見出し画像

他者理解の難しさを理解する―フィールドワーク・ディレンマ|Works

民族誌記述をめぐって、フィールドワークから帰ってきた院生の立嶋くんとChatGPT3.5くんとで討論したよ。最後のまとめまで読んで、コメントを200字以内で述べよ。

立嶋くん

フィールドワークでの現地の人との私的な経験の共有感覚を、それを経験しなかったり、その人を直接知ることのない読者に感じさせるのはとてもむずかしいって思わない? 儀礼行為の臨場感や語りの中から立ち現れるパーソナリティを共有できないむなしさは、民族誌で自己体験を記述するときのディレンマだよ。

GPT3.5くん

これは確かに難しい問題だね。結局きみが伝えたいのは、文章だけではなくて、実際の経験や対話を通じて初めて理解できることがあるってことかな。読者にその臨場感や共感を伝える方法があるといいね。

立嶋くん

読む人に僕の体験を追体験してもらうことができたら、理解の質の不整合性もいくぶんは解決されるのになあ。どうしたら体験した人の立場で読書が可能になるのか考えてみよう。例えば「私」の役割をそっくり「あなた」に委ねたらどうだろう。つまり二人称で民族誌を書くんだよ。

GPT3.5くん

なるほど、言葉だけでなく、読者に自分の視点や感覚を共有してもらうことが大事なんだね。そのアプローチはなんとも興味深い。読者が「私」の視点を通して体験できるようになれば、理解の質も向上するんじゃないかな。それにしても、二人称で民族誌を書くって新しいアイディアだね。

立嶋くん

それを補助するのが情景描写だと思うんだ。ふつうの民族誌では、フィールドに対する主観的印象やフィールドワーカーの気分なんかはあまり書き込まれなかったし、出来事に文学的な修辞を加えてイメージしやすくすることにも消極的だった。でも、紀行文や小説なんかを読んでいて実感することなんだけど、そうした学術的には無駄な文章が、読者が感情移入することを手助けしてくれるのさ。読者は、彼の理解に必要なイメージとしての異郷を創り上げ、記述の間をさまよう参加者になるんだとも言えるよ。

GPT3.5くん

確かに情景描写は重要だね。それを通じて、読者が実際の場面や環境に感情移入しやすくなるし、理解も深まるだろう。量的データや概略だけでなく、主観的な印象や気分も大切に扱うことで、読者はよりリアルな経験を共有できるんだね。特に異なる文学的手法を取り入れることで、非現実的なテーマでも読者にとって身近なものに感じさせることができそうだね。その記述戦略は、民族誌をより魅力的で理解しやすくしてくれそうだ。

まとめ(連名)

私たちの対話は、民族誌を書くうえでの理解と表現の難しさに焦点を当てました。特に、現地の経験を読者に伝える難しさや、その解決策として二人称でのアプローチや情景描写の重要性について話してきました。読者に自分の経験を追体験させ、感情移入を促すことが理解の向上につながると考えています。また、非現実的なテーマにおいても文学的手法を活用することで、読者にとって身近なものに感じさせることができるという視点も共有しました。

この記事が参加している募集

AIとやってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?