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及川徹 という理想の上司 〜ハイキュー!!〜

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・エッセイスト・書評家 として、
自らを定義しています。

私は過去の悲しい経験から、
基本的にマンガは完結済の作品しか
購入しないことにしている。
(その経験については、需要があれば書く)

そういうわけで、
私の大好きな作品のひとつ
「ハイキュー!!」も
世間のブームからは
かなり遅れてハマったクチである。

この「ハイキュー!!」においては
魅力的なキャラクターが
たくさん登場しているのだが、
私の「特に」お気に入りなのは
烏野高校のリベロ・西谷夕と
青葉城西高校のセッター・及川徹だ。

今回はそのうちのひとり、
「及川徹」についてフォーカスしたい。


及川徹について

宮城県内の強豪・青葉城西高校の
バレー部主将にしてセッター

中学3年時には
県内のベストセッター賞を獲得。

ユースにも選ばれた
烏野高校が誇る天才セッター・影山の
中学時代の先輩でもあり、彼をして
「サーブとブロックは あの人見て覚えました」
と言わしめるほどの実力の持ち主。

そしてイケメンで女子人気が高く、
性格は クソ お調子者。
よく相方の岩泉君にツッコまれる。

詳細については、こちらも参照されたし。

私にとっての及川徹

彼について私がイメージする言葉は
「理想の上司」である。

ハイキュー!! をご存知の方は、
これを聞いてどう思うだろうか。

ちなみに私の妻は 彼を見て
「ホント 嫌なヤツ」と言っていた。
(私は隣で苦笑い)

だが、仕事柄 監督者を
やっている者としては
冗談を抜きにして
素晴らしい上司の資質を
持っていると考えている。

では、及川徹の
何がそんなに素晴らしいのか。

作中のセリフも引用しながら、
順を追って説明していこう。

理想の上司の条件

①メンバーの力を引き出す

ただ あの及川ってやつが
「青城」ってチームを
熟知して100%の 力を引き出せる-
って感じじゃねぇのかな…

烏飼繋心
第48話 " 指揮者 " より

よーし やるかぁ!
それじゃあ 今日も-
信じてるよ お前ら

及川徹
第49話 VS " 大王様 ″・2 より

個性の違うスパイカー達
それぞれ 100% の力を
引き出してこその
セッターだ

及川徹
第53話 及川徹は天才ではない より

大学生の中に及川さんが
セッターとして一人で入ってた
初めて会った人も多いみたいだった

でも ほんの数プレーで
及川さんは完全にチームに溶け込んだ
スパイカーが活き活きしてるのが
俺にも分かった


誰からもどんな奴からも"100%"を引き出すなんて
たとえ時間をかけたってできるとは限らない

でも及川さんは
例えあの人を嫌ってる奴とか
すげえクセのある選手とかでさえ
きっと自在に使いこなす

影山飛雄
第106話 それぞれの壁 より

いちプレイヤーと監督者の最大の違い、
それは「チームで成果をあげる」ことである。

故に監督者は
「自分は精一杯頑張った」
では評価はされない。

自分が頑張るかどうかは二の次で、
チーム全体で求められる成果を
あげなければならない。

もちろんバレーボールという競技の性質上
及川自身が頑張らないわけには
いかないのだが、
彼はセッターとして
常にメンバーの力を
最大限引き出すプレーをする。

そしてメンバーたちは、
普段 彼がどんなにおどけていても
プレーに入ると 全幅の信頼を寄せる。

後輩の影山も IH予選の時点では、
まだまだ及川の境地には至っていない。
(トスの技術は凌駕しているにもかかわらず)

この影山と及川に、私は
セッター(司令塔 ≒ 監督者・上司)として
「優れたプレーヤー(止まり)」
「優れた司令塔」の差を見る。

②メンバーの成長を促す

(金田一 / チームメイト)
あの 及川さん
今のだとちょっと合わせ辛いというか
なんというか・・・

(及川)
うーん・・・わかった
・・・でもまだ変えずに行ってみよー
-まだ!!!
お前の打点は あとボール一個分先だ!!!

