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B’z初心者が「ペインキラー」にどっぷりハマった話

こんにちは。あんこと申します。

タイトル通り、私は最近B’zの曲を聴くようになったファン初心者です。
思春期のころに光芒を聞いたのが、B’zにハマったきっかけです。
これについては後でちゃんと書きたいな〜

〜追記(2023/9/29)〜
書きました↓


それから自分で稼げるようになり、CDやライブDVDを買ったり、ファンクラブに入ったりと、ここ1年で今までの分を取り返すようにB’zにどっぷり浸かってました。

その甲斐あってか、無事!今回のライブツアー、Pleasureに参戦出来ることになりまして。
シングルSTARSの収録曲は絶対やるやろ!と、1曲ずつ聴いていった訳ですよ。

そしたらまさかのね、表題曲でない「ペインキラー」にめたくそに殴られましたよ、というのが今回の話です。

いやもう本当の本当にビックリ。
だって表題曲じゃないんですよ!?!
こんな噛んでも噛んでも味が出続けるようなとんでもない曲をシングルにぽっと入れていいんかいと!!!!!

もう想いが溢れて止められない域になったのでここに残します。


ペインキラーを解釈させてくれ


さて、私なりのペインキラーの解釈をお話させていただく前に、言っておきたいことが1つ。

それは「これが正解では無い」ということです。

解釈は人それぞれですし、どれが間違っているとか、どれが正解とかでは無い。
強いて言えば。稲葉さんが今後話すことがあれば、それだけが真実でしょう。
それを念頭に置いて、次からの解釈は読んでいただきたいです。



では早速。
最初に私によるペインキラー解釈の結論を言わせていただくと、

自分に目を向けてはくれない愛する人を、
中毒性を利用して自分に依存させることで、
関係を続けていこうとする共依存の話

だと思ってます。


順を追って説明しましょう。
そもそもペインキラーとはどういう意味なのか?Wikipediaによると「鎮痛剤」のことなのだそう。
ではこの曲は人間と薬の話なのか?というと、少し違います。

この曲において、鎮痛剤の役割を果たすのは「ワタシ」です。
「ワタシ」は「アナタ」の鎮痛剤として、アナタの痛みを殺します。

どうやら、ワタシはアナタに「どうでもいい思い」を抱いているようです。
しかしどうやらこの2人はまだ結ばれていないよう。
「愛に溢れる日々をうかつにも夢を見る」ことからも分かります。

というより寧ろ、まだ結ばれていないどころか"うかつにも"夢を見ていることから、アナタからワタシへの好意はさっぱりと言っていいほど感じられないのではないでしょうか。
もしくは、アナタがワタシに好意を向けない理由すらあるのかもしれません。

ここまでなら、まぁ辛いとはいえよくある一方通行の片思いです。
問題なのは、その""です。

その頬が緩むのを見ては震え
生きてること噛み締めりゃ
惨めなんかじゃない

いや雲行き変わりすぎでしょ。
山の天気もびっくりなレベル。

ここで一気に、ワタシがアナタに抱いている感情が健康的ではないと分かります。

アナタの痛みを殺してあげると、アナタはその頬を緩ませる。そんな役割を果たすことに、生きがいすら感じている。
「惨めなんかじゃない」は、自分をそう洗脳することで、自分の存在と行いを何とか肯定しようとしているのでしょう。
少し先読みになりますが、2番で「いなくて済むならその方がいいなんて I know」と言っていることか

「アナタはワタシを求めているのではなく、鎮痛剤の役割を果たすものとしてワタシを求めている」ということすら深層心理では自覚しているのだと思います。

そんなことは分かっている。
だから、「ハマってください どっぷりもっと

…すげー…いやもうこの時点で凄いんですが…

実際、たまにいますよね。
他者の愚痴を聞いたり、相談事を受けることで人間関係を繋げていこうとする人。
で、それがwin-winの関係になっていればモーマンタイなのですが、最悪のパターンもあります。

それは愚痴を話す側が、愚痴を聞く側のことをサンドバッグとしか思っておらず、人として何とも思っていないパターンです。

サンドバッグとまではいかなくとも、正にこのケースにアナタとワタシは陥っている。
そして皮肉なことに、そんなことはワタシにも分かっていると。

ワタシはアナタが好き。
でもアナタにとってワタシは何でもない存在。
ならばワタシはアナタの薬として、利用価値があるものとしての立ち位置を確立し、アナタにとって価値あるものとして振舞おう。


…うーーーーーんワタシもかなり歪んでますよね…


しかしそこで話は終わりません。
2番に入るとまた少し様相が変わってきます。

ワタシはアナタの傷に「期限付きの魔法を捧げ」ます。
これはね、当然と言えば当然なんですよ。
痛みを殺そうが、傷自体が無くなる訳では無い。
溢れる血が止まる訳では無い。
さらに言えば、鎮痛剤、いわゆる薬の効果は服用しても一時のものです。
痛みこそ感じなくても、完治した訳では無い。

だから、アナタはまた痛みに苦しむことになる。
そんな「アナタから漏れ出る歌」こそ「ワタシ」である。
何故なら、アナタが痛みを感じていないと、ワタシはアナタにどうすることも出来ないから。


…いやとんでもねえ!!!!!!!

