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プロの漫画から学ぶ漫画の描き方1

※この勉強法は劇薬です。

もの凄いしんどいです。

時間もかかります。

初心者には早すぎる勉強法です。

最低でも視線誘導を意識したり

コマの中の情報量を調節したりしながら

漫画を製作してる人でなければ

ついていけません。

その上

ぼくは丁寧に教える気がありません。

それでもいい人は覗いていってください。



まずやることは

プロの漫画を軽く模写することです。


売れてる作家

上手い作家

自分の目指す作家

どれか参考にしたい漫画を選んでくださいね。


ポイントは長期連載してるものより

読み切りのほうが良いということです。


読み切りは

1話完結なので長期連載より作り込まれていて

作家の技術がふんだんに詰まっています。

あとは

新人時代のものより

連載を経験したあとの漫画のほうがいいです。

どの方も

新人時代よりはるかに力をつけていますからね。

とりあえず、ぼくのやったものです。

追記
模写ではない実際の漫画が見つかったので

載せておきます。

こちらの方が解りやすいと思います。


あと

模写が甘かったせいで解釈に齟齬が生まれています。

いずれ本来の漫画のほうの解釈も載せますが

それも含めて考察力を鍛える参考にしてください。



まずは、はじめの数ページでいいです。次は模写したページをひたすら観察して、気づいたことを文字化していってください。




こちらに同じものを文字にしておきます。

1ページ目

1コマ目は、縦にぶち抜きのコマ。ヨーロッパ風の街並みに空は暗雲。そして雷鳴まで起きている。この導入から分かることは、この話は、この雷によってこれから先も何だか雲行きのあやしい物語になるだろうと、読者に予感させているのではないかと思われる。

1コマ目に入っている情報  どこかの街並み 暗雲 雷 雷鳴


2コマ目は、雷について話している二人の警官の会話である。このコマは次の3コマ目、4コマ目へとつながっていくコマである。

2コマ目に入っている情報  空を見上げる警官二人 二人の会話 ゴロゴロという雷の音


3コマ目は、真ん中のさらに中心にあるコマ。まさにページのど真ん中である。そしてこのコマには、この物語で一番重要な意味を持つ言葉、人造人間という言葉がでてくる。おそらくこの言葉を1ページ目のど真ん中にもってきたというのは、作者の計算づくなのであろう。そして他には、アオリの建物が左右にある。これは、警官たちの視点から描かれたコマであることが推察できる。そして「なぜ警官が、人造人間のことについて話しているのだろう?」という疑問を読者にもたせたコマであるとも言える。もちろん「なぜ雷で人造人間が造まれるのか?」もである。

3コマ目に入っている情報  人造人間 それが造まれる 警官が見上げた視点 建物


4コマ目は、また雷が落ちてくる寸前のコマである。「近いぞ」という言葉から、近くに落ちてくるだろうということは分かる。このコマは次の5コマ目へと繫げるためのコマである。

4コマ目に入っている情報  フキダシの言葉 落ちる寸前の雷 音の演出


5コマ目は、落ちた雷の前に男が立っているシーン。内ワクぶち抜きで演出をしているため、このページの中でこのシーンが一番力のあるコマに見える。そして、上から下まで雷の効果音を出すことによって、このシーンをさらに迫力のあるものにしている。しかも、一番上の文字に遠近感をつけ、さらにコマから飛び出させることにより、より大きな演出をすることに成功しているように感じる。そして、このコマは3コマ目の背景の配置との類似点により、警官達の前に雷が落ちてきているように見える。さらに、その雷とともに男がやってきたという演出により、この人物に対し読者は「雷のように凄い奴」という認識をもつだろう。

5コマ目に入っている情報  落ちた雷 路地の間ということ 雷とともに男が現れたこと 雷の効果音


1ページのまとめ

1ページ目の導入で、これだけインパクトの強いものを描くと、高い確率で読者はこの世界に引きずり込まれるように思える。そして、このページは全て5コマ目へと収束させるための演出がなされている。
このページのポイントはやはり5コマ目である。現実には雷を背に現れる人間などいるハズがない。しかしこれは漫画であることを十分に活用した演出なのである。
このページについて気が付かなければならないことがある。それは、このページは縦に読ませるコマに構成されているという点である。なぜ縦なのかというと、このシーンは雷が空から落ちてくるというキーワードを大前提に作られているからだと、考えられる。この構成によって5コマ目がとても効果的に見えるのではないだろうか。だからこそ雷鳴の効果音も上部が大きく描かれているのだろう。ちなみにこのシーンは、次のページへ縦構成のまま続いていく。
重要なことがもうひとつある。それは、1コマ目と5コマ目を引き立たせるために、ふきだしは真ん中の細い3つのコマにまとめて、整理されているということである。これにより情報が整理されてこのシーンが、見やすくなるという効果が見込める。さらに、メリハリもでて臨場感が伝わってきそうな展開が作られている。


1ページだけでも、相当な量の情報を引き出せたと思います。もしかしたら拾いきれなかった情報もあるかもしれません。とりあえず、この勉強をすることでプロの技術を言葉で理解できるし、いくつか盗んで、自分の漫画に取り込むこともできると思います。
あと、あくまで大事なのは自分で一つ一つ技法を発見していくことです。ぼくの記事を読んだうえで、自分の力で自分の選んだ漫画を分析しなければ、たいした技術は身につきません。

ではひとまずここまで。ありがとうございました。

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