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「ねこのゆめ」「こどもたちはまっている」荒井良二の絵本たくさん(読書感想部)

読んだ本

  • ねこのゆめ

  • こどもたちはまっている

  • あさになったのでまどをあけますよ

  • ゆきのげきじょう

  • きょうはそらにまるいつき

  • そりゃあもういいひだったよ

まえがき

荒井良二さんを知ったきっかけは、世田谷美術館で開催中の展示、
「美術家たちの沿線物語 小田急線篇」

こちらに足を運んだ際に素敵な絵が飾られていたことです。
「Chidren are」という作品群に心惹かれ、荒井氏の絵本を読んでみることにしました。

荒井良二さんについて

1956年山形県生まれ、現在67歳。絵本作家ですが、絵本だけでなく多くのイラストレーション、絵画、音楽、アート作品を生み出しています。2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞し、国内外から高い評価を得ています。

イメージで言うと、奈良美智さんに近い感じがします。
千葉市美術館で開催されていた展覧会では、多くのイラストやアート作品が展示されていました。

絵本を読んだ感想

どの絵本も本当に素敵でした。
まず絵が良い。全体的に味のある絵というか、線をはみ出さないように描かれているというのの反対で、とても自由に、心の中をそのまま絵に起こしたような感じがします。作者の伝えたいことや、絵本のなかの感情が大きく伝わってきます。心に響く絵本ばかりです。

いくつかの絵本を読んでみて、作品に共通していることは、「これから先の、まだ見えない希望」を表現していること。
ねこはゆめを見ていて、こどもたちは待っている。これから先に期待をして、明日を見ています。
間接的に明るい出来事を描いている、何が起こるかは読者に委ねている。そういった抽象的な物語が素敵だと思いました。
そんななかでも、「そりゃあもういいひだったよ」こちらはちょっと違っていて、日常の中で起こった出来事全てに対していいことがあったなと感謝をするお話です。こちらも素敵な作品です。

総論
世の中の多くの絵本は大人が子どもに向けて書いていると思います。
一方、荒井さんの作品は、大人のような子どもが、自分の目線で頭の中を書き起こしたもの、という印象です。
うまく言葉に表せないのですが、絵=出来事を絵で表したもの、ではなくて、荒井さんの絵=感情、だと感じました。作品には子どもや動物がたくさん出てくるのですが(多くの絵本はそうかもしれませんが。)、とりわけ猫の描写は、猫のしなやかでやわらかい形が良くあらわれていて、荒井さんは猫が好きなんだなというのがはっきりとわかります。

今回は、荒井良二さんの絵本についての感想を書きましたが、アート志向が強い絵本なので大人のファンも多いのではないでしょうか。私も一目見てすぐに惹かれました。
また他の作品も見てみたいと思います。

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