つまりですよ、ワタシは「ワタシの役割は一過性のもの」と分かっているわけです。
でもだからこそ、「アナタは絶対にまた苦しむ。そしてその時は、鎮痛を求めてまたワタシの元に帰ってくるだろう」と、こうくるわけですね!?
自分の役割、相手の思考、全てを利用して、ワタシはアナタと関係を作ろうとしているわけです。

要は自ら、アナタがワタシに依存するように仕向けているんですよ。

私はそこまでの愛を抱いたことがないので、そうまでして愛する人と関係を持ちたいと思ったことはありません。
だから、ワタシの気持ちを、私は理解出来ません。
人間の弱さを利用して、自分の弱さの痛みすらも和らげようとするその手腕と頭脳の高さに、ただひたすら恐ろしいと思うのが正直なところです。

しかし、「ハマってください」と願っていることから、良くも悪くも、まだアナタはワタシに完全には依存していないと。
そんな折、「夕暮れは偽りなく2人を染めた」出来事がありました。
しかし、「覚えているのは多分1人だけ


ちょっ…せっ…せつな…そんな急に侘しさを出してこないで…


2人で見た綺麗な景色。
よくあるシチュエーションですよね。
そして互いに思い合っているふたりは、その景色を煌めいた思い出としてそっと胸にしまう。

しかし、このワタシとアナタに限ってはそうではない。
なぜならアナタにとってワタシは特別な存在じゃないから。

ワタシにとっては忘れられない大事な思い出でも、アナタにとっては覚えておくほど思い出深いワンシーンですらない。

同じ場所にいるのに「同じ場所なんて見ちゃいない

む…報われねぇ…何だこのザラついた質感…


そして、いよいよ物語は佳境に入ります。
ここだけは、一気に歌詞を見ていきましょう。

「触れない場所があってもいいよ
映えない包帯の役割でもいい
ほんの束の間でいい こっちに手を伸ばして
ハマってください どっぷり ずっと
ワタシ無しではダメになって欲しい
いつか傷だらけで抱きしめ合えたらね」

も〜〜〜〜〜〜さ、言うことなくない?
野暮とは思いつつ解説すると、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

傷を癒す役割としてだけでもいい。
大事な人としてじゃなくてもいい。
触れられない心があってもいい。
少しでもいい。
ワタシに関心を向けて、ワタシに手を伸ばして欲しい。
そしてそうしていくうちに、ワタシに依存して欲しい。
ワタシ無くしては生きられないぐらいになって欲しい。

…アナタと関係が続けられず、毒にも薬にもならないような、いなくても何の支障もないような存在になるのなら。
特別な、映えるような存在にならなくてもいい。
ワタシはアナタの薬になり、アナタをワタシに依存させ、関係を維持させる。
いつか、傷を埋められなくなるぐらいアナタが傷だらけになった時には、ワタシが抱きしめてあげる。肯定してあげる。
だからどっぷり私に依存してね。
願うならばずっと。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

…と思ってゾッとしたと同時に、もうスタンディングオベーションでした。

何がゾッとしたって、
「ハマってください どっぷり もっと」
「ハマってください どっぷり 今は」
「ハマってください どっぷり ずっと」
と、どんどん程度が、欲が深くなっていってるんですよね。

これって要は、「アナタとは別にワタシがこの状況にどんどん依存していっている」んですよ。
ワタシがアナタを依存させようとしているのでそっちに目がいきがちですが、ワタシ自身もアナタに依存しているし、かつ現状の状況にも依存している。

このまま突き進めば、2人が行き着く先は共依存でしょう。
共依存は両思いとは違います。
ですが、ワタシはそれでもいいと思っているのでしょう。

いやもう、稲葉さんの人間の弱さ・脆さ・欲を持つが故の狂気の解像度の高さはなんなのか…
そしてそんな人間のどうしようもない部分を描いているのに、何故その登場人物を嫌いになれないのか…

だってこの歌詞の内容、少しでも表現を間違えたら「やば!メンヘラじゃんw」と言われて終わりですよ。
でもそうはさせない。狂気じみた愛の執着の中に、切なさや、なだらかに破滅に向かう未来へのどうしようもなさと、それでもとほんの少しの希望を同時に残す。

その選択する言葉の微妙なニュアンスのさじ加減に脱帽です。
もはや詩人ですよね。
人間の弱さを自己責任や醜いと片付けるのではなく、その弱さを愛おしいとじっと見つめているような、そんな誠実さを感じます。


総括

いや〜〜〜〜いろいろ書きましたけどまとめると
B’z凄いですね…という話でした。

だってですよ?ヒットソングも腐るほどあり、活動を始められて今年で35年。
普通だったら大体もうやり尽くしたな〜と思う頃ですよ。

PleasureやTreasureなどのベストアルバムを聞いてれば多少B’zというものをカバーできるのかなと思っていたのですが、全然ですね。
とんでもない。まだまだ新たな良さを残していってくれている。

これもう全部聞かなきゃですね。
いや違いますね、聞かなきゃというより寧ろ聴きたくてしょうがないです。

というわけで、今片っ端からシングルを聴いています。
終わりが見えないことがこんなに幸せなことなんだって、初めて思えました。

B’zさん、第一線で活動を続けててくれて本当にありがとうございます。

ただ一つだけ。

もっとお金を使わせてくれ、頼むから。

〜追記(2023/10/2)〜

もう少しペインキラーについて考えました。
いろいろな考察聞いてみたいな。



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