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経営に寄り添うBizOpsに必要な2つのマインド

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この記事はBizOpsアドカレ 8日目の記事です。 前回はみやの / 宮野功晟さんによる「スタートアップSaaS企業でSalesforce構築する前に知りたかったこと」でした。
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はじめに

こんにちは。株式会社hacomonoにてBizOpsチームのマネージャーをしています中嶋牧子(まきこ)と申します。
この度は BizOpsアドベントカレンダーに参加させていただきありがとうございます。

本記事では、私がBizOpsとしてお仕事をする中で感じた「BizOpsに必要なマインド」について書いてみたいと思います。


自己紹介

私は2022年8月に株式会社hacomonoに入社し、以来ずっとBizOpsチームでお仕事をしています。
前職では 食品EC企業に勤務しており、創業期から上場を経て1000億企業に成長していく20年近くの間、オペレーション部門とカスタマーサポート部門の責任者を担当し、最終的には9つの部門・200名を超えるメンバーを抱えていました。

「BizOps」との出会い

私が『BizOps』という名前を初めて知ったのは2年前。現職hacomonoへの転職の時でした。

前職で長らく オペレーション界隈にいたものの『BizOps』という名前は恥ずかしながらその時まで全く知らず(前職ではオペレーション部門は「業務」「OP」のような名前で呼ばれていました)
正直「BizOps・・?しらない単語が出てきた・・」と思ってました。

そこで、採用面接を担当いただいた現上司のかみさん(上村篤嗣さん:12/24記事投稿予定!)のnoteに出会い下記のような記載があるのを読み

BizOpsとは経営陣によるビジネス戦略(Biz)と現場のオペレーション(Ops)をつなぐことでオペレーショナル・エクセレンスを築く方法論です。
経営陣が描いた戦略を素早く正確に現場のオペレーションに反映する。そして、現場から得られた知見をデータで正しく経営にフィードバックする。
経営の意思決定は、正確な現場データを得ることでより効果的になり、説得力のあるものになるという好循環を目指します。

上村篤嗣 / BizOps構築屋「BizOpsとは?3つの分野と必要なスキル」より抜粋

確かに、あらためて考えてみると、オペレーションを企画・統括する部門ってそういう役割だ!なるほど、この役割に「BizOps」という名前がついてるのか。
かっこよ!

と思いました。

そんなわけで『BizOps』としてはまだ2年目ですが、今回は 前職で長らくオペレーション部門の責任者をしていた経験からhacomonoの今後に活かしていきたいことを 少し長期目線で書いていけたらと思います。

BizOpsは経営の意思を具現化する仕事

前項で引用したnoteにもある通り、BizOpsは経営の意思を具現化する仕事であると思います。

私は、オペレーションというものは体の中を流れる血流のようなものだと思っています。
ミッションやビジョンも、事業活動の中ではすべて最終的には何らかのオペレーションに帰結していきます。
うまく流れていかないとミッションやビジョンの実現はできないし、止まってしまうと最悪の場合 事業がストップしてしまう可能性がある。
BizOpsは企業の成長になくてはならない 極めて経営に近い仕事と言えると思います。

それゆえにBizOpsは多くの企業に求められているポジションなのだと思いますし、自分自身も 長く携わっていますがとても誇りに思っている部分です。

BizOpsの役割は企業の成長とともに変化していく

一方、企業が成長していくにつれて、BizOpsに求められる役割は変わっていくものだ、とも感じています。少し長い目で見たBizOps(オペレーション部門)の変遷を、前職の経験をベースに振り返ってみたいと思います。

1.BizOps立ち上げ期

BizOpsが必要になる時期は、企業がまだ若く でも成長軌道に乗ってきた時期だと思います。

創業時の「皆でなんとかやっていた」時代から業務量が増えていき、1人1人のオペレーション負荷が高まり属人化しかけている、個別に業務を行うことが非効率になってくる時期。この時期は組織もまだまだざっくりしていて「名もなき仕事」が発生した場合にボールが落ちやすい状態だと思います。

この時期のBizOpsに求められる役割は「なんでもやる人」だと思います。

業務を巻き取って一元化したり、型化して生産効率をあげたり、その他もろもろ。やることはいっぱい。とにかく、やることはいっぱい(大事なので2回)
けれど、やったことがそのまま成果に跳ね返るので、辛いけど頑張りがいがある時期だとも思います。ここでやったことが事業の礎を作ります(多分)

