広報担当と始める中小企業ブランディング

こんにちは!
ブランディングテクノロジーの松井(@matsui__1987)です。中小企業におけるブランディング現場において、実践する全ての方に役立つ情報を発信していこうと思っています。

今回は、広報担当とブランディングをテーマに考えてみたいと思います。というのも…中小企業のブランディングを推進する上でのキーマンが広報担当だと考えています。

僕自身も現在、複数の業務と平行して一部広報活動を行っています。リソースや予算が限られた中で毎日出来ることを考えています。日々の気づきや考えている事をお伝えしたいと思います。

目次
1.中小企業に広報は必要か
2.変わりつつある広報の仕事
3.広報とブランディングの関係
4.伝えたいことは何かを考える
5.ブランドをどう届けるか
6.仕組みを整える
7.まとめ(お忙しい方はこちらで要点がつかめます)

※本記事は、まだ広報担当を置いていない(置こうと思っている)中小企業様を対象に書いています。


1.中小企業に広報は必要か

中小企業では以下のような理由から「広報担当はいらない」と考えている方も多いのではないかと思います。

広報を置かない理由(一例)
✔ プレスリリースを打つ機会がない
✔ 自社に特別な商品やサービスがない
✔ 投資家向け情報は公開していない
✔ イベントや催事なども行っていない
✔ そもそも選任で抱えることが難しい

必要性を感じていても、優先度は低いという方も多いのではないでしょうか。しかし、以下のような企業には広報(兼任でも)が必要だと感じています。

ブランディングに注力したい企業(規模に関わらず)には必要

それは、「ブランドを管理し社内外に浸透させる」という役割が企業内で分散してしまい進まなくなってしまうからです。ブランドを浸透させるためには広報担当を立て、継続的に発信や管理をしていく必要があります。
※近い役割でブランドマネージャーという職種もあります。

広報とブランディングは親和性が高い

日経BPコンサルティングの調べでも、「今後の広報の目的」として73%が企業ブランディング(醸成 / 浸透)と回答しています。更に「今後有効な手段」として75.5%がオウンドメディアと答え、デジタルへの移行が見られます。従来のマス(テレビ、新聞、雑誌など)では密なメディアリレーションが必要になり、関係構築コストも多大にかかってしまいます。
こういった点からも、予算・リソースが限られる中小企業には追い風になっていると感じています。

2.変わりつつある広報の仕事

2016年のデータになりますが、広報会議の調べによる「各企業が注力したい広報活動」を見ると広報活動の傾向が見えてきます。

各企業が注力したい広報活動
1位 メディアリレーション
2位 ウェブ・デジタルPR
3位 インナーコミュニケーション
4位 ブランド管理
4位(タイ) マーケティングPR
参照:調査データから読む広報の仕事

1位はメディアリレーションということで、従来の広報のイメージですが、2位~4位(タイ)に関しては、広報部門をもっていない企業においても非常に重要な点になります。従来の広報イメージにあるような「プレスリリースの作成、及びメディアリレーションの強化からパブリシティを獲得する」というのは、ごく一部の役割であることが解ります。
近年の広報は「マーケティングプランナー」や「ブランドマネージャー」の役割も担ってきていると感じています。

つまり、広報が担う領域が広がるにつれ、ほとんどの企業に必要な存在になると考えています。

3.広報とブランディングの関係

まずは上記「各企業が注力したい広報活動」ランキングをブランディング領域にあてはめて考えてみます。

上記図は、自社ブランドを社内外に浸透させる活動を図解したもの。
自社のブランドを整理・管理する活動として「ブランド管理」。内部浸透・インナーブランディングの活動として「インナーコミュニケーション」。外部浸透・アウターブランディングの活動として「デジタル・マーケティングPR」をあてています。この図からも広報活動とブランディングの親和性が非常に高いことが伺えると思います。

ブランドを軸に広報活動をすることでブランディングを推進する

自社のブランドを整理し、社内外(ステークホルダー)への発信内容を考えます。その際には、各種戦略との連携も大切になります。事前に関係者とすり合わせをし発信内容とのズレを無くていきましょう。広報では会社としてのメッセージを決めるために、部門を横断しコミュニケーションをとる必要があります。

