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なんだか流れにのって土鍋でごはん炊いてます

土鍋でごはんを炊くようになったのは、なんとなくの流れがあったからだと思う。
流れで始めた土鍋炊飯も長くなり、今の土鍋は二代目である。

始まりは、長らく使い続けた赤い小さな炊飯器が壊れたことだった。
炊飯ボタンを押したときはいつも通りだったのだが、時間になっても炊きあがる気配がなかった。
炊飯の途中で通電しなくなったようで、ふたを開けると生煮えの米が熱湯の中に白く沈んでいた。
どうしようかと思ったが、この続きを鍋で炊いてみようと思った。
失敗したらお粥にしようと心に保険をかけた。

ステンレスの小鍋に生煮えの米と熱湯を移して中火に掛けた。
「ステンレス鍋 炊飯」でネット検索して、基礎的情報をインプット。
沸騰したので極弱火にし、鍋底からパチパチ聞こえてきたので火を止めた。
15分蒸らして蓋を開けると炊けていた。
底はちょっと焦げていたが、食べられなくはない。

翌日から炊飯器の選定に入ったが、迷うばかりで決め手に欠ける。
結局その日もステンレス鍋で炊飯。結構ちゃんと炊ける。

その翌日も各メーカーのサイトを見たり、購入者のレビューを見たりした結果、ステンレス鍋で炊飯。段々鍋炊飯に慣れてくる。
ただ、水がちょっと少ないだけでも焦げ目が強くなりすぎ、多いと柔らかくていまいち美味しくない。

鍋炊飯に慣れるのが早いか、炊飯器購入が早いかなのだが、鍋でもある程度炊けるとわかると、急いで炊飯器を買う理由がなくなり、長く使うものだからゆっくり選んで決めようと思うに至る。

炊飯器が壊れてから2度目の週末を迎えた。
天気も良く、長袖Tシャツ一枚で過ごすのにちょうどいい日だったと思う。ちょっと遠いので普段使いではない、スーパーマーケットとホームセンターが合わさったような店に出かけた。

ふらふらと店内を見て歩いていると食器・キッチン用品の売り場でセールをやっていた。
買わなくても見るのが好きなエリア。
そこで初代炊飯用土鍋に出会った。セール+商品入れ替えのためだったかで捨て値になっていた。
しかも、炊飯用土鍋と陶器のお櫃がセットになって1000円もしない。激安である。

今ステンレス鍋で炊けているのだから、炊飯用と銘打った土鍋で炊けないはずはない。
ステンレス鍋より火力調整、水加減が適当でも良いのではないか。
炊飯器の選定にちょっと疲れていた。
などの理由で、炊飯器を購入するまでの繋ぎとしてその土鍋を買うことにした。

その日の夜、早速土鍋でごはんを炊いてみた。
一応説明書にあるとおりの火加減で炊いてみた。ステンレス鍋より繊細な火力調整は必要なかった。
楽である。

ご飯はキレイに炊けた。
それからも、土鍋炊飯に問題点は見当たらなかった。
あるとしたら2合炊き用だったことだが、3合以上の米を炊くのは年に数回、炊き込みご飯のときだけだった。
それも、カレーを作るときのステンレス鍋でクリアできた。
私の作る炊き込みご飯は、油分が入っているからか、ステンレス鍋でも白米を炊くより火加減が適当でも炊けることもわかった。
あれから何年もたつが、なんら問題は今のところない。

炊飯器と比べて、土鍋炊飯の難点はいくつかあると思う。
ひとつは、タイマー炊きができないことだろう。
だが、今の私の生活にはタイマーが無くても支障はない。
保温もできない。が、問題はない。元々残りは冷凍派だから。
早炊きもできない。が、問題はない。
そんな、生活リズムには合っている。

土鍋炊飯をしてみたいと思っていた訳ではなかったけれど、
なんだかふわーっと土鍋炊飯することになってしまい
結果今では生活の一部になってしまった。

強く思っていたわけではないのに、なんとなく流れがあって
逆らわずにいたら、ちょろちょろだった流れに
少しずつちょっとしたことが加わってきて
どんどん流されて、考えていなかった場所にたどり着くってこと
他にもあったなぁ。

たどり着いた場所は、その後も不愉快ではなかったりしたので
流れが心地よければ逆らわないで流されることにしている。