悪いオトナの見本でいたいんだ
先週末、僕は小学生の息子とおそらく2人では初めて渋谷の街を訪れた。
そして、たくさんの人ゴミの中、駅前にある大きな交差点で信号待ちをしていると、息子が小声でポツリと
「これがあの噂のスクランブル交差点か」
と呟いているの聞いて、
「(お父さんも教えてないし、学校にも行ってないのに)いったい彼はどこでそんな知識を得たのだろう」
と感心すると同時に、何よりもそのどことなく大人びた口調に、彼が確実に成長している事実を実感して、親としては頼もしくもあり、すこしさみしくもなった。
で、大人びたという言葉がきっかけで、このとき僕は、どんなに取り繕ったところで、自分は息子にとって、土台、模範的というか、いい大人の見本になどなれないのだから、だったら、せめてちゃんと
悪いオトナの見本でいたいよな
と思ったのだった。
そんな風に僕が思ったのは、かつてはかなり悪い街だった(チーマーが普通に露店でマジックマッシュルームとか売ってたしね)渋谷にいたせいかもしれない。
でも、本当の悪党は時代劇の悪代官みたいな分かりやすい悪人ヅラはしてなくて、パッと見は、すごく良い人そうである、という人間の真理を理解するくらいには年月を重ねていて、かつ、何より僕自身が、中身はこんなにいやらしくてポンコツでめちゃくちゃダメなヤツなのに、見た目は、とても普通でいい人そうに見える事実がたまらなくこそばゆくて、なんだか座りが悪いと思っているのもまた本当のところなのである。
あと、いい人(大人)とは、つまるところ
どうでもいい人
であり、かつ
都合のいい人
に過ぎないとも思っていて、そーゆー漂白剤でガンコな油汚れを落とした後の
洗いざらしの真っ新な白シャツ
みたいな
つまんない人間にはなりたくないよなあ
と思っている節もあるかな、ぶっちゃけ。
普通の一部上場企業のサラリーマンであり、そして、パリッとしたスーツとコート姿がめちゃくちゃ様になっていた父親が、週末は、レイバンのグラサンと派手なアロハという典型的なヤーさんルックだったのも、もしかしたらそんな僕と似たような心境だったからかもしれない。
ガキの頃の僕は、そんな父親を見て、せっかくのハンサムガイが台無しだなあと単純に残念がっていたけど、今振り返ると、そんな彼の姿にむしろゾクっと匂い立つような色気を感じる。
うん、いい人たちに圧倒的に欠けているのは、やはりあのあやうい感じのオトナの色気というヤツなのかもしれない。
そして、そんなことを考えながら息子と一緒にセンター街(以前、不良の街というイメージを払拭するためにバスケットストリートという名前に変わったと思ったのだが、どうやらまた元に戻ったようだ)を歩いていたら、いわゆるヒップホップの人たちやB-BOY(よく分からなくて使ってます)がよく首からぶらさげている大振りで金色に光るブレスレットしか売ってない店が目に入った。
「ここに売ってたのか!」
と思うと同時に、自分もこれ買って齢アラフィフでB-BOYデビューを果たそうか(だから、こいつはB-BOYがどういう人なのかよく知らないんだけどね)などと一瞬、割と本気で悩んでしまった。
まあ見た目はさておき、ずっとこんなアホなことを考えている僕はもうじゅうぶん
悪いオトナの見本
ではあるよね(笑)
で、そんな僕が憧れるのは、やはりこーゆー悪いオトナたちなのである↓
みんな全くいい人には見えないけど、まさに
イイね!イイね!イイね!
だよね(異論は認めます)
※ちなみにこの動画には性的なコンテンツが含まれているので、良い子の皆さんはどうか閲覧ご注意ください。
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