012 GPIFの運用結果(2023年度3四半期)
1 2023年度3四半期の運用結果
2月2日にGPIFから2023年度3四半期(10月1日から12月31日)までの運用結果が報告されました。その結果について考察していきたいと思います。
https://www.gpif.go.jp/operation/53748269gpif/2023_3Q_0202_jp.pdf
GPIFは四半期(3か月)ごとに運用結果を報告しています。今回は10月1日から12月31日までの3か月です。毎回四半期末から1か月ほどの経過したら発表されています。
2 運用結果 全体
運用結果について見ていきます。
収益率 +2.62%
収益額 +5兆7,287億円
運用資産額 224兆7,025億円
3 運用結果 各アセット別
次に各資産別に見ていきます。
各アセットごとの収益率は以下のとおりです
国内債券:+0.95%
外国債券:+2.55%
国内株式:+2.05%
外国株式:+4.91%
4 投資信託との比較
次に実際に販売されている投資信託で各アセットとの対応を評価額を見ることで考察していきます。評価額を利用する投資信託はeMAXIS Slimの「国内債券、先進国債券、国内株式(TOPIX)、全世界株式(除く日本)」です。結果は以下のとおりです。
上のグラフは各ファンドのホームページから基準価格をコピーし10月2日を10,000とした時の推移です。12月29日で基準価格は
国内債券:10,000 → 10,102 (+ 1.02%)
外国債券:10,000 → 10,288 (+ 2.88%)
国内株式:10,000 → 10,240 (+ 2.40%)
外国株式:10,000 → 10,555 (+ 5.55%)
になりました。GPIFの運用のほうが各投資信託の動きより収益率が低いことがわかりました。
5 GPIFの収益率が低い理由
GPIFの運用の方が低かったのは定期的にリバランス(高いアセットを売り、低いアセットを買う)作業を行っているからと考察されます。GPIFは日々値動きする各投資商品の価格を適時確認しリバランスすることで安定した資産運用ができます。
リバランスは値上がっている投資商品を売るため今回上がり調子の3四半期では収益率が下がってしまいます。しかし下落相場時は下落を少しでも弱い下げにして再度上昇時に上昇率を上げる効果があります。
6 まとめ
GPIFは長期的に安定した資産運用に努めています。今後も引き続きGPIFの運用を考察していきたいと思います。
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