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よちよちある記#46『虫食い』

連休の人出が
多いのかと思ったけど
案外人が少ないのかな?

他県ナンバーの車が
いつもより多い感じが
するんだけどなぁ

地元の人が県外に出てる
ってことかしら?

事故もなく
ゆったりのんびり
いい思い出を作ってもらって
またこの地元に
遊びに来てくれるようになると
嬉しいね〜

 
仕事終わりの帰り道
日が落ちていく時間帯
うっすらと
ピンクに染まっていく西の空

車を止めて降り立ち
お空をぐるりと眺めてみれば
反対側にはキレイにお月さま

満月までもう少しか

 
あれは幾つくらいの頃だったか?
保育園児だったんだろうな
交わした言葉だけはよく覚えてる
親父さんと
手をつないでたような…
自宅の近所の公園の前を歩いてた
二人きりだったのかなぁ?

お月さんがまんまるで
とってもキレイに見えて
『満月だね!』って言うと
『いや、まだ満月じゃないなぁ
少し欠けてるよ♪』って
 

この『少し欠けてる』って表現が
幼い頃の自分にはよく理解できずに

いもむしが葉っぱを食べるように
まるで虫食いのように
『欠けてる』んだと思って
よ〜〜〜く目を凝らして
お月さんを眺めてみても
虫食いは見つからず…

今の幼い自分には見えないけれど
大人になると目が良くなって
きっと小さな小さな
虫食いのように『欠けてる』
お月さんが見えるようになるのだろうと
強く思ったことを思い出す

 
きっと満月になる少し前
これくらいのお月さんを眺めて
交わした言葉だったんだろうな

『少し欠けてる』

もう思い出話はできないけれど
今こんなお月さんの話をしたら
親父さんは覚えてたかなぁ…?
そりゃあ無理か
きっと何でもない日常の
とある一瞬のできごとだったんだよな

 
自分が親の立場で
子どもたちに何かしらの
思い出の瞬間を作っていたなら
嬉しいけれど

 
こどもの日
今夜は子どもらと
まんまるお月さんを眺めて
思い出の1ページにしようかな
 

今日もいい1日✨

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