社会人一年目で感じた1人暮らしの“良かったこと”

社会人になって、数ヶ月で1人暮らしを始めた。
私は実家が大好きなので、最初は、1人暮らしをしたら寂しくて鬱病になるんじゃないかと恐れていた。だから、1人暮らしの家は残業で遅くなった時に寝るためだけの家として使い、会社から帰れる時は毎日でも帰ってくると親に宣言していた。実家から会社は1時間半程度で通える程度だと思ってた。

しかし、1人暮らしは、思いの外快適であった。まず部屋を自分の好きなように作れる。
憧れのブラインドをつけたり、観葉植物を育てたりした。少しずつキッチン周りも揃えていくぞと意気込んでいる。可愛い雑貨を見ることが楽しみになる。

終業後のスーパーでの買い物もお楽しみの1つである。何を食べよう、何を作ろう、なにが安いかな、、と考えながらスーパーを回る。(さもめちゃくちゃ料理をする人間みたいに書いているがほぼお惣菜を見ている。)残業するとお惣菜が安くなっている。ラッキー!明日のお弁当に入れようと企む。どれだけ食費を節約できるか先月の自分との競争である。

あとは、友達を好きな時に呼べる。
なんて楽しいんだ!!
そして全く実家に帰らなくなった。

家事(特に食器洗い)は、めんどくさいけど、
ふとしたときに食器が溜まっているとなんとも言えない気持ちになるのが嫌で、家事をしっかりこなしてる自分偉すぎる、、という自尊心でまだなんとかやっている。

しかし、先日きゅうりを腐らせてしまった。
なんにでも使えそうな食材であるきゅうりをどう調理するか決めかねて長い間ほっておいてしまった。きゅうりもいつかは腐るという当たり前の事実を全く認識していなかった。変わり果てはきゅうりの姿に、自分はまだ野菜を買っていい人間ではなかったのだと落ち込んだ。冷蔵庫のものを腐らずに使い切れる主婦は天才だ。ちゃんと何かで表彰されてほしい。

冷蔵庫の中身を期限までに使い切るためには、
脳みそをフル回転させる必要がある。

たまに実家に帰ると食材の豊富さに驚く。
めんどくさがってろくなものを食べていないだろうと察してか、次々と料理が出てきて竜牛城かと思う。冷蔵庫を開けると私が1番好きな飲み物である牛乳は必ずあるし、1本はストックがある。
帰るときには、いろんなものを持たせてくれる。
1人暮らしをするようになってから、帰り側によく母とハグをするようになった気がする。2人とも西加奈子さんの「くもをさがす」を読み終えたからかもしれない。父は恥ずかしがってハグをしないので代わりに握手かハイタッチをしている。父は「くもをさがす」をまだ読んでいない。

1人暮らしの1番のメリットは、実家(親)に感謝と尊敬の念が痛いほど湧いてくることだ。どれだけ恵まれた環境でぬくぬくしていたのか知ることができる。それと同時に、自分の1人の人間としての実力を知る。実家にいた頃よく食べていた、いや食べさせていただいていた「カプレーゼ」は、私の1番好きなサラダ?であるが、1人暮らしをしてからは、全く食べなくなった。
トマトも意外と高いし、モッツァレラチーズなんて洒落たものなんかハードルが高い。

私はまだ「納豆ご飯」のレベルだ。
神コスパご飯だと思う。
安いし早いし美味しすぎる。納豆を開発した人間に心からお礼を言いたい。

そんな感謝が大きいものから小さいものまで日々溢れる。これが1人暮らしをして最初に気づく
“良かったこと”だ。


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