外国人差別が栄えるこの国日本は,このままでは政治4流国のまま朽ちていく
※-1 前書き-差別の国:日本なのか?
以前『あいつ今何している?』というテレビ朝日の2時間番組があった。2023年3月15日を最後に終了していたが,それなりに面白い「思い出の人を探しだし,いろいろと語りあってもらう」番組であった。
このブログの記述で,できればなるばく面白くも伝えたいのだが,昔「在特会」という「在日外国人,とくに韓国人・朝鮮人を必死になって差別しまくるエセ政治的な団体」が存在していた。
最近はこの団体じたいの活動はほとんど報道されることがなくなっているが,しかし,これに類似した差別行動を盛んにおこなう類似した団体や組織が,日本社会になかに幅広く浸透してきた。
付記)冒頭の画像は,野間易道『「在日特権」の虚構 増補版-ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』河出書房新社,2015年から借りた。
問題はその「在特会」の発生・成立をさぐり,実際にどのような差別のための行動をしてきたのか,その事実史をしることによって,なにゆえ,日本社会はこのような「ある種の反社会的な異様なヘイトクライム集団」を擁することを,あたかも当然視し容認する雰囲気を有していたのか,という疑問が解けるはずである。
常識的な理解で養老孟司風にいえば,「在特会」はまさしく「バカの壁」内側の住人なのだが,その外側に居ても同列と観られるべき政治集団,自民極右政権ならびに疑似野党である日本維新の会などにおいては,「陣笠議員の資格さえない」3流の「選良」たちのなかにも,この在特会に勝るとも劣らぬ「差別意識」の持主(居士)が,いくらでもウヨウヨいる。
※-2 在特会並みか,それ以下の「極右:粗暴・無教養」の安倍晋三元政権の政治集団的特性,その粗暴なる堕落形態
◆ ひとまず,キャロル(ロックバンド)にまで
たどりつく「在日特権」の話題 ◆
1) 在特会の差別行動に対する司法判断をめぐる報道-『朝日新聞』と『日本経済新聞』の違い-
a)「在特会の言動,賠償増額 高松高裁,『人種差別』も認定」『朝日新聞』2016年4月26日朝刊
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会員らが6年前,徳島県教職員組合で罵声を浴びせた行動をめぐり,県教組と当時の女性書記長(64歳)が在特会側に慰謝料など約2千万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が〔4月〕25日,高松高裁であった。
生島弘康裁判長は「人種差別的思想の現われ」で在日朝鮮人への支援の萎縮を狙ったと判断。女性の精神的苦痛を一審より重くとらえ,倍近い436万円の賠償を命じた。
【参考画像】-当時の報道から-
判決によると,在特会の会員ら十数人は2010年4月,日教組が集めた募金の一部を徳島県教組が四国朝鮮初中級学校(松山市)に寄付したことを攻撃するため徳島市の県教組事務所に乱入。女性書記長の名前を連呼しながら拡声機で「朝鮮の犬」「非国民」などと怒鳴り,その動画をインターネットで公開した。
判決は,在特会側が朝鮮学校を「北朝鮮のスパイ養成機関」と呼び,同様の言動を繰り返してきた経緯から,「在日朝鮮人に対する差別意識を有していた」と指摘。
さらに,一連の行動は「いわれのないレッテル貼り」「リンチ行為としかいいようがない」とし,在日の人たちへの支援活動を萎縮させる目的があり,日本も加入する人種差別撤廃条約上の「人種差別」にあたるとして強く非難。
昨〔2015〕年3月の一審・徳島地裁判決が,攻撃の対象は県教組と書記長であることを理由に「差別を扇動・助長する内容まで伴うとはいいがたい」とした判断をあらためた。
そのうえで,監禁状態のなかで大音量の罵声を浴び,性的暴力まで示唆された女性の苦痛や県教組が受けた妨害の大きさも考慮し,曽我部真裕画像一審の賠償額(230万円)を増額。賠償命令の範囲も2人増やし,在特会と会員ら10人とした。
識者の寸評: “一歩進んだ判決” 表現の自由に詳しい曽我部真裕(まさひろ)京都大学教授(憲法)の話。支援者が対象でも人種差別にあたるとした点は新しく,京都でのヘイトスピーチをめぐる大阪高裁判決を一歩進めた感じがする。また,在特会の言動は表現活動と呼べるものではないと判断した。
