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[小噺]ウクレレと僕 #3 ~新たなウクレレ~

この物語は現在進行形の物語である。

どこにたどり着こうとしているのか

自分にも分からないし、ウクレレにも分からないだろう。

それを楽しむのが、この物語の醍醐味である。

前回の更新から

約半年もの時間が経ってしまった。

その間に、沢山の事件や

喜びがあったので

それらを一つ一つ説明していく。


結論から言うと、僕はウクレレを購入した。

例のカップラーメン事件から、次の発表が近づいてきたときのことであった。

僕はどうしても、ピックアップ付きのウクレレを手に入れたかった。

それは、発表するときにウクレレの音を皆に届けたいからであった。

まずは、友達を呼んで

近くの店を周回することを決めた。

ただ、どんな店に行っても

ピックアップ付きのウクレレは売っていなかった。

ピックアップ付きのウクレレを取り扱っているお店は

ウクレレ専門店などに行かないと、

なかなか、売っていないことが分かった。

そこで、僕らは

ウクレレ専門のお店に行ってみることにした。


自転車でどれほど走ったことだろう。

気付けば、日は傾きはじめ

本当にウクレレは買えるのかと言う不安が

陰になって表れた時間であった。

その中で、一つのお店を見つけた。

中に入ると、沢山のウクレレが並んでいて、

そこにいる店員とウクレレに関する雑談などをして

お互い、盛り上がった。

ピックアップ付きのウクレレが欲しいと頼んだところ

フェンダー、ビリー・アイリッシュのシグネイチャーウクレレ「Billie Eilish Signature Ukulele」を発売 | BARKS

上記のようなビリーアイリッシュモデルのウクレレが出てきた。

僕はそれを二度三度弾き、

ピックアップにつないだ時の感触などを確かめた。

僕はそれを購入した。


ただ、一つだけ悲しかったことがある。

そう、これは詐欺られてはいないだろうかということだ。

ビリーアイリッシュのウクレレは原価が29800円なのに対し

このウクレレは50000円程度と

なかなか、事件の香りがする値段だったのだ。

まさか、詐欺られているとは思わずに

スマホも何も見ずに買ったものであるから

このことは僕にとって非常にショックだった。


ただ、今はアメリカなどの諸外国と比べると

円の価値は非常に低いものなので

それに応じて、値段が上がっているのだと思った。

また、ショッピングサイトなどで

このウクレレを覗くと

そこまで、僕が買った値段とは差がついていないものもあったし、

むしろ、それより高いものも、ちらほら見受けられた。

日本に住んでいても、円安で困ることがあるのだと

直接的に感じた瞬間でもあった。

なので、皆に言いたいのは、やっぱり何事も最初は調べるべきだということだ。

お客様として。


話を戻そう。

家で、このウクレレを弾いていると

正直、音の響きが僕の好みではなかったというか、

前の母親からもらったウクレレの方が正直いいんじゃねと頭を悩ませた。

ただ、そのウクレレと何が違うんだろうと悩んでいると

そうだ、弦だ!と思いすぐに母親からもらったウクレレと同じフロロカーボンに切り替えた。

すると、驚くべきことに

ビリーアイリッシュのウクレレがとても輝いて見えた。

凄く弾きやすくなったし、

音も格段によくなった。

その後は、しばらく母からもらったウクレレの方が音が好きであったが、

段々と、ビリーのウクレレの良さが身に染みてきて

今では、ビリーのウクレレの方が音が安定して好きになっている。

結局、楽器はお金や価値ではないということを

僕は結論づける。

どんなに安いウクレレでも

上手い人が弾いたら、音がよくて、値段も高いウクレレだと思うのだが

実際はそうでもないことはよくある。

そう、つまり上手い人はそのウクレレの一番いい響かせ方を知っているのだと思う。

人間の喉にも声帯があるように

楽器にもそれぞれの声帯があるのだ。

それをどう響かせるか。

そのウクレレの声帯と、自分の声帯をどのように共鳴させるか。

これを考えるのが、とても楽しい。

ビリーのウクレレになってから

なぜか、僕の歌い方も優しく

包み込むような歌い方に変わったように思う。

本当に、このウクレレに会ってよかったと思うし

これからも、ウクレレと僕は共に歩んでいくだろうと思う。



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