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「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」アダム・グラント (読書感想部)

まえがき

著者アダム・グラント(AdamM.Grant)は組織心理学者で、1981年生まれ。
ペンシルベニア大学ウォートン校教授です。
組織心理学とは、心理学の中でも集団の中におけるメンバの幸福やパフォーマンスを分析し、向上させることに重点を置く分野です。
アダム氏は複数のベストセラー(GIVE & TAKE, ORIGINALS 他)を世に生み出しており、世界的に影響力のある人物です。
今回、私が本著を読もうと思ったきっかけは2つあります。
1つ目はとあるYoutuberが自身が感銘を受けた作家(考え方)として紹介しており興味を持ったからです。そのYoutuberとは「脱北者が語る北朝鮮」というチャンネル運営者のキム・ヨセフさんです。
2つ目は、アダム氏の著書のなかでもこの「THINK AGAIN」の副題に惹かれたことです。思い込みのせいで日常仕事や人間関係などで大小の失敗をしてしまうことがあり、生活に活かせればと思いました。

印象に残ったことと、自分の考え

内容の概要
1冊を通して語られているのは、生活の中で、生きていく中で、思い込みにとらわれずに再考し続けるのが良いという主張です。

非常にボリュームの多い本で大事な部分も多いので、ざっくり分けて感想を書いていきます。

  • 新たな考えを受け入れること

思い込みの根本には、次のようなものがあるそうです。
・昔の成功を引きずっていること
・自己評価(過大=クォータバック/過少=インポスター)に固執している
払拭するには、事実を科学者のように客観的に見つめること、不安=自身の知識や考え方を刷新する合図として、行動を見直すことができる。
個人的には、日本人には自信がない人が多いと思うので取り上げてみました。こう書くとあっさりしすぎてしまうので、備忘程度に書いておきます。

  • 周りの人に再考を促す方法

ギバーとテイカー(他者に対して惜しみなく与える人と、他者から恩恵を受けようとする人)では、ギバーの方が失ったりして”波”も多いが、人生の幸福度が高いそうです。
再考を促したい相手に対して、敵とみなすのではなく、まず相手に心を開いて親切にし、相手を理解し、許す。
アドバイスではなく、相手の最善を願って、相手が変わる選択を自らするための余白を残しておくのが良いそうです。

  • 生涯を通して学び続けること、そのような組織を醸成すること

本書の最後の章でまとめられていた内容です。
この部分では、例えば学生が仕事を決めるときに、学校で学んできたことにこだわらずに自分のアイデンティティに(心の声に)したがって考えて決めよう、といったことが書かれています。
確かにそうなのですが、正直わたしには響きませんでした。なんとなくありがちな美談でまとめられていると感じてしまいました。

さいごに

全体を通して、いわゆるライフハックのように、今日から取り入れられるTipsが散らばっていると思いました。
いちばん印象に残ったのは、小学一年生が蝶の絵を5回にわたって描いていて、毎回周りの友達のアドバイスの通りに手直ししていき、最後は大人よりも上手なイラストを書いていた話です。
失敗はだめなことではなく、良い失敗というのは、試行を繰り返して改善していくことだ。そう感じました。
普段の仕事や、悩みがあるとき、素直に起きている事象を受け入れて、
行動を変えていくようにこれからもしようと思います。

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