b) すでに「在特会側に1200万円の賠償が確定 京都のヘイトスピーチ」といった判決も下されていた(この見出し文句は『The Huffington Post』投稿日: 2014年12月10日 18時09分 JST 更新: 2014年12月10日 18時09分 JST)。
在日特権を許さない市民の会」(在特会)に人種差別的なヘイトスピーチ(憎悪表現)で授業を妨害されるなどしたとして,京都の朝鮮学校を運営していた学校法人が在特会と会員らに損害賠償を求めていた訴訟で,最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は2014年12月9日付で,在特会側の上告を退ける決定をした。朝日新聞デジタルなどが伝えた。
これにより,在特会の名誉毀損と業務妨害を認め,約1200万円の高額な賠償支払いと,学校周辺での新たな街宣の禁止を命じた一審京都地裁,二審大阪高裁の判決が確定した。ヘイトスピーチをめぐる民事訴訟では,過去に例をみない高額な賠償判決となった。
一,二審判決によると,在特会会員らは2009年12月~2010年3月,同学園が運営する京都市の朝鮮学校の周辺で3回にわたり,拡声器で「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「朝鮮人を保健所で処分しろ」などと発言。その様子を撮影した動画をインターネット上で公開した。
一審京都地裁は「在日朝鮮人への差別意識を世間に訴える意図があり,人種差別撤廃条約で禁じられた人種差別に当たる」と判断し,違法性を認めた。二審大阪高裁も,同条約上の人種差別に当たると認定。「表現の自由によって保護される範囲を超えているのは明らかだ」などと指摘し,在特会側の控訴を棄却した。
出所)ここでは,『時事ドットコム』「ヘイトスピーチで賠償確定=在特会の上告退ける-最高裁より」(2014/12/10 15:08)も参照。
在特会の組織活動としての在日朝鮮人(韓国人)に対する差別行動は,目に余るものがある。そのあからさまな,在日たちに対する激越な言動は「殺せ!」とまで街頭デモで平然と叫ぶくらいの非情さであるから,さすがの日本の裁判所(!)であっても,以上の報道の内容である判決を示さざるをえないでいる。
c) 小宮山洋子「ヘイトスピーチ禁止法案,見送りに」
(『BLOGOS』2015年08月28日 20:00. なおこのサイト『『BLOGOS』は現在,終了している)は,関連する日本の事情(内情?)に関して,こう語っている。
d) つぎは2012年ころの意見であるが,いまも・これからも当然,通用するものである。
要するに,日本政府はこの社会のなかにいくらでも実在する差別問題の「見える化」を嫌がってきた。しかし,在特会ほど差別的な活動を日常的に露出させ,しかも物理的に暴力まがいの威圧行動まで強行してきた,ある意味ではきわめて単細胞的に突出したこの組織集団の存在は,そのあまりにもひどすぎる行動のために,とうとう裁判所から強くたしなめられる判決を下されていた。
しかしながら,安倍晋三自民党政権は「国連人種差別撤廃委員会から,日本政府は,人種差別禁止法を制定し……」といった要求を,けっして受け入れる立場・思想をもっていない。というのも,もともとこの執権党は,党内に在特会に近い,なかにはほとんど同じ体質・思考をもった国会議員たちを多人数,抱えてもいるからであった。
※-3 安倍晋三元内閣の〈売り〉は極右反動性であった
第2次安倍改造内閣(2014年9月3日~2014年12月24日)の時期がとくにひどかったが,このとき内閣の売り物にした女性大臣たちは,実に情けない人たち(議員)としてひな壇に並んでいた。
法務大臣松島みどりは 2014年10月20日辞任(後任は女性議員の上川陽子だった),経済産業大臣小渕優子も 2014年10月20日辞任。そして,国家公安委員会委員長山谷えり子,内閣府特命担当大臣有村治子は,2014年12月24日で任務終了していた。後者の2人でも,その間,4ヶ月ももっていない。
第2次安倍晋三内閣女性大臣5人画像 松島みどりはウチワ問題,小渕優子は政治資金問題のせいで,せっかく大臣になったものの,1ヶ月あまりで辞めざるをえなかった。山谷えり子はとなると,つぎのような解説もあるくらいである(ウィキペディア参照)。いやはや呆れるほかない女性大臣様たちであった。
