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時々は真剣勝負で

 子どもたちが小学生の頃、わが家でオセロが流行ったときがあった。子どもたちが、私に勝負を挑んでくるたび、こちらも毎回本気で勝負に臨んでいた。手を抜いたことはなかったと思う。小学生相手に大人げないかもしれないが、ほとんど私が勝っていた。それでも、子どもたちは何度でもチャレンジしてきた。

 オセロでは勝てる私だが、神経衰弱などは苦手だ。覚えられない。若い脳には勝つ気がしない。毎回負けるのは私だった。記憶系のゲームは子どもたちの方が断然得意だ。


 子どもに対してどうするのが正解なのか、いまだにわからない。小学生になると、こちらの手抜きに気がつくようになるだろう。そうなると、勝負は真剣にする方がおもしろいとは思う。
 子どもからの質問も、できるだけ嘘のないように答えてきたつもりだ。ごまかしたり、適当に流すのは好きではない。

 赤ちゃんはどこから生まれてくるのか、この説明は、悩んだ。最初に説明したのは、保育園の頃だったと思う。
 一緒にお風呂に入っていた時だった。

「赤ちゃんは、どこから出てくるの?」

娘の質問に、どう答えるべきか悩んだが、正直に答えることにした。息子も一緒に聞いていた。

「女の人が、おしっこするところと、うんちをするところの間に、赤ちゃんが出てくる所があって、そこから出てくるよ。頭から、出てくるの。うーん、て踏ん張って出さないといけないよ。」

 できるだけ具体的に説明した。驚いた娘は、

「そんなところ、ないよ!」

といっていたが、

「赤ちゃん産むときには、赤ちゃんが通れるように、道が開くようになってるから、大丈夫。」

というと、なぜか納得していた。

 その後ついでに、女性の生理の仕組みについても説明した。息子にも一緒に聞いてもらった。

「女の人は大きくなったら、赤ちゃんを産む準備のために、月に一回、赤ちゃんが出てくるところから血が出るんだよ。赤ちゃんのお部屋になる子宮というところに、赤ちゃんが来てもいいように、1ヶ月かけて、ふかふかのベッドのようなものを作るのよ。でも、赤ちゃんが来なかったら、そのベッドをお掃除して、体の外に出すのよ。そして、また新しいベッドを作るの。それが生理というものなのよ。ベッドと一緒に血も出てくるし、お腹が痛くなる人もいるからね。母さんも、お腹が痛くなる時があるから、その時は優しくしてね。」

といった内容だったと思う。

 うちでは、「生理」は、隠すべき言葉ではない。息子がいても、気にせず話す。それがいいのか悪いのかは、わからない。ただ、息子にも女性のことを知って、いたわれる人になって欲しい。個人差があると思うが、女性の生理というものはなかなか厄介だ。女性ならではのそんな部分を、当たり前のものとして、受け入れられる優しさを持った大人になって欲しいと思う。今のところ、私が生理痛だと話すと、
「母ちゃん、無理せんでいいよ。」
と、言ってくれる。そのまま、育ってほしい。

 子どもは、小さい時はとてもまっすぐに質問をしてくる。答えるのが難しい質問もたくさんあり、親としてどのように答えたら良いのか考えさせられることも多かった。悩んで、私なりの答えを話してきたけれど、子どもたちにきちんと伝わっているといいな、と思う。
 今は中高生の子どもたち、もう私に聞くよりもネットで調べる方が多くなっているんじゃないかな。ちょっとさみしい。

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