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研究計画書完成までのプロセス〜研究テーマ選定編〜

こんにちは。心理系大学院受験予備校:KoKoRo UP Academy(ココロアップアカデミー)です。

前回、研究計画書を書く前におさえておいてほしい5つのポイントをご紹介しました。

心理系大学院の研究計画書完成の手引きとして、第2回目は、研究計画書完成までのプロセス:研究テーマの選定についてご紹介します。

今日のお話は:

研究計画書のテーマを選ぶ際には
・志望理由書と併せて考える
・実現可能性
・倫理的かどうか

を考慮することが大切というお話です。

※ここからは、1500文字ほどあります。

研究計画書の指導を行なっていく際、生徒の皆さんは、以下のようなフローで計画書を作成してもらっています。

1.テーマの選定
2.先行研究の検索・収集
3.先行研究を読む
4.計画書の枠組みと素案づくり(実現可能性も考慮)
5.計画書全体の見通し

研究計画書完成までのフロー

1.テーマの選定

研究計画書のテーマ(内容)を何にするかを決めることが、最初の作業になります。

研究テーマが決まることで、研究の方向性や、先行研究を探すときに必要なキーワードが決まります。

ここで見落としがちなポイントがあります。

それは

・志望理由書も併せて研究計画書を考える

です。

研究計画書の内容は主に面接試験において評価対象となりますが、同じく志望理由も質問されます。「どうしてこの大学院を志望しましたか?」といった質問に対して、臨床心理学のカリキュラム内容や教員の専門性をもって回答することもありますが、自身の研究が大学院で実施可能であり、指導教員のもとで研究していきたいといったことを言及することが良いとされます。

志望理由書との関連させながら、研究計画書のテーマを選ぶとしたら、次のような観点から考えるといいでしょう。

・大学院にいる指導教員の研究内容
・これまでの経験(心理支援の視点)
・受験の動機(心理職になりたいと思った出来事・きっかけ)
・修了後、資格取得後のキャリア

そのほか、テーマ選定のポイントとして、以下があります。

・研究テーマの範囲−実現可能であるかどうか
・倫理的に可能かどうか

・研究テーマの範囲−実現可能であるかどうか

 繰り返しになりますが、研究の内容は、臨床心理学の範囲です。しかし、その範囲は広く、例えば、精神疾患や心理的問題を扱うとなると、不安障害、うつ病、引きこもり、不登校など多くあります。しかし、精神疾患やいじめ、不登校などは、直接的に学生が研究対象として扱うことは難しいといえます。ボランティア団体や、当事者グループに所属しているのであれば、研究に協力してもらいやすいですが、そういった繋がりがない場合、自分で探さなければなりません。入学後に教員から紹介してもらえないわけではないですが、面接試験時に研究対象者について問われることもあるため、研究協力者の見込み、実現可能性を示さなければなりません。

 次に、研究期間についても考慮する必要があります。修士論文の作成期間は最長で2年間です。論文として取り掛かるまでに、調査依頼、調査実施、分析などの過程を経て、論文作成にあたります。その他、大学院生であっても授業やレポートがあり、実習もあるので、実質の研究期間は1年程度と思われます。そのため、「学年による居場所の変化」といった、年単位を必要とする縦断研究は実現することが不可能であり、数ヶ月の予定であっても、期間制限を考慮した上で研究計画書を作成しなければなりません。

・倫理的に可能かどうか

 最近の大学院では、倫理審査委員会が設置されています。大学院生が行う研究もその委員会の審査に通らないと実施することができません。受験における研究計画書の段階では、審査という形は取られませんが、倫理的に問題がないか配慮する必要があります。例えば、以下の点です。

・研究協力者の過度な負担になっていないか
・研究協力者にとって辛い体験になっていないか、過去の辛い体験等を思い出させるような内容になっていないか
・研究のテーマや目的と一致した方法となっているかどうか
・研究の内容が、自己満足ではなく公共性を持っているか

今日はここまでです!

次回は、「研究テーマから先行研究を探す」についてお話しします。

「研究計画書とは?」の記事は以下にあります。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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