a)「在日特権を許さない市民の会(在特会)」
山谷えり子は,在特会について「在日韓国人・朝鮮人問題を広く一般に提起し,彼等に付与されている『特別永住資格』の廃止を主張するなど,『在日特権』をなくすことを目的として活動している組織と承知しています」との認識を,『荻上チキ・Session-22』がTBSラジオにおいて送った質問状に対して示していた。
また,2014年(平成26年)10月30日の衆議院予算委員会において,在特会幹部と携帯電話でやりとりする間柄,との指摘を受けた。
b)「写真について」(下掲)
2014年9月17日,山谷えり子が「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の関係者と一緒に写真に納まっていたことが分かった。元在特会関西支部長の61歳の男性が運営するホームページで公開されていた。
男性やホームページなどによると,写真は2009年2月22日に松江市のホテルで撮られており,山谷えり子のほかに7人が写っており,うち男性ら3人が在特会関係者である。山谷はこの日,松江市内で「竹島の日」の記念行事に出席し,講演していた。共同通信は,在特会を在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える団体と報じた。
2014年9月18日の定例の記者会見で山谷えり子は「在特会の人であることはしらなかった。国家公安委員長なので,面会の要否については慎重に対応していきたい」と話した。
9月25日,外国特派員協会で開かれた記者会見で英国のタイムズ紙の記者に「何年前からしってて,何回会ったのか(?)と在特会についての気持」に質問という対し,山谷えり子は「その方が在特会の関係者ということは存じ上げておりません。(在特会の主張について)一般論として,いろいろな組織についてコメントすることは適切ではないと考えております」と答えた。
しかしその後,ヘイトスピーチについて山谷えり子は,一般論として「誠によくない。憂慮に堪えない」と懸念を示した。
c)「献 金」
『しんぶん赤旗』が2014年10月4日に報道した記事「山谷 国家公安委員長 在特会関係者から献金 2010年に2回 同席写真の女性」は,山谷えり子が在特会関係者から献金を受けとっていた事実が発覚したことを明らかにしていた。この記事の本文はつぎのとおりである。
以上の記述(解説や記事など)のなかに書かれているのは,在特会が盛んにヘイト活動を実行していた時期におけることがらであった。つまりそれは,冒頭で触れたごとき「在特会」の差別行動が活発におこなわれ,さらにはこれが問題となって提訴され,裁判所の判決が下される時期と重なっていた。
関連してここでは,安倍晋三内閣の閣僚のうち大部分が「日本会議」などの神道系政治団体・組織に名をつらねている事実を指摘しておく必要がある。つぎにかかげる表をよくみておきたい。
この表に出ているうち,とくに日本会議については,以下のような引用をもって説明に代えておく。
要は,在特会的な体質に酷似した政治的性格は,安倍晋三政権内においても充満しており,外部に向けても平然と発散させていた。現在となってこの事実は,安倍の悪質で拙劣な為政が長期間つづいてきた〈負の実績〉として,否応なしに現前している。
さて,以上とりあげてきた話題のうち,前段「在特会の言動,賠償増額 高松高裁,『人種差別』も認定」(『朝日新聞』2016年4月26日朝刊)については,同じ内容に関する報道が『日本経済新聞』になると,つぎのように半分ほどの字数でとりあげられていた。
この裁判に関する報道は前段と重複するが,ここでは『朝日新聞』と『日本経済新聞』のとりあつかい方の違いを,視覚的にも分かりやすく対照化させておくために,つぎにそれぞれの記事現物を並べてみた。
※-4「今,日本で一番恥ずかしい人間は安倍晋三に従う無能な自民党員だ」
以下に,今日からだと8年近くも前に,引用するこの女性が語っていた文句を,引用しておく。(『Sakiの「くだらなくも忙しい人生」-女性経営者である Saki が,ヒマな時間を見つけてぶつくさつぶやきます。-』 2015-07-15 14:41:14)
