高山 環

小説家 第12回ポプラ社小説新人賞 奨励賞受賞 / 著作「ふたりの余命 余命一年の君と…

高山 環

小説家 第12回ポプラ社小説新人賞 奨励賞受賞 / 著作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」(宝島社文庫) https://tkj.jp/book/?cd=TD047373 Amazon https://x.gd/Afn9R

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  • 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」について

    著者初の商業出版「ふたりの余命  余命一年の君と余命二年の僕」についての記事をまとめました。

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著作の紹介

本業は小説家 当サイトに訪問いただき、ありがとうございます。管理人の高山 環(たかやま かん)です。 本業は小説家で、宝島社文庫より 「ふたりの余命 余命一年の君と…

高山 環
7か月前
43

誰にも小説を読んでもらえないときは、どうすればよいのか

自分が苦労して書いた小説には、もちろん愛着があります。他人に読んでもらえれば嬉しいし、高評価をいただければ1日中ハッピーな気持ちになれます。 だけど、商業出版で…

高山 環
5時間前
8

小説家の視点で新型iPad ProとiPad Airを比較する

新型iPadシリーズ発表 小説の作業用にタブレットPCをずっと探していました。今のところ、以前購入した「Amazon Fire HD 10 Plus」を使ってますが、パームリジェクション機…

高山 環
1日前
12

Amazon Kindleで自分の著作を推薦する方法

電子書籍「Amazon Kindle」 自著を書店で販売できるのが理想ですが、ハードルは高いです。。刊行してくれるなら出版社が見つからなければ、自費出版するしかありませんし…

高山 環
2日前
22

小説は芝居小屋である

小説を書くときになにをイメージしますか? 村上春樹さんはエッセーで、「焚き火を囲んでお話を聞かせる」イメージを持っていると語っていました。テレビもネットもない時…

高山 環
3日前
24

「ふたりの余命」がAmazonランキングでベストセラー1位に

拙作「ふたりの余命」がAmazonランキングで1位になりました。 Amazonランキングにはいくつかのカテゴリーがあり、「ふたりの余命」がベストセラーになったのはロマンス部門…

高山 環
3日前
11

小説は肩の力を抜いた方が良い

小説を書いている人、読んでいる人は小説を大切なかけがえのないものだと思っている人が多いと思います、僕もそうですが。 小説がないと暮らせない、子供の頃から何冊読ん…

高山 環
4日前
24

小説における正しさとは

どんな感想でもいただくのは、とても嬉しいです。 いただいた感想の中に「途中まで面白かったけど、後半に政府批判になって、ああこっちの人なんだとわかり不快だった」の…

高山 環
4日前
6

パッとしない? ぱっとしない?

推敲・改稿していると、ひらがなにすべきかカタカナで表記すべきか悩むことがあります。 例えば「パッとしない」「ヒヤッとした」とか。「ドキドキ」や「ドンドン」などの…

高山 環
5日前
8

小説というビジネス

僕は会社員として長年働いていたので、ビジネスの観点で物事を見てしまいがちです。 商業デビューをして、出版業界について触れる機会が増えて、改めてビジネスとしてこの…

高山 環
6日前
23

キャラクターに角度をつける

昔よりも小説のキャラクター作りが重要視される傾向にあるように思えます。 キャラが立っている小説が売れているということが背景にあるのでしょう。特にシリーズ化するな…

高山 環
6日前
9

書店が減っているのは小説が売れないせいではない?

出版科学研究所の発表をもとに、HON.jp News Blogが「コミック」「書籍」「雑誌」の2023年の販売額を公表していました。 過去にもこのデータを見た記憶はありますが、商業…

高山 環
7日前
12

小説には実益がない?

Xを眺めていたら、小説を読んでいると会社の同僚に話したら、「ビジネス書を読まないで読書好きと言わないでほしい。小説には実益がない」と言われたというポストが目に入…

高山 環
8日前
12

小説は過程を楽しむもの

さすがに作家のインタビューで「この小説で言いたいことはなんですか?」と訊かれることはないでしょうが、もしも訊かれたら結構困ってしまいます。 説明しようと思えば、…

高山 環
9日前
22

渡辺美里に救われる

音楽がないと生きていけない人間ではないのですが、子供の頃から渡辺美里さんの曲をずっと聴いています。 渡辺美里さんは、1986年からにデビューしたアーティストです。一…

高山 環
9日前
6

視点を視る

自分も無名の新人作家なので他人の作品をあれこれ論評する立場にありませんが、書きはじめたばかりの人の作品を読むと気づくのは、「視点がブレていること」です。 視点と…

