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読書感想「記憶脳」

1.これまでの私

これまで記憶を科学的に考えたことはありませんでした
いつもギリギリの詰め込みでなんとかやってきました
ただ、それも若い頃は体力(?)気力(?)で誤魔化せていたのかもしれませんが
40歳に近づき昔のようにはいかないと薄々気づいていました
だけど何も手を打っていませんでした

そこで読みたくなったのが樺沢紫苑先生の「記憶脳」です
樺沢先生の本は成功者の感覚的な発想ではなく
科学に裏付けされた論理面に樺沢先生が実践した経験談も盛り込まれているところが好きです

今回の本でも多くの気付きが得られました
特に私にとって思わず頷いてしまった3つに絞って感想を書きたいと思います

2.記憶は事前準備が9割

この本を読んで一番よかった部分です
記憶を「理解」「整理」「記憶」「反復」に分解し、そのうち「理解」「整理」が事前準備にあたり、記憶の9割がこの段階で決まるというものです

言われれば「なるほど!そうだよな」と思うのですが
なぜ、そう思えたか考えてみると、まさに過去にそういった体験をしてきたからだと気づきました
今まで自分の中で感覚的にやってきたものが言語化されたことに何より感動を覚えました

例えば、大学受験時代
得意科目は数学、苦手科目は国語と社会
数学は勉強してて苦にならないし、公式とか忘れることもほとんどありませんでした
それに比べて、国語と社会は、必死に古文や漢文を覚えたり、歴史年号や地理など繰り返し繰り返し教科書を読んで、問題を解いてやっていましたが、成長を感じることはありませんでした
結局、何も覚えることができてなくて点数も伸びませんでした

記憶脳を読んでわかりました
苦手科目に限って「理解」と「整理」をすっ飛ばして、「記憶」と「反復」だけで何とかしようと頑張っていたのだと思います
気合や根性で乗り切ろうとして何度挫折したことか
苦労していたあの頃の自分に伝えてあげたいです

3.楽々記憶術

簡単に楽(ラク)して記憶するという裏技のような意味ではありません
楽しくやれば伸びる・記憶力もアップするという意味です

これも今までの経験が言語化されました
よく「長所を伸ばそう」とか「いや、短所を克服しよう」とか言われることが多いと思いますが
楽しいと記憶できるんです

テストで点数が取れると嬉しくなって、次もいい点数を取ろうと楽しく勉強できます
だけど勉強がわからないとテキストを読むのも苦しくなり、どんどん嫌いになっていきます
「分からない」という壁にぶち当たって、乗り越えられずに終わった経験を何度もしてきました

これも「分からない」というのは「理解」できていないということであり
それを飛ばした勉強は苦行になっていたんだと思います

子どもを育てていると、できないことに不安を覚え短所克服を頑張ろうとしてしまいます
もちろん長所も褒めていますが、そこを伸ばすことに目を向けられていませんでした

楽々記憶術はまさに自分ができずに苦労したことなので
子どもには長所伸展で楽しく記憶することから取り組めるよう
まずは私が子どもの長所に気付けるように日々向き合いたいと思います

4.記憶外化戦略

これからの時代を生きていく上で大事な考え方だと思いました
詰め込み教育で頑張ってきた自分からすると覚えることが大事であり
いつでもどこでも引き出せることがゴールだと思っていました

だけど今の時代、ほとんどの情報はネット上に存在します
検索すれば答えを知ることができます
調べれば解決できることも多くなってきました

ある意味、手持ちの情報に差がなくなってきたのかなと思います
では、どこで差がついてしまうのでしょうか
樺沢先生の言葉を借りると
頭の中が「情報のゴミ屋敷」なのか「知識の図書館」なのか
情報にたどり着けなければ、引き出すことができなければ、結局その情報を使えないので意味がないのです
整理されていない情報からでは必要な情報にたどり着けません
同じテーマでも引き出せる情報に違いが生まれるのは「理解」と「整理」ができていないからなんだと思います

同じ調べ物を別の日にやって
同じような情報にしかたどり着けず仕事が進まなかった経験はありませんか
私にはあります
まさに情報が整理できていないから、同じキーワードで同じように検索することしかできなかったのです

本書の冒頭に書いています
ネットが自分の脳内だから記憶しなくいいわけではないのです
ネットで調べるにも「理解」「整理」という記憶の事前準備ができていないと成果に違いが生まれてしまうのです
すべてを頭の中に入れようが、ネットを脳内として利用しようが
記憶するためにやるべきことをやらないと行けないということなんだと思います

5.記憶に対する考え方「理解と整理」

「理解」と「整理」
この2つが難しいのはよくわかります
「記憶」と「反復」の方が単純作業的なイメージがあって取り組みやすいのもわかります

大学受験でも資格試験でもそうでしたが
「理解」には本当に時間がかかりました
一つ一つを理解しようと勉強するのですが簡単には成果に繋がりませんでした

ただ理解のための勉強を続けていくと
どこかで点と点が繋がり一気に伸びるタイミングがあります
そこからは自然と楽々記憶術モードに突入できます

いま訳あって医学の勉強をしていますが
一つ一つの言葉が理解できないところからスタートしていて
毎回毎回同じ単語で意味がわからず調べてということを繰り返しています
それでも最近になって少しずつ整理できるようになってきました
ちょっと理解が進んでいる証拠なんだと思います
なぜこのように感じているかというと
自分なりに噛み砕いて説明できるようになっているからです

「覚えよう!覚えよう!」と自分を追い込むのではなく
「まずは理解と整理」を合言葉に
自分の言葉で説明できるよう今日も仕事に勉強を頑張りたいと思います

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