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ファーストコンタクト

妻との馴れ初めを話そう。

ずばり、マッチングアプリだ。

こんな言い方をしたが、最早マッチングアプリで知り合うことは
珍しくなくなってきているのだとか。
そういえば、Twitterでマッチングアプリ経由で知り合い結婚した人の
割合が過半数を超えたと見た。
もうそんなところまできたかと、調べると約22%とのこと。
なんだそりゃ。
営業先の雑談で、もうそんな時代らしいですよーと何度か言ってしまった。
恥ずかしい。情報元の確認は今の時代必須である。

話を戻そう。
付き合ってから2年を経て結婚したので、アプリを始めたのも大体それくらい。正直に言えば、当時はそれなりの偏見があった。
悪いものとまでは思っていないが、人に言うのは恥ずかしい。
それくらいの距離感。

恋人がいない期間もそれなりに続いていて、コロナ禍も手伝いなかなか出会いがない。自慢ではないが、私はそこそこの人見知りである。
飽くまで持論だが、恋人がいない人見知りは往々にしてその期間が長くなると、どんどん偏屈になっていく。どうせ自分は一生結婚できないとか思っていた時期もあった。
何をするにも億劫、いや及び腰になっていた。
マッチングアプリという選択肢はチラついていたが、あと一歩踏み出せない。いやでもまだ彼女できなくてもいいし、と聞かれてもいないのに胸の内で言い訳する日々が続いていた。

それでも始めようと思ったきっかけはなんてことない、友人からの成功事例があったからだ。
あ、意外とうまくいくんだ。
なぜか、そのときはそう思えた。人間って不思議だ。
いや、ただの気分だったか。

まあ、そんなこんなで始めてみたわけだが、システム上確かに効率は
いいなと感じた。
お互いがお互いプロフィールを見て、最低ラインをクリアした者同士がやり取りを始める。
なるほど、とはいえ赤の他人同士で直接会っていない人と会話を発展することは難しい。一問一答で終わるようなこともあった。
趣味ってなんですか?
映画です。
洋画と邦画どっちを見ますか。
両方です。
…みたいな。

そんな中、妻とは驚くほどスムーズに会話が進んだ。
完全に持論だが、文章から得られる印象を裏切られることって少ないと思う。こんなこと書くと、このブログはどうなんだと嫌な汗をかきそうになるが…。
なんだろう、チャットの会話なので文章力というより話していた心地よさを感じたということなのだろうか。
お互いがお互いに対して、ちょうどいい速度で好奇心が高まっていくのを感じた。

ほどなくして、直接会いませんかということに。
コロナ禍で飲食店が開いていないため、ランニングしながらおしゃべりしましょう。
今思えば、驚くほどにアクティブ。
それを快諾してくれる人でよかったと改めて思う。

初対面にしては、やや歪なシチュエーションだったが、チャット同様に直接の会話にも花が咲いた。敬語からため口に切り替わる感じとか、今思えば懐かしい。敬語だと控えめだった方言があふれ出て距離が縮まった気がする。
とまあ、そんなこんなで3時間くらい走りながら、歩きながらいろんな話をした。

仕事のこと。趣味のこと。家族のこと。
ああ、このブログの根幹はここから既に始まっていたのだな。
妻の家の前まで送ったのち、張りを感じる足を努めて軽快に走らせ、
帰宅した。

翌日、体中を襲った筋肉痛はいつもより心地よかったことを覚えている。

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