--明らかに違憲であるのに,戦争に参加を許す安保法案を自民党は『強行採決』しやがった」。強行採決は安倍晋三1人ではできない。多くの無能な自民党員が可決させたのだ。これが本当に法案として成立すれば,日本はアメリカに追従してどこにでも兵を送ることができる。自衛隊は本当の軍隊となるのだ。
戦争行為は,いったん始まったら,引き返すのは簡単にはできない。ふつうは,どんどん深みにはまり,どん底になってはじめて終わる。というか,戦う者がいない状態になってからしか終わらない。始まってしまえば,負けたくないと思うのがふつうなので,半端では終われないのだ。
その道を開こうとしているのが,この法案だ。無能な自民党議員達は国民を守ろうとはしない。自分達の党内部での立場を守るだけだ。あいつらには,この国の未来など,どうでもいいのである。
原発も再稼働だ。これほど地震やら火山活動が多発しているというのに。国立競技場も2500億円くらいかけるそうだ。そんな金があるのなら,福島の復興に回せばいいのに。経済的弱者をもっと救う努力をすればいいのに。
官僚の天下り先はほぼすべて復活させた。われわれがいくら血税を払おうが,ザルのごとに落ちていく。もうよくわかっているではないか。政治家と官僚は,もう完全に機能不全に陥り,国民に迷惑しかかけていないのだ。
ああ,腹立つ。アメリカにも,知能指数の低い安倍晋三にも,普通に「NO ! 」といえる普通レベルの政治家はどこにいる? だから,男優位社会はダメなんだ。
かといって,私は現在の女性政治家でまともなのがいるのは思えない。いるのは「芸者」のような飾り的な女たちばかりだ。本来の女性のたくましさをもった政治家は見当たらない。そういう意味では元滋賀県知事〔嘉田由紀子で第8代滋賀県知事を務めた〕は惜しかった。
とにかく,立ち上がれ,国民よ!! と心からいいたい。
註記)http://ameblo.jp/sakisakirararan/entry-12050775015.html
この女性が語った「腹の立つ安倍晋三政治の〔当時の〕現状」は,安倍晋三が死んだあとも,菅 義偉から岸田文雄へと自民党政権が移っていっても,なにひとつ変わる気配をみせなかった。
ところで,2016年4月14日から熊本地震が群発しだしてから4月23日になってから,安倍晋三は首相として熊本・大分両県に視察に出向いた。そのさい安倍は,救援活動に出動している自衛隊に対してだけはなによりも優先的に,「最高指揮官」である自分の威厳を示すことを忘れていなかった。
当初,自衛隊員は2千名しか出動させなかった安倍であったが,4月16日にもってようやく,自衛隊をその2千人から2万人に増やすことを決定したと,〈遅まきながら〉も,胸を張っていた。しかし,自衛隊3軍の最高指揮官の立場に関しては明らかに初動ミスを犯していた。
※-5 安倍晋三とこの自民党のろくでもない議員たち
1)「結婚詐欺まがいの悪事も 不倫宮崎議員 “ゲス極まる” 女グセ」『日刊ゲンダイ』 2016年2月13日
妻の出産直前の不倫を認めた自民党宮崎謙介衆院議員(35歳)が辞職願を提出した。2月12日の会見では,週刊文春が報じたFカップのグラビアタレント(34歳)とは,また別の女性との不倫関係をみずから告白。「育休宣言」で注目を集めた宮崎議員だが,本当の姿はやはり “ゲスの極み” だった。 --中略-- 「ほかにどれだけ女がいるんだ」。
註記)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/175288
2)「療養中にちゃっかり 甘利氏 “言い訳文” を支援者に大量送付」『日刊ゲンダイ』2016年4月19日
“口利きワイロ” 疑惑で大臣を辞職した甘利 明前経済再生担当相(66歳,当時)。〔2016年〕1月28日の辞任会見後,「自宅療養中」との理由で国会を欠席しているが,ちゃっかり選挙活動に精を出していた。支援者に “言い訳文書” を大量送付していたことが分かった。
日刊ゲンダイ本紙は,甘利前大臣が執筆し,支援者に送ったとみられる手紙を2通入手した。--後略--
3)「『東京を不便に』 自民議員が保育園問題でまた不適切発言」『日刊ゲンダイ』2016年3月18日
自民党の務台俊介衆院議員(59歳,当時)が3月17日,国会内でおこなわれた会合で不適切発言。「『保育園落ちた』との話があるが,東京を便利にすると,ますます東京に来て子育てしようとなる。ある程度,東京にいくとコストがかかり不便だ,としないかぎりダメだ」といい放った。