この時期のBizOpsに必要なスキルは、翻訳力・ホスピタリティ・一定のシステム知識 だと思っています。
クライアント部門の言うことを理解して、自身の持っている知見でなんとか助ける、そんなイメージです。

2.成長・拡大期

BizOps立ち上げ期を経て、企業そのものの成長とともにBizOpsも成長・拡大期に入っていきます。

会社組織は細分化し、各部門がそれぞれのゴールを掲げて走り、複雑性が増します。立ち上げ期に効果を上げていた業務の巻き取り・型化というやり方が通じにくい局面が増えます。

型化したことでスピードが落ちたり 逆に非効率的になる場面や、クライアント部門が複数存在し どの意見を優先すべきか判断に迷う場面が出てきます。時には部門間のコンフリクトに巻き込まれることもあります。

この時期のBizOpsに求められるのは、複雑な業務のハブとして入って整理することに加え・複数の要素を考慮して方向性を示すリーダーの役割だと思います。

そのため、立ち上げ期に必要だった各種スキルに加え、絡まった糸をほぐし解決方針を示せるリーダーシップとプロジェクトマネジメントスキルが必要になります。

立ち上げ期同様、やることはいっぱい(×2)
一方、立ち上げ期よりも「人の間に立つ苦労」みたいなものが増えます。でも、ここで踏ん張ったことは会社が拡大する上での財産になります(きっと)

3.成熟期

さらに企業が成熟していくと、Ops部門はそれ自体が大きな影響力を持つようになります。Opsの組織自体が大きくなり、その動きが逆に経営にネガティブな影響を与えてしまう恐れもあります。

例えば、会社規模と比較してオペレーションが拙いことで、事業拡大のスピードが遅れてしまったり、事業活動とオペレーションのアンマッチが経営の足枷になる可能性を秘めています。こわい。

この時期のBizOpsの役割は、
綻びを見つけ、オペレーションの転換点であることを提言する役割だと思います。
事業の未来を見据え、大きく予算を使ってでもシステムやオペレーションを刷新する提案を行ったり、組織の統廃合を提案することも出てくるかもしれません。

そのために、財務や会計知識等を含む経営知識、経営と一緒に未来を見据える高い視座が求められます。時には「自分を含め、社内には知見がない」という判断をすることも1つのスキルかもしれません。正しく現状認識をできる力が必要になります。

BizOpsが持っておきたいマインド2つ

このように、BizOpsに求められる役割は変わっていきますが、「どのフェーズのBizOpsであっても持つべき共通のマインドが2つある」と私は思っています。

1.プロフィットセンターたれ

BizOpsは 重要な部門ではありますが、注意しないと部門が「役所」化してしまうことがあります。
型化した結果 手続きが増えすぎたり、イレギュラーな相談を無下に扱ってしまう場合も出てくるかもしれません。

そんな時は、自分たちを「プロフィットセンターである」と意識して、主体的に関わっていくことが大切だと思います。

商品が作られて売上が上がることで会社は存続しており、オペレーションは何かを実現する「HOW」にすぎません。
他の部門は「業務の依頼者」ではなく「協力して売上利益を上げていく仲間」。リスペクトを持ってあたることで、複雑な問題も解けるようになると思います。

2.自分の作ったオペレーションを壊す

BizOpsが作った運用は、ともすると「業務上できない」「こういう決まりだ!」と、守りのエビデンスとして使われることがあります。
「使われる」どころか、注意しないと自分自身も容易にそうなります。
私は過去に 社内の依頼を
「●●業務(自分で作った業務)の都合上、短期での実現はできない」
みたいなことを言って断っちゃったことがあります。何度も。

だって、あんなに考えて苦労して作ったオペレーションなんだもん。
大切にしたいんだもん。

その反省も踏まえ、今では「自分の作ったオペレーションを自分で壊す」勇気が必要だと考えています。
(『HUNTER X HUNTER』のコムギのような気持ちで)自分で生み出した打ち手を自分で世の中から消し去る。

そしたらきっと、新しい世界が開けるはず。自戒の意味も込めてそう思っています。

まとめ

いろいろ書きましたが、BizOpsに必要なのは「真摯に目の前の問題に向かい続ける姿勢」なのかもしれません。
どんなフェーズであっても、会社と一緒に自分自身も成長していくことができる そんな魅力的なお仕事がBizOpsなのだと思っています。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

このたびは素敵な企画に参加させていただきありがとうございました。
みなさま楽しいクリスマスをお過ごしください!

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