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【本当に全ての手根骨触診できますか?】画像から理解する手根骨の触診方法


手根骨の種類

手根骨は近位手根列・遠位手根列に分けられ、合計で8個の骨で構成されています。

表1:手根骨の種類


図1:手根骨

図1のような配置に手根骨は存在しています。また、手根骨は多数の靭帯・膜などにより支持されています。


表2:手根骨 日本名、英名

触診方法

手根骨は可動性がある分近位手根列の骨の方が触診しやすくなっています。それぞれの触診方法について写真を用いて説明していきます。

図2:豆状骨

豆状骨は一番触れやすい手根骨となっています。
触診方法:小指球周囲を軽く圧迫しながら触れると隆起した骨に触れられます。それが、豆状骨です。

図3:手関節尺屈時の舟状骨・三角骨


図4:手関節橈屈時の舟状骨・三角骨

次は、舟状骨と三角骨です。
触診方法:橈側はタバコ窩に尺側は尺骨茎状突起以遠に触れておきます。その状態で橈尺屈をすると近位手根列のみ回転運動と橈尺屈運動を伴うため触知しやすくなります。尺屈の場合は、タバコ窩の奥より舟状骨が盛り上がってくるのと同時に三角骨が中に入っていってしまうため触れることが困難になります。橈屈はその反対で舟状骨が中に隠れてしまい、三角骨が盛り上がってきて触れやすくなります。

図5:手関節掌屈時の月状骨


図6:手関節背屈時の月状骨

次は近位手根列の要である月状骨です。
触診方法:月状骨は割と触れやすい骨となっています。まずは、月状骨の大まかな位置に手を置くために手関節中間位の状態で中手骨骨幹部より近位へ指を滑らせていきます。そうすると、やや窪んだ部分があると思います。その場所が月状骨の大まかな目安場所になります。その後、その場所に指を置いた状態にて手関節掌屈動作を行うことで月状骨が盛り上がり、反対に手関節背屈動作を行うことで月状骨が沈みこむ様子が確認できれば正確な位置を触れることができています。

図7:大菱形骨

遠位手根列の大菱形骨です。大菱形骨は舟状骨との判別が少し分かりにくいので注意してください
触診方法:母指中手骨より近位へ指を滑らせていき、最初に落ち込む場所がCM関節になります。また、その奥に位置しているのが大菱形骨になります。ある程度、大菱形骨だなと思う場所に指を置いた状態で先ほどの舟状骨の触診方法、橈尺屈を行うことで舟状骨のみ可動し、大菱形骨は不動のため判別ができると思います。

図8:小菱形骨

次は小菱形骨です。
触診方法:小菱形骨も大菱形骨と同様に示指中手骨より近位へ指を滑らせていきます。そうすると、示指中手骨骨底部は隆起しているためそこで盛り上がった感覚があった後に、間隙に指が落ちます。その間隙の近位部の骨が小菱形骨です。

図9:有頭骨

有頭骨です。有頭骨は月状骨を動かすことで明瞭に触れやすくなります。
触診方法:まずは先ほどと同様で、中指中手骨から近位へ指を滑らせていき中指中手骨骨底部にて隆起した骨を触知した後に間隙に触れられると思います。その後、月状骨との判別のために手関節を背屈することで月状骨は関節内へ入り込むため触れにくくなるが、有頭骨は常時触れられるためそこで判別を行います。

図10:有鉤骨

最後に有鉤骨です。
触診方法:先ほどと同様に環指・もしくは小指中手骨より近位へ指を滑らせていき、中手骨底部より近位にて間隙が触れられます。その近位部に有鉤骨が位置しています。また、もう少し判別するには指を尺骨茎状突起よりもやや遠位部に置いておき、手関節尺屈動作を行うことで三角骨は関節内へ入っていくため触れられませんが、有鉤骨は触知ができます。


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