務台議員は会合を途中退席し,「保育園落ちた」のブログについて「本当に保育所に入りたくてやっているのか,安倍晋三首相が嫌いでいっているのか,よく分からない。実態を調べないといけない」と記者団に述べた。
務台議員は,2012年衆院選で長野2区から出馬し初当選。現在2期目だ。育休不倫で議員辞職した宮崎謙介に未公開株トラブルで離党した武藤貴也議員,同僚の門 博文議員(妻子もち)と不倫路チューの中川郁子議員など,自民党の2回生議員はとんだ “タレント” 揃いだ。
※-6 高野 孟(ジャーナリスト)「自民党議員も頭を抱える 首相の時代錯誤,無知無教養,幼児性…」『日刊ゲンダイ』2015年3月5日
旧知の自民党ベテラン県議から連絡があって,東京に来ているのでちょっと会おうとお誘いがあった。なにかと思えば,「安倍晋三首相が国会で『日教組はどうした』などとやじを飛ばしているのをみて,こりゃあもうダメだ,こんなヤツをいつまでも総理に置いていたら日本はおしまいだと思いつめて上京し,何人かの大物幹部と会って意見交換した」のだという。
補注)安倍晋三のこのヤジは,2015年2月19日衆院予算委員会で飛ばした「ヤジ」のことである。民主党議員が西川前農相の脱法献金を追及中,突然「日教組はどうするの」とヤジった。事後,安倍は「正確性に欠く発言だった」と事実誤認を認め,訂正に追いこまれていた。そういう経過であった。
ところが安倍晋三は,翌20日も「日教組は補助金をもらっていて,教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいる」と答弁した。だが,日教組は国から補助金を受けとっていなければ,教育会館から献金をもらっていた民主党議員もゼロ。安倍首相は国会でデマをまき散らしたようなものである。
「だって,あれは品格とかいう以前の問題で,総理が予算委員会の閣僚席からヘイトスピーチを吐いているようなものでしょう。『日教組』という御札を突きつければ野党議員は黙るだろうと考える,その時代錯誤。しかも,日教組が国から補助金をもらっていると思いこんでいた無知,無教養。カッとなると自分を抑えられない幼児性。いまどき,うちの県議会にだって,こんな馬鹿な政治家はいないよ」と,まあボロクソなのだ。
彼はもともと宏池会系のハト派だということもあるが,春の統一地方選を控えて余計に危機感を募らせたのだろう。彼の怒りの言葉を浴びながら,一昨〔2013〕年6月の本欄で,安倍に「自己愛性人格障害」の疑いがあると書いたことを思い出した。
「ささいなことでも自分のやり方に注文をつけられると,相手かまわず激しく反撃に出る」「気まぐれで,気分がよいとペラペラと長広舌をふるうが,機嫌が悪いとささいなことで怒鳴り声をあげ,耳を疑うような言葉でののしったり,見当外れな説教をしたりする」「明らかに過ちを犯しても,謝罪は口だけで,心の中では自分が正しいと思っている」等々。
さて,それで自民党の大物幹部たちと会ってどうだったのか。
「みなさん,あのやじで『なんとか我慢して安倍政権を支えていこうという気持がすっかりなえた』といっている。二階俊博総務会長や福田康夫元首相など親中派は本気で動き出すでしょう。河野洋平元議長も最近の講演で『いまは保守政治でなく右翼政治だ』とハッキリいったようだし,古賀 誠元幹事長もなにやら生々しい動きを始めていて,引退した大物OBも含めて『保守政治をとり戻そう』という流れが出てきた。ひょっとすると『9月政変』はありですよ」と彼は言った。 --後略--
註記)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157745/1
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157745/2
その『9月政変』(2015年中の)は起こらなかった。今日は2023年6月1日である。以上のごとき高野 孟が発言されてから,早,8年と6ヵ月が経過した。しかし,その政変に相当する事態は,いまだに起きていない。
それだけに,安倍晋三の第2次政権が継続中であった時期,この元首相に固有であった「傲慢と幼稚」「暗愚と無知」の度合だけが,より調子よく発揮されつづけるばかりであった。もちろんその分に反比例する方向で,この国の政治は品質の劣化を加速させてきた。