高山 環
10日前
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固定された記事

著作の紹介

本業は小説家 当サイトに訪問いただき、ありがとうございます。管理人の高山 環(たかやま かん)です。 本業は小説家で、宝島社文庫より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を刊行し商業デビューを果たしています。 また、「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞をいただきました。 今は、次回作の刊行に向けて、鋭意努力しているところです。 このnoteでは、無名の新人作家である僕を知ってもらうために、小説に関するあれこれを投稿しています。 小説の書き方を教える技量はありませんが

誰にも小説を読んでもらえないときは、どうすればよいのか

自分が苦労して書いた小説には、もちろん愛着があります。他人に読んでもらえれば嬉しいし、高評価をいただければ1日中ハッピーな気持ちになれます。 だけど、商業出版でもセルフ出版でも、多くの人に読んでもらえるとは限りませんし、新人賞に投稿しても、評価されずになかなか受賞できません。 「本当に誰か読んでくれている?」って疑いたくもなります。 「こんなに良い小説なのに、なんで評価してくれないんだ!」とイライラする人もいるでしょう。 僕も新人賞に落選続きのときは、出版社に作品が届いてい

小説家の視点で新型iPad ProとiPad Airを比較する

新型iPadシリーズ発表 小説の作業用にタブレットPCをずっと探していました。今のところ、以前購入した「Amazon Fire HD 10 Plus」を使ってますが、パームリジェクション機能がないので手首を浮かせる必要があって、長時間作業するとしんどいです。 手首をディスプレイに置いても誤動作しないパームリジェクション機能があるiPadが欲しかったので、新型が出るのをずっと待っていました。 昨日のイベントで、Appleから新型iPadシリーズが発表されました。 iPad

Amazon Kindleで自分の著作を推薦する方法

電子書籍「Amazon Kindle」 自著を書店で販売できるのが理想ですが、ハードルは高いです。。刊行してくれるなら出版社が見つからなければ、自費出版するしかありませんし、それには費用がかかります。 Amazonの電子書籍サービス「Kindle」は、自分の著作を無料で出版できます。 だけど、出版してもなかなか売れないし、読んでもらえないことも多いと思います。そりゃあ、そうですよね、無名の作家の著作を読もうとは、なかなか思わないですよね。 とは言え、せっかく出版したのですか

小説は芝居小屋である

小説を書くときになにをイメージしますか? 村上春樹さんはエッセーで、「焚き火を囲んでお話を聞かせる」イメージを持っていると語っていました。テレビもネットもない時代に、村の長老が子供や大人に村の歴史や伝説を語る風景、焚き火に照らされる興味津々な子供達の顔。ナラティブな世界です。 僕は芝居小屋をイメージしています。劇場でも映画館でもなく、もっと小さな芝居小屋ですね。江戸の街にあったような簡易な小屋に、お客さんが集まって、舞台でお芝居や出し物をお見せするイメージです。 小説の芝居

「ふたりの余命」がAmazonランキングでベストセラー1位に

拙作「ふたりの余命」がAmazonランキングで1位になりました。 Amazonランキングにはいくつかのカテゴリーがあり、「ふたりの余命」がベストセラーになったのはロマンス部門です。 SF・ホラ・ファンタジー部門では10位、Amazon Kindle全体では1,668位です。 多くの方が読んでくれた結果です。本当にありがとうございます。 「ふたりの余命」は、死神に余命を宣告されたふたりが短い命を懸命に生きる青春ミステリーです。 2023年には、「ふたりの余命 余命一年の君と余

小説は肩の力を抜いた方が良い

小説を書いている人、読んでいる人は小説を大切なかけがえのないものだと思っている人が多いと思います、僕もそうですが。 小説がないと暮らせない、子供の頃から何冊読んだかわからない人もいるでしょう。 でも、世の中にはそう思っていない人もいます。小説がなくても普通に生きていける人、そういう人の方が多数派なのかもしれません。 昨年、商業デビューして「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を出版したとき、多くの知り合いから祝福の言葉をいただきました。読んでくれた人もいましたが、読ま

小説における正しさとは

どんな感想でもいただくのは、とても嬉しいです。 いただいた感想の中に「途中まで面白かったけど、後半に政府批判になって、ああこっちの人なんだとわかり不快だった」のような感想をいただいたことがあります。 感想をもらった小説は、どちらかというとコメディタッチの話なんだけど、クライマックスに政府系の団体が出てきます。完全な悪役ではないのですが、その団体が右往左往する姿が政府に批判的だと指摘されれば、そうとも取れるかもしれません。 でも、筆者としてはそんな気持ちは一切なく、話の流れ上

パッとしない? ぱっとしない?

