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テンプテーション☆ワールド

時は198X年

野球帽をかぶった僕は、同じプロチームの野球帽を被った2歳年上の親戚のお兄ちゃんと二人、とある県庁所在地にある大きな商店街をうろついていた。

ちょうど夏休みだったせいか、とにかく人、特に今どきの、すなわち80sルックな若者たちで街はごった返していた。

普段なら確実にうんざりするsituationだけど、そのときは何故だかその人混みがかえって都会っぽくカッコよく感じられて、僕は少し背伸びして、そんなナウなヤングマンたちの仲間入りをしている気分に浸っていた。

ふんわりとしたスカート姿のお姉さんたち

テクノカットのお兄さんたち

まるでみんな少女漫画から飛び出してきたみたいだった。

そして、ゴーストバスターズのオバケのポスターの前を通り過ぎて、僕たちが入ったのは

マックじゃない地元のハンバーガー屋さん。

そこで僕が密かに憧れていたお兄ちゃんがオーダーしたのは

ブルーハワイという名の何味かよく分からない

星の形をしたストローと輪切りのパイナップルとハイビスカスの赤い花が突き刺さった青色の液体だった。

そんな何もかもが軽薄な誘惑に満ち溢れていた

イッツ ア テンプテーションワールド

流れていたのは、きっとこんなBGM
だったに違いない。

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