この ※-6の記述中に出てきた「総理が予算委員会の閣僚席からヘイトスピーチを吐いているようなもので」あるといった批判に留意しておき,次項の記述に進みたい。
※-7 在特会的な差別と偏見のド屁理屈と,在日韓国人の真実・事実としてのキャロル「論」
1)キャロルの矢沢永吉
龍村 仁『キャロル闘争宣言-ロックンロール・テレビジョン論』(田畑書店,1975年12月発行)という本がある。キャロルの4名を,以下のように列記していた(144頁)。
なお,矢沢永吉(1949年9月14日生まれ,満66歳)はすでに日本国籍を取得していたが,韓国名は趙 永吉(チョ・ヨンギル)である。
ユー・岡崎は「岡崎 友」で日本人,内海利勝も日本人。
ジョニー・大倉(大倉洋一)は在日であり,韓国氏名は朴 雲煥(パク・ウナン)である。大倉は2014年11月19日に死去。
矢沢永吉(28歳) ベース・ボーカル (写真 ↓ 前列向かって右)
内海利勝(19歳) リードギター
ユー・岡崎(21歳) ドラムス
ジョニー・大倉(22歳) リズムギター・ボーカル (前列向かって左)
キャロルの若い時期の画像がこれだが,⇒ http://pds.exblog.jp/pds/1/201208/09/54/e0249254_0244217.jpg などにも出ていた。
このキャロルは,約2年半という短期間の活動であったけれども,日本のロック音楽界に強い衝迫を残し,以降にも大きな影響を与える〈伝説のバンド〉にまで成長してきた。
だが,在特会風にこのキャロルを攻撃するとしたら,「在日特権」にまみれてこそ,そのおかげで大いに売れた “日本のロックンロール・バンド” なのだという顛末,マイナス評価(けしからぬ現象だったということ?)になりそうである。
つぎは,龍村 仁『-ロックンロール・テレビジョン論-』に語らせる。
キャロルは,2人の強烈な個性をもった,現職の液体絵具であった。この日本に生まれ,朝鮮語をしゃべれず,ロックンロールとテレビジョンに依って育てられた1人の在日朝鮮人青年,あるいは日本人青年の,両極に引き裂かれた魂と肉体の激しい葛藤があの “キャロル” の圧倒的な迫力を創っていた。
“キャロル” とは,朝鮮人の魂をもち,アメリカ人の姿,かたちをした日本人のことなのだ。そして,32歳でキャロルに再会した一瞬,私は,自分自身もまた, “キャロル” であったことを思いしったのだ(285-286頁)。
龍村 仁が以上のように語っていたが,はたして,キャロルに在日特権はある〔あった〕のか,ない〔なかった〕のか? もっとも,この種の設問したいが,もとから愚問でしかありえなかった。
--最後に,ついでに述べておく。矢沢永吉(趙 永吉)は広島県出身である。
※-8 広島・原爆・天皇・靖国
1945年8月6日に広島市にB29爆撃機「エノラ・ゲイ」が投下した原爆のために,この街で「およそ14万人が」「死んだが,このうちの3万人から4万人が朝鮮人」であった。
すなわち「広島で被爆死した3人に1人か,4人に1人が朝鮮人だった」註記)。在特会の諸君にいわせると「これも」「在日特権」になるのか?それこそ,「バカをいえ」ということにならざるをえないが,そのように問うてみるほかない。
昭和天皇は戦責問題に関して,1975年10月31日にこう発言していた。「在日特権」とはいささかこみいった話題になる。
その1:戦争責任について ⇒「そういう言葉のアヤについては,私はそういう文学方面はあまり研究もしていないのでよく分かりませんから,そういう問題についてはお答えできかねます」
その2:原爆被害について ⇒「この原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾に思っていますが,こういう戦争中であることですから,どうも,広島市民に対しては気の毒であるが,やむおえないことと私は思っています」
ところでまた,東京九段の靖国神社には,大東亜戦争に巻き添えにして殺した「およそ2万1千柱にのぼる韓国兵将兵の英霊が祀られている」。
これも在特会にいわせると,その英霊としての待遇は「在日特権」になるのか? 韓国人の元日本軍兵士の戦後補償はいかほどあって,いつごろになされたかしっているか?