複合的なスキルが求められる
✔ 戦略思考力
✔ コミュニケーション力
✔ 情報収集・編集力
✔ 発信力 …etc
企業広報戦略研究所では8つの力が広報に必要と定められている

中小企業におけるブランディングは一過性になりやすいと感じています。こういった広報の存在が継続的なブランディング(浸透活動)を繋いでくれると考えています。

4.伝えたいことは何かを考える

「ブランドを発信する」と言っても具体的な発信内容を考える必要があります。自社のブランドを整理し発信内容を考えてみましょう。
各ステークホルダーに対し、どんなことを伝えるべきか。…もし、具体的な言葉になっていないのであれば、発信の際にヒアリングしまとめていきましょう。様々な角度から企業を照らし発信することでブランドがより明確に浮き出てきます。

私たちの場合は、「ブランドメッセージ」という軸になる言葉を定めています。社内外問わず自分たちの考え(ブランド)を宣言する言葉です。
伝えたいことが増え、言葉が混在してきたときには、このように構造化すると良いでしょう。
※似たような言葉は統廃合する等して混乱をまねかないようにする

5.ブランドをどう届けるか

伝えたいこと、伝えたい相手が決まったら「どう届けるか」を考えてみましょう。ステークホルダーとの接点(タッチポイント)をよく観察し、持つべき広報チャネルを考えます。

この際に忘れがちなのが「人」の観点です。特に「スタッフ」は日々お客様と対面しブランドイメージを創っている“キーマン”です。スタッフから家族、地域にも伝わっていく…と考えると重要性が見えてきます。

社内広報の重要性

「スタッフ」が企業ブランディングを推進する上での要になると考えています。先ほどのランキングで「インナーコミュニケーション」が3位にあったのも納得できます。つまり、社内広報も優先度を上げ活動バランスを取っていく必要があります。

6.仕組みを整える

広報戦略を基に仕組みを考えていきましょう。限られたリソースの中で進めていくためにも、仕組み化は最初にしておく必要があります。社内の協力体制が必要になるので、目的や意義、効果などを説明できるようにしておきましょう。


7.まとめ

ここまでの流れを要点化しまとめてみます。
お時間がない方はこちらをご覧頂ければと思います。

✔ ブランディングに注力する企業には広報担当が必要
✔ 広報の目的として企業ブランディングが最も多い
✔ ブランディングと広報活動の親和性が高い
✔ 広報の役割が変わり多くの企業にとって必要になる
✔ 部門や戦略の横断が必要
✔ 兼任担当から始めてみる
✔ スキルセットを定義し育成する
✔ 伝えたいことは何かを整理する
✔ ステークホルダー(誰に)を整理する
✔ 広報チャネルからの発信体制を構築する
✔ 企業ブランディングでは社内広報に重点を置く
✔ 継続発信+運用改善の仕組みを構築する

合わせて読みたい書籍

▼経営と広報の融合が解りやすく記されています。小さい組織だからこそ取り入れたい観点です。

▼メディアリレーションの細かな技が充実しています。


さいごに ~中小企業における広報現場について~

広報活動に対し十分なリソースを充てられている中小企業は少ないと感じています。それはやはり、中長期での取り組みで投資対効果が見えづらく、抱えるにも体力がいるという点が大きいからと考えています。

兼任広報という限りられたリソースの中で、いかに成果を出していくかを考えていくと…日常の業務から自然に広報トピックスが発生する仕組みや、人事制度と連動させ内部浸透を加速させる仕組みなど、仕組みの設計がとても大切だと実感しました。

更にこれらの仕組みを動かしていくためには、自身も部門横断しながらコミュニケーションを取り、様々な業務に関わる必要があると感じています。
これからも、毎日様々な課題にぶつかりながら「新しい広報のかたち」を考えていきたいと思います。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。
次回のブランディングテクノロジーnoteもご期待下さい!
引き続きよろしくお願い致します。

ブランディングテクノロジー 松井

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