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エンターテインメントと善と悪と

長所は短所になることもあり、
短所は長所になることもある。
俳優のインタビューで長所を訊くと
「慎重なところが短所でもあり、長所でもある」
「正直さが長所だけど、正直すぎて短所にもなる」
などと、長短表裏一体と感じることが多い。

先日、ある方がこんなことを話してくれた。
「正義と口にした瞬間、悪を作っている。
味方といった瞬間、敵を作っている」
確かに。
ものごとには表と裏があり、
なにかを見るとき、反対語が必ず生まれる。

善と悪
陰と陽
光と影
静と動
父と母
メリットとデメリット
プラスとマイナス
ポジティブとネガティブ
変化と維持
自立と依存
過去と未来
安心と不安

なんとなく、
どちらかが良いイメージで、
どちらかが悪いイメージと
とらえがちだけれど、本当にそうなのか。
長所が短所になりうるように
短所が長所になりうるように
見方によって、どちらにも転がるものじゃないか。

静はおとなしいイメージだけど、それは決して悪いわけじゃない。
不安のようなネガティブな感情も、それが危険回避になったりする。
変化には勇気がいるけれど、
維持するにも努力が必要だ。
どちらがえらいということもない。
派手と地味だったら
派手は個性的ともいえて
地味はシックともいえる。
反対語とちょっと違うかもだけど、
私はちょっと神経質な面があって、それが嫌だっだ。
が、ある人から「繊細だね」と言われて、
なんかカッコいいかも!と嬉しかったことがある。
どのように捉えるかで、印象が変わってくるものだ。

ところで、「嫉妬」の反対語ってなんだろうと思って調べてみたら
「憧れ」とか、「羨望」とか、
「無関心」「無頓着」「満足」などと
いろいろと出てきた。
人によって、嫉妬をどう捉えるかで
反対語も変わってくるらしい。
ちなみに、ある方は、こういった。
「嫉妬は、自分がそうなりかったというバロメーターだ」
自分にも、そうなり得る自信があるものには
それに届かなかったとき、嫉妬心が生まれるものだそうだ。
なるほど。
ネガティブな言葉、ネガティブな感情を突き詰めると
意外と面白い発見があるものだ。

そのある方に、こうも訊かれた。
この仕事を続ける理由はなに?
この仕事を辞める理由はなに?
新しいことを始める理由はなに?
新しいことを始めない理由はなに?
両面から訊かれたとき、
どちらにもメリット・デメリットがあって
何をするにも、メリットだけ、デメリットだけのものはないのだなと気づく。
どうしても片側だけみて判断してしまうけれど、
見えていないもう片側が、必ずあるものだ。

話は変わって。
私は、エンターテインメントに関わる仕事をしている。
今回のような震災や社会的事件があったとき
エンターテインメントなんて発信していいのだろうかと
毎回思い悩む。
エンターテインメントには
「楽しい」イメージがあって
「悲しい」「つらい」雰囲気が流れるなか
発信すること、それを楽しむことに、
なんだか「悪」のような感情が沸いてしまうのだ。

普段なら
「楽しい」ことがプラスで
「悲しい」ことがマイナスなイメージでも
ときと場合によって、真逆の印象になる。

それでも、しんどいとき
明るく楽しい映画や音楽に支えられたり
カッコよくて、可愛いアイドルやアニメに癒やされたり
エンターテインメントには力があると
思わされることが何度もあった。

病気のとき、韓国ドラマにときめき元気になった。
将来に悩んでいたとき、音楽で背中を押された。
仕事で悩んでいたとき、推しがやる気を起こさせてくれた。
そんな話を聞くたび、
エンターテインメントを支持していこう!応援していこう!と思う。

エンターテインメントにも
ハマるメリット、デメリットがあるだろう。
ハマりすぎると、生活に支障をきたすとか
お金がかかって仕方がないとか
プラスの面だけでなく、マイナスな面もあることをわかったうえで
楽しめばいいだろう。
選択は自由だ。

ところで、
「愛」の反対語はなんだろう?
「愛」の反対は……「無関心」だそうだ。
なるほどなぁ!
反対の言葉を考えてみると
ものごとの本質が見えてくるものだなぁ。


ちなみに、愛の反対語は「復讐」と思ってしまった私は、
韓国ドラマの見すぎかもしれない……。










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