靖国神社に彼らの死霊を放りこむことは,霊的に勝手に決めた宗教の方針による作業だから,それこそこの神社側の好き勝手であったが,そのようなあつかいをされた韓国人側遺族は,たとえば韓国に多いキリスト教徒であれば,怒り心頭である。
靖国神社は英霊から外せと,当然,要求した韓国人「遺族」もいる。だが,靖国神社側はこれにはいっさいとりあわず,完全に無視している。
つぎに紹介する画像資料は,韓国の芸術家が靖国神社を風刺して描いた作品3点である。
靖国神社における本当の祭主はもとから天皇以外にはいなかった。たしかにA級戦犯が合祀されて以来,つまり,1975年11月21日の参拝を最後に,天皇たち,つまり昭和天皇,平成天皇,令和天皇の3人は,靖国神社に参拝(親拝)することがなかった。もっとも,春季・秋季の例大祭にさいして勅使は,忘れずに必らず送っている。
1975年11月21日,昭和天皇,最後の靖国参拝。
最後に「在特会」のヘイトクライム問題に戻る。※-7のキャロルの話題と,※-8の昭和天皇の話題をもちだしたのは,その背景にこそ「在特会」の醜悪で退廃した「人間差別」の領野が開けているからであった。
その後も「在特会」だけでなく,類似した(猿まねした)差別集団や個人の起こした実際の行為に対しては,つぎつぎと違法とみなす裁判所の判決が下されていた。こちらの判決をいちいち紹介していたら,この記述はさらに長くなるので,ここでは次項の記述(画像資料となる)で締めておきたい。
※-9「ヘイト規制合憲 判決踏まえ根絶に進め」『朝日新聞』2022年2月18日朝刊「社説」の紹介
本日までその間,ヘイトクライムをとりあげた関連の裁判では,そのほとんどがヘイトを繰り出したほうが敗訴していた。そのすべては紹介できないので,たまたま本日の『毎日新聞』朝刊「社会面」に出ていたつぎの記事を,画像資料のかたちで紹介しておく。
要は,「在日特権」というありもしない鵺のごとき存在を妄想できていた,それも,「在特会」の会長をつとめた桜井 誠(これは通名で本名は高田 誠である)は,それこそ「根拠も理由もなにも」存在しえない幻想に囚われたすえ,虚空のなかにみいだしえたと決めつけた虚像に向かい,必死になって遠吠えしていた。
しかも,この桜井 誠の発言に付和雷同する「ヤマト民族風のエセ日本人」が大勢いた。この日本を悪くするためにであれば,大いに役立った彼などの存在が,むしろ逆にこの国(アベ的にいえば美しいはずの国)を,大いに汚し,貶める作用しか発揮していなかった。
日本にはアベなどのような亡国の首相が確かにいたが,これに応ずるかのように「亡国の民たち」も居た。というしだいで,すっとこどっこいの者たちが,大手を振って徘徊する国になっている。
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