第142話 強さのかたち より

上記は回想の中の練習シーンより。

セッター・及川の長所のひとつは、
メンバーの力を100%引き出すところである。
それは正しい。

だが、その「100%」は
必ずしも「現状の100%」とは限らない。

メンバーに伸びしろがあると思えば、
「現状の100%」に固執せずに
もっと上を引き出そうとする。

優れた上司とは
目先の結果にばかり囚われず、
仕事を通じて部下の成長を促す。

だが、実際には
これができない上司は多い。
どうしても上司自身の評価を気にして、
将来の成長より目先の仕事を
優先してしまいがちだ。

だが、それでは所詮
「現状維持」が関の山。

チームを強くするうえで、
「目先の成果」と「将来の成長」の
二兎を追う姿勢が欠かせない。

彼はそれができる人物なのだ。

③優れた観察力・洞察力

IH予選での烏野高校戦を前に、
及川は部屋で烏野戦の VTR を研究する。
そして日向・影山コンビの使う
2種類の速攻のサインの違いを見破ってしまう。

監督者として、
目の前の仕事に集中することは大事だが、
「目の前『しか』見えない」ようではダメだ。

そのときどきで置かれている状況を観察し、
難題に突き当たった際には
わずかなヒントでもいいから
洞察によって拾い上げなければならない。

つまり 監督者には、率いるメンバー以上に
観察力と洞察力が求められるのだ。

彼はセッターとしてプレイヤーでもありながら
それをこなすのだから見事というほかはない。

④負けず嫌いと強い向上心

-高校行ったら
今度こそ白鳥沢凹ましてやる・・・!!!

及川徹
第60話 進化 より

ここまで彼の優れた点を述べてきたが、
彼も順風満帆なキャリアを
送ってきたわけではない。

人より体格やセンスに恵まれていて
中学へ上がってから
群を抜いて上達した彼も、
牛島若利を擁する
白鳥沢学園に阻まれ続けてきた。

そうこうしているうちに、
今度は後輩に影山飛雄という
圧倒的センスを持った後輩が迫ってきた。

悔しさと闘い、自分を追い込み、
ときにはオーバーワークから
狂気の領域にまで踏み込むほどの
練習を重ねてきた。

結果的に白鳥沢学園を破ることは
叶わなかったものの、
彼の負けず嫌いと向上心が
中学3年時の
ベストセッター賞へと繋がったのだ。

ほとんどの人間にとって、
世の中には自分より上の人間がいる。

「俺は十分スゴイんだ」と慢心した途端、
成長は止まってしまう。

そして上司や監督者として
気を付けなければならないのは、
自身の慢心は
チームの停滞にもつながるということ。

もし彼が当時の自分に
満足してしまっていたら、
青葉城西高校は
ここまで強くなれなかったであろう。

⑤真面目とお調子者の二面性

(岩泉 / チームメイト)
くだらねえ事言ってんじゃねえ クソ及川!!
部室閉めんだから ちんたらすんなグズ川!


(及川)
悪口を略さないで!

(岩泉)
グズ及川!

(及川)
言い直さなくていいよ!!

第48話 " 指揮者 " より

おそらくこれまで述べてきた
4つを備えていれば
相当に優秀な上司であろう。
(私はその域には達していない…)

が、彼の面白いところは
プレーの時とは裏腹に
非常にチャラい性格であることだ。

生真面目が悪いとは必ずしも思わないが、
上司と部下の関係というものを考える際に
上司があまりに真面目過ぎると
部下としては どこか息苦しさを感じるもの。

だからこそ、
人間的なユーモアがあるというのは
実は周囲が思っている以上に大きいのだ。

この二面性こそが、私にとって彼を
「理想」とまで言わしめる決め手である。

及川徹のような上司でありたい

私は昔から「司令塔」「監督」というものに
漠然とした憧れがあった。

野球観戦にハマっていたころには
何よりも「キャッチャー」が
カッコイイと思っていたし、
現在 連載中のサッカーマンガ
「アオアシ」では
指導者として悩み、考える「福田達也」や
サイドバックから俯瞰を活かして
司令塔を目指す「青井葦人」が好きだ。
(アオアシだけは 未完結だが追いかけている)

そんな中でも及川徹というキャラクターは、
今のところ 私にとっては
自身の考える理想の監督者像に最も近く、
それは そのまま理想の上司像となる。

この先何年 会社員として
働くのかは分からないが、
上司となるからには
彼のようになりたい。
(クソとは言われたくないが…)

そう思うのである。

お読みいただき、ありがとうございました。


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