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現代短歌2023...6/30『稲穂』『能』

『 稲穂 』

さあそれを すてたまえそれを きせきとは みつめあうこと さらけだすこと

ちよやちよ はんざつなりと いうなかれ いなほいでんとす 夏さかりなり

すてられた ころもここにあり 機おりて アジアの民は 興廃をしるか

直接は はたまた交流は なにをなす せいしんぶんか あまき果となす

いろはいろ いのりはいのり 海の果て しんじあうこと みつめあうこと


『  』

襤褸なり よこしまかげる 死者たちに かたらんとすなる しんたいからの

襤褸なり このこえこもり ひたぶるに すてつるこのみ あやしからずや

襤褸なり ろうろうとうたい はたとしる 能とはかくも 死者たちのこえ

襤褸なり 松の木ありて かたぶきぬ たびびとありて こしおろすとき

襤褸なり こはまぼろしか 夢うつつ なみだあるいは しんとする夏


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