけして大変申し訳ございませんでした。本当にありがとうございました。」

丸◯氏「もしまた聞きたいことあったらきいてな。」

私「はい、ありがとうございます。がんばります。本当に今日はありがとうございました。」

携帯「ガチャ……プープープー」

 こうして飛び出し坊やの起源調査はすっきりと終了した。丸◯氏は私が電話をする前に思っていたことをいい意味で裏切ってくれる、本当に良い人だった。自身の子供のためだけにとどまらず、近隣のコミュニティーのために尽くしていたことに脱帽である。ここで勘違いしてはならないのはどちらかというとすでにプチブレイクしている「とび太くん」は久田工芸さんが作成したもので、丸◯看板さんが生み出したのは帽子を被っている系の別民族に当たる坊や達であることを確認しておく。

丸◯看板系坊や

 この電話の後、私は長岡産業の公式サイトを開いた。そこには私たちが普段見慣れた「飛び出し坊や」、もとい「飛び出し人形」がずらりと表示されていた。さまざまな改良が加えられた「ネオ坊や」たちは一同に黄色い帽子をかぶり、相変わらずシンプルで強烈なメッセージを放っていた。
 改めて、丸◯氏のボランティア精神に敬意を払いたいと思った。このように現在全国区になり、そのフリークさえも持ち、愛されるキャラであり、丸◯氏の子供を思う気持ちから生まれた「飛び出し人形」が全国でさらに増殖しつづけることを心から願う。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)



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