推敲・改稿していると、ひらがなにすべきかカタカナで表記すべきか悩むことがあります。 例えば「パッとしない」「ヒヤッとした」とか。「ドキドキ」や「ドンドン」などのオノマトペも。どの語も、ひらがなでも書けますが、カタカナの方が目立つし、イメージに合う場合があります。例えば、コロコロとかはカタカナの方が転がっている感じがしませんか? 転がるものによるけど。 同じ語でも場面によって作風によって使い分けることがあります。例えば、犬の鳴き声を「ワンワン」とカタカナで書くと警戒して吠えて

小説というビジネス

僕は会社員として長年働いていたので、ビジネスの観点で物事を見てしまいがちです。 商業デビューをして、出版業界について触れる機会が増えて、改めてビジネスとしてこの業界について興味を抱くようになりました。 調べると、この業界がビジネスとして「儲かりにくい」ことが見えてきました。 ここでは、コミックではなく小説などの書籍を生業としている部分について考えてみたいと思います。 出版不況という言葉は、デビューする前からもちろん知っていました。不況というと、景気のサイクルによって好況と不

キャラクターに角度をつける

昔よりも小説のキャラクター作りが重要視される傾向にあるように思えます。 キャラが立っている小説が売れているということが背景にあるのでしょう。特にシリーズ化するなら、強いキャラクターは必須です。 私小説が多かった時代は、自分や周りの人が登場人物になるので、キャラクターを作る必要がありませんでした。 私小説が以前より減り、いわゆる一般小説が増えてくると、個性的な登場人物を創作することが求められるようになってきました。 小説講座などでも、登場人物の経歴や趣味などを考えてキャラを

書店が減っているのは小説が売れないせいではない?

出版科学研究所の発表をもとに、HON.jp News Blogが「コミック」「書籍」「雑誌」の2023年の販売額を公表していました。 過去にもこのデータを見た記憶はありますが、商業デビューしてから見ると、今までと違ったものがグラフから読み取れます。 僕は他の業界に長くいたので、出版業界にはそれほど詳しくありません。少ない知識しかない無名の新人作家がデータを見て考えた雑感だと思ってください。 コミックは過去最高の売り上げ まず、驚いたのは、コミックの復調です。コミックは過去

小説には実益がない?

Xを眺めていたら、小説を読んでいると会社の同僚に話したら、「ビジネス書を読まないで読書好きと言わないでほしい。小説には実益がない」と言われたというポストが目に入りました。 ビジネス書は読書で、小説は読書ではないという論理はよくわかりません。本を読む行為を読書とするなら、どの本を読んでも読書だと思いますが。 そこも気になりますが、「小説には実益がない」という台詞が気になります。 実益とは、実際の利益という意味ですから、小説を読んで儲かるかと言われればそうではないと思います。

小説は過程を楽しむもの

さすがに作家のインタビューで「この小説で言いたいことはなんですか?」と訊かれることはないでしょうが、もしも訊かれたら結構困ってしまいます。 説明しようと思えば、「この小説では命の大切さを伝えたかった」とか言えますが、その言葉では、その小説の言いたいことを全て伝えられるとは思えません。だって、「命が大事」なんてわざわざ小説に書かなくてもわかりますよね。 一言では説明できない微妙なニュアンスを伝えるために、作者は長い物語を書いているわけです、きっと。さまざまな事件や人との会話を通

渡辺美里に救われる

音楽がないと生きていけない人間ではないのですが、子供の頃から渡辺美里さんの曲をずっと聴いています。 渡辺美里さんは、1986年からにデビューしたアーティストです。一番有名な曲は「My Revolution」ですかね。美里さんはライブでよく「全身歌手」と自分のことを言っていますが、その言葉通りに彼女は今でも歌っています。 そこまで不幸ではなかったけど、そこまで幸福でもなかった若い頃に美里さんの歌声に救われた気がします。 思い出深いのは、古いアルバムですね。デビューアルバムの「

視点を視る

自分も無名の新人作家なので他人の作品をあれこれ論評する立場にありませんが、書きはじめたばかりの人の作品を読むと気づくのは、「視点がブレていること」です。 視点とは、簡単に言えば映画やドラマのカメラです。カメラの位置によって、どの人物の視点でシーンをみているかが決まります。 映画のカメラと異なるのは、カメラが登場人物の内部にも入り込めることです。内部といっても内視鏡で内臓を診るのではなく、その人物の心情のことですね。「太郎は思った」に続けて「花子も思った」とは書けないというこ