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収入がほぼゼロで貯蓄を切り崩しながら生活した話

今から約10年前の話ですが、私は家業を継承するため大阪から山口へ引っ越しました。
実家に戻って4年間は父が社長、私が副社長で業務を行っておりました。
実質的に父はほぼ引退した状態で、最初のひと月だけ引継ぎ的な感じで父と一緒に仕事をしましたが、以後は私が1人で家業を運営していく状態となりました。


当時父は73歳で全盛期はとっくに過ぎており、近隣の同業他社に顧客を取られてしまっている状況でした。
もちろん私が戻ってきて直ぐに業績がV字回復するというわけでもなく、3名のパート従業員の給料と卸問屋さんへの支払いが何とかこなせている状況でした。


こんな状況でしたので私は2年半くらい無給で生活していました。
最初の2年はサラリーマン時代の蓄えを切り崩して生活していました。
3年目に入った頃から僅かですが自分の給料も取れる様になりました。しかしながら頼りの貯蓄は底をつき、やむ無く土日に副業バイトに出る様になりました。休みは減りましたが、バイトのお陰で家業が安定するまで何とか食い繋ぐ事ができました。


どうにか私の無給生活は2年半で終了となりました。
お金が出ていくばかりで全く入ってこない、しかも貯蓄をほぼ使い切るという貴重な経験をする事ができました。
当時は夫婦2人でまだ子供がいなかったから何とかなりましたが、子供がいたら恐らく破綻していたと思います。

個人事業主として手元の資金がショートするかもと震えながら帳簿を確認する事や、蓄えを切り崩しながら家族を養う事がこんなに恐ろしい事だと思っていなかったです。
当時の私は1年頑張れば自分の給料が出るくらいの売り上げが回復するだろうと何の根拠もなく考えていました。
お気楽過ぎますね。経営というものが理解できていなかったです。
今振り返っても本当に綱渡りで危険極まりない経営だったと思いますが、幸い家業を潰す事なく現在に至ります。


サラリーマン時代はある程度の資産が出来たら4%ルールで取り崩しながらFIRE生活も良いかな?とか漠然と考えていましたが、今回の経験で私には無収入で資産を取り崩す生活は性格的に向いてない事がよく分かりました。

自分がいつ死ぬか分かっていれば話は変わってくるかもしれませんが、自らの意思で無収入の期間を敢えて長く取るという選択肢は少なくとも私の家族構成においては現実的ではないですね。

世の中から必要とされている間は必死に働き、働いたお金で金融資産を複利で育てて、20年後くらいにリタイアできれば私の人生は上出来かなと思っています。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。



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