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10月14日、京都にて

皆さん、こんばんは。
もうすぐ10月も終わりということでせめて今月中に参加したイベントと歴史の話はいくつか更新したいとギリギリになって足掻いてみようと筆(って表現でいいのか?)をとってみました。

10月14日に京都の地へと足を踏み入れたのは、以前更新した10月の三連休の話しがキッカケでした。
西日本出版社さんから、関東大震災の本を発刊した記念に少人数の講演会をするみたいだから予定があえば、とチラシを貰ったことがはじまり。

日程的に先週も京都へ行き、今週も京都…そもそも私この週予定詰まりすぎじゃない?
(この翌日合格をほぼ諦めた資格試験が控えていたまで含む)
とか自分の布団でゴロゴロとウダウダと悩んでいましたが、いや、行くべし!自分に気合いを入れてチラシに書かれたメールアドレスへと参加申し込みを勢いでしました。
(後日、この勢い申し込みは11月の最初の週のサイン会参加を決めた時にも無駄に発揮されることは、また次回以降に語ります)

幸い席が空いていたようだったので、その日のうちに参加決定!
しかも会場を調べると「檸檬」で有名な丸善京都本店さんが早めに行ったら行けるのでは?という場所だったので、早速何時に家を出て、本屋さんに寄って、会場には何時に着いたらいいから……と計画性があるようでない、ユルユルスケジュールを立てて当日を迎えるのでした。

実際に講演会が開始されるのは17時半。ほぼ夕方というか夜というか、な時間帯。
けれど京都の地に降り立ったのは…確か、14時とか15時だったような。
ひとまず目的の一つ丸善京都本店目指し歩くと、独身時代に就活や資格試験やなんて行ってよく通っていた道がいつの間にか大阪でもよく見かけるファストファッション店、チェーン店なんかに侵食されている様に驚いた。
しかも一部は街並みに似合わない色の壁面と材質を使っていて同じチェーン店系でもスタバの木材とか周囲の景観に配慮したデザインの方が街に馴染んでいて、そりゃスタバの方が進出して来ても歓迎されるよな。などと久しぶりに街を用事があって数年ぶりに歩いているだけの者が偉そうに思うくらいの違和感があった。

まあ、地元の人が受け入れているなら仕方がない。私の目的は本屋や、と気分を切り替えて足を運んだ。
目的地に着くとどうやら店舗は地下らしい。マップを見つけるまで階段とかエスカレーターどこ??と戸惑う造りに驚きつつも、1階店舗は国内外の観光客に向けた商売のお店かな?などとまたムダに観察をしつつ、本屋へ到着した途端考えていたものは全て捨てた。
大阪の書店とはまた違った陳列で本、本、本、という若干天国な場所とその日はイベント開催予定だったようなのでそのようなスペース、文房具などの雑貨、更に下の階にはMARUZENCafeなるものもあった。
カフェは、『檸檬』の小説をイメージしたケーキを取り扱っていたり、本物のレモンはムリだけど、檸檬スタンプなどを置いていて、文豪の作品に登場した本屋なのだと、しっかりとアピールしていて大変面白い!と前に京都の他の書店さんや喫茶店さんから聞いた話を実際にこの目で見る意義を噛み締めたところで、いつもの欲しいと思っていた本がサイン本として置かれているか、をサーチしていた。
何冊か欲しい!と思っていた本にサイン本があったので手に取り、2冊ほどは既に完売していたので次回どこかで出会えたら……と名残り惜しみながら、サイン本でも何でも全くない平凡社ライブラリーの本で探していたものを代わりに購入した。
その時やらかした痛恨のミスは、平凡社ライブラリーのブックカバー、フェア対象店ならその店専用のブックカバー巻いてもらえたのに、他の小説たちと同じノリでブックカバー不要です、と断ったこと。
いや、ブックカバー嫌いやから断るんじゃないですよ。
むしろ好きなんですけど、基本大型店の紙のブックカバー、全部見た目同じになるのでどれがどの子か後で毎回わからなくなるので、布製の気に入ったものを購入して使うか、正和堂さんのブックカバー、あるいは期間限定ブックカバーとかがある時にしかお願いしないのがアダとなりました。

気を取り直して、そういえばお昼食べてないな、と建物を出てから思いしばらく次の目的地へと向かいつつ良さそうなカフェに出会ったら入ろうと歩いていました。
すると京都といえば、みたいな感じで紹介されている六曜社さんを発見!しかし、若者の団体が待っていた上に、地下へ行くとカウンターがコロナ感染予防なのか、入口手前が一席空いているのに、満席です。とマスターにスゲなく断られました。
1名でもですか?と一応、確認しても返ってきた返事は同じだったので、私とはご縁のない店なんやと判断して更に目的地の方へと歩いていきました。
大阪なら感染予防のため、カウンター間隔あけてます。とか他の団体さんが待ってるから順番です。とか言うてくれるかあらかじめ注意書き貼ってくれてるのに、は!これがいけず言う感覚か!と勝手に自分を納得させていると和菓子屋さんを発見。

