quintessence_harumitsuda

1980年代にはまだ前人未踏だったインテリアスタイリストという肩書きは私の造語かもしれ…

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1980年代にはまだ前人未踏だったインテリアスタイリストという肩書きは私の造語かもしれない。「ものを吟味する」道を辿ってきて、改めて「ものは貴重だよ。好きなものを手に入れて自分の証となるまで慈しんでね」という原点に回帰する。伝えることと作ることのエッセンス纏め役。 津田晴美

最近の記事

インテリアスタイリストの災難

ものともに。 世紀の変わり目とともに「もの捨て」の風潮が押し寄せた。日本版パラダイムシフトっていうのかしら?人というのは探究心あってこそ生きがいを感じる。あるべきものがそばにない時点で断絶、いざというとき一服の慶だったものを捨てる。そういったよすがをすべて離す人には、相当の悟りや行が必要だろうと思う。でもそうしなければ立ち行かないのなら否定しない。実際、東京の廃棄物はどのくらい増えたのだろう。世の常で、捨てる人がいれば拾う人もいる。いったい全体どこへ流れて行ってしまったのだ

    • インテリアスタイリストのつぶやき

      ものを使う。 考えなしに自分勝手に使っていた道具が突然いうことをきかない。自分で治せるとたかをくくっていたらことは深刻だった。長い時間に無理なことばかり強いていたからなあ。ものには使い道という道があるんだよね…元箱に入っていた使用説明を読み始める。そ、そうだったか…もの言わぬものにものごとを教えられ、私の道は間違っていたと悟る瞬間でもある。栓抜き、爪切り、はさみ、包丁、鍋、鉄とアルミとテフロンのフライパンの使い道。
 道を辿れば地図が見えて来て迷うことなく、年を重ねるごと

      • インテリアスタイリストの修行

        ものを携える。 なんですか?コレは。税関で尋ねられること幾たび。そのたびに説明をして、さあ、たぶん拙い英語で説明されてもよくわからないんだがぁ、といった困惑顔でふんふんと頷きつつ、これ以上は埒あかん、と意を決したようにパンとスタンプを押して無事通過。 どこの国でもお人柄とお国柄、行き交うところ難関あり、もう慣れっこになった。

いちばんの苦労は許可が降りて、税関員の見つめるなかで、一度取り出したら最後、2度と元へは戻せないようなトランク周りの惨状。孤立無援の作業にあまんじて

        • インテリアスタイリストの目

          ものを持つ。 何気なく部屋の隅に置かれたものをつくづく眺めては思いにふける。きっかけは最初の旅、そして仕事、それを縁に予期せぬ出会いの数々の証。  最初の自分の計画(コマーシャル)からは、思いもかけぬほど遠くまで旅(展覧会のキュレーション)をして、緑色の陽の名残りを留める街道(かつての西洋と東洋の交易路)で、奇遇に心開かれて手に入れたものたち。 あのとき。 きっかけは最初の旅で訪れたパリのルーブル美術館だった。お決まりの観光のつもりが実際の絵画や彫刻を見てびっくり。今ま

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