そこは1階は持ち帰りの和菓子を販売し、2階は喫茶になっているお店でした。
早速、中に入らせてもらい2階でメニューを見せて貰うと通年でやってるかき氷がとても大きく、私の胃袋大きくて強ければチャレンジしたかった。
なんて思いながら、季節の和菓子とお茶のセットを注文。
季節の和菓子はどれも見た目が綺麗でその中から一つ選ぶ方式だったので、一つ選び、お茶が抹茶、煎茶、ほうじ茶の3種類から更に3種類の茶葉を選ぶものでした。しかし、最近は不眠症とか過眠症とかに近い体調なので、もはや日常生活を送るためのドーピングに近いコーヒーばかり飲んでいた私には、どの種類がどんな味なのかさっぱりわからず。
恥を忍んで、店員さんにほうじ茶が飲みたいがどれがどう違うのかわからないので教えて欲しいと聞き、店員さんも一生懸命違いを説明してくれ、無事に注文ができました。

季節の和菓子と干菓子にほうじ茶、たまにはザ・日本もええなぁ。と講演に行く前の予習として関東大震災の時の一高生たちが書いた作文の本を読み、ページ数と時間の関係で今も読み途中ではありますが当時の被害の酷さと、学生たちの聡明さ、文章は書く人の性格によって小説風にも作文にも変わることがわかりました。
ちょっと可哀想だったのは、震災当日に手術が決まっていて手術をして麻酔が切れるまでの間に被災していた人。本人は意識がなくて良かったのかもしれないですが、一歩間違えたらそのまま亡くなってた可能性があった点。また、寮が暑い!と服を脱いでいたのに、地震が酷くて慌てて全裸に近い格好で寮の外へでた人が隣の大学が火事だと知って駆けつけて終わる作文のその後がどうなんたやろか、と他人事ながら真面目な被災の話しなのに、走れメロスの結末か、昭和のコントのような展開に心配してしまいました。

美味しい和菓子とお茶を堪能してから、そろそろ時間だと本を閉じ、店を後にして会場のblue book gallery さんへと到着。
会場には既に二人の人が居たので、てっきりお客さんがもう入っているものと思ったら、どうやら関係者の方が座ってお話されていたのでした。
その勘違いに気付いた時に、ちょうど会場を運営し、関東大震災の本を現代語訳するのにお手伝いをされた店主さんが奥から出てこられ、挨拶と共に他のお客さんが来るまで盛り上がってしまいました。

さて、肝心の講演に辿り着くまで長かったですが、講演をしてくださった木戸さんは、今回は京都の地震について話してくれました。
ご本人は放送局に務められ、今、おはよう朝日ですの天気予報枠のザックリ言うと裏方さんをしつつ、防災について研究、研究は古文書から過去の地震の様子を調べたり、報道としてどのような情報を届けたらいいのか、などをされているそうです。

そして、講演の中ではかつてご自身が企画した古代の難波宮時代の津波被害を記録した過去の古記録などをアニメーション化して番組にしたものや秀吉の時代の京都の地震被害を紹介していただきました。
関西は大型地震は来ない、などと言う根拠なき言説が過去にはあったようですが、関西にも断層は沢山あり、京都も仮名草子「かなめいし」という書物に地震の時の被害の様子を克明にしかし、一部滑稽に記されていることをご紹介いただきました。
可哀想なのが、神社で祭りの際に急に地震が来て、子ども二人が石籠にしがみついて地震をやり過ごそうとしたところ、石籠の上の部分が地震に耐えきれず、子どもたちの頭に落ちてきて亡くなった、と言うのです。

今、日本だけでなく世界中で地震が起きています。何十年後、何百年後にまた同じ場所で地震が起こる可能性があるのに、人は次代になると伝えられていたことを忘れていきます。
日本でかつてあった地震を忘れないように、との思いで阪神淡路大震災と関東大震災の本を出したのだと、おっしゃっていました。

その思いに、私も榎並猿楽についてnoteに綴っている思いと共感できる部分があるととても感じました。
講演後、歓談の時間があったので参加されている方とお話をさせてもらったり、店主さんや著者さんと語るなどして、京都の一部自治体事情や個人的な話、色々な立場の方のお話が聴けて楽しく大変勉強になりました。

ちなみに、後日談としては図書館で仮名草子集を借りて「かなめいし」を読んだのですが、その前後に鎌倉物語やら枯杭集、かさね草紙と言った作品が収録されていた。
枯杭集の最後に能楽らしき項目があったのだが、この仮名草子が出た頃には世阿弥たちのいた大和四座と他の地方の能楽座が残っていただけなのか?と思われる紹介文を見て、ますますnoteの更新頑張ろうとガックリ来たのでした。

あ、「かなめいし」はともかく、阪神淡路大震災の本と関東大震災の本が気になる方は、西日本出版社さんから発刊されているので、全国の書店さんやネットから購入できると思います。
ぜひ防災についてあの当時はどうだったのか、とかを知って意識を高める一助になればと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
次回の更新もお付き合いくださいませ。

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