芝田稔子

物流専門のコンサルティング会社 湯浅コンサルティングでコンサルタントをしております。物…

芝田稔子

物流専門のコンサルティング会社 湯浅コンサルティングでコンサルタントをしております。物流のムダ、在庫のムダをなくし、企業の収益率を向上させ、地球環境をよくすることを目指しています。 物流からムダをなくすには地産地消も効果的です。将来の魅力的な日本の姿も考えたいと思っています。

最近の記事

国交省が価格転嫁の相談窓口を開設!

■ドライバーの賃金を上げるために・・・ 国交省では倉庫事業者や運送事業者において労務費の適切な価格転嫁を進めるよう周知を行っています。とはいえ、受注者の立場はやはり強くはなく、発注者(荷主)に対して交渉を切り出すこともハードルになっている実態があります。 このような状況も踏まえ、国土交通省では、2024年4月15日、新たに倉庫事業者・貨物利用運送事業者向け相談窓口を設置しました。下記のアドレスに価格転嫁や価格交渉等に関するご相談をご連絡くださいということです。  ( hqt

    • 2024年4月がやってきた

      いよいよ2024年問題の始まる4月となりました。ドライバーの年間残業時間の上限規制だけでなく、日々の働ける時間も減るので、2024年3月までと同様の働き方はできなくなります。 ■荷主の方々へ:ご理解ください 荷主の方々には、運送事業者側から「この輸送は引き受けられません」とか「この輸送は今までの金額では受けられません」といった申し入れ(拒否?)が軒並み寄せられていることでしょう。 残業時間の上限規制には罰則がつくので、運送事業者側としても、「時間が読めない仕事は極力引き受け

      • フィジカル・インターネット

        インターネットの効率を物流に取り入れられないか? フィジカルインターネットという考え方が出てきています。 今の物流は行き詰まっている、これを解決する手法は??ということで考え出されたものです。国もこれを利用し、物流の持続可能性を高めようとしているので、今回は、これについて考えてみたいと思います。 インターネットはものすごく効率的な情報のやり取りを可能にし、ローコストで大量のデータ交換を可能にし、世界を変えました。 物流の世界でもインターネットのように効率的にモノを動かせな

        • 「SM物流研究会」活動盛ん。大手スーパー、荷待ち1時間以内目指す

          「小売りは物流に興味がない」のは過去の話  小売りは、これまで物流にあまり関心を持たないものでした(例外的に非常に意識の高い小売りもいましたが)。なぜかといえば、小売りは基本的に“届けてもらう”立場だからです。  日本では、商慣習として届ける側(受注者)が物流コストを負担します。小売りは卸やメーカーに対して発注し、届けてもらう立場なので、物流に関心が低くなるというわけです。  ところが現在、スーパーマーケットの物流改善への意欲が非常に盛んになっている様子です。昨年3月に「持

        国交省が価格転嫁の相談窓口を開設!

          【大好評につき無料配信】物流関連2法改正・政府の中長期計画解説セミナー

          ■Hacobuさんセミナーに内田が登壇 政府は2月13日、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。 物流問題に関する行政の動きはかつてないほどにアグレッシブになっています。 これを受けて株式会社Hacobuさんにて解説セミナーを3月6日に緊急開催。弊社湯浅コンサルティング コンサルタントの内田明美子が登壇させて頂きました。 今回の法改正の要点、そして2030年度に向けた政府の中長期計画をうけて 荷

          【大好評につき無料配信】物流関連2法改正・政府の中長期計画解説セミナー

          物流2法改正で多重下請け構造にメス?!

          政府は法改正を決定 2024年問題を巡り、政府は矢継ぎ早に対策を打ち出しています。本当に色々あって驚くばかりなのですが、先月、驚きの対策が閣議決定されました。 「多重下請け」の実態を把握するため、元請け業者に「実運送体制管理簿」の作成を義務づけるというものです。 「実運送体制管理簿」とは?! 「実運送体制管理簿」とは全ての元請けに対し、実運送会社名、荷物内容、輸配送区間、何次の下請けであるかを記載させるものです。営業所において運送完了日から1年間保管することが求められて

          物流2法改正で多重下請け構造にメス?!

          飲料大手メーカーの物流改善が王道だった!

          二つの軸:「輸配送戦略」と「拠点戦略」  「2024年問題」が始まる2024年4月を前に、政府にも民間にも様々な動きがありますが、2024年2月に発表されたキリングループの物流への対応策がまさに王道でした。  改善の軸として、「輸配送」と「拠点」があげられています。「2024年問題」はトラックドライバーの働き方改革によるドライバー不足が最大の問題ですから、トラックをいかに効率的に走らせるか、は非常に重要な課題です。また、トラックの走行の出発地・到着地において余計な待機・付帯

          飲料大手メーカーの物流改善が王道だった!

          “物流危機”対応しないと罰金100万円?!

          対象は大手荷主や物流事業者  政府は、トラックドライバーの負担を減らす取り組みが不十分な大手の荷主企業や元請け物流事業者に対し、最大100万円の罰金を課す方針だそうです。物流関連の2つの法案について改正が検討されており、そこに盛り込まれます。 目的はドライバーの労働時間削減  「2024年問題」とは、ドライバーの年間残業時間に上限規制が始まるのに加え、1日あたりの労働可能な時間が短縮されることによる“運べない危機”です。  短い労働時間でも、今まで以上の物が運べるよう、

          “物流危機”対応しないと罰金100万円?!

          「待機料、荷役料はこうやって計算せよ」by国土交通省

           前の記事で、ガチな国交省の取り組みを紹介しましたが、その続きです。 待機料、荷役料の収受状況は5割以下  待機料、荷役料について、計算方法が示されました。これらの料金につい運送事業者の法律である標準運送約款において「収受せよ」とされていますが、2021年度の調査でも収受状況は3~5割であったそうです。 (https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001712730.pdf) 荷待ち料、荷役料の標準はこれだ  上記ホームペ

          「待機料、荷役料はこうやって計算せよ」by国土交通省

          国交省の取り組みがガチ!

          「標準的な運賃」の見直しがスゴイ  昨年頃から「物流2024年問題」が一般のテレビ番組にもとりあげられ、けっこうな話題となっていました。今年は2024年。とうとう「その年」が来たわけです。  昨年末、国交省が「標準的な運賃」の見直し案を公表しました。これがあらゆる面でスゴイのです。 「標準的な運賃」をさらに引き上げ  「相場からみたら相当高い」と言われていた「標準的な運賃」ですが、これをさらに平均8%値上げするとのこと。  そして発表資料の中には下記アンケートが提示され

          国交省の取り組みがガチ!

          フェリー航路の積載率が公表されました

          フェリー航路の霧が晴れた?! モーダルシフトが推奨されており、2024年問題もあって関心も高まっているといえますが、モーダルシフトの受け手である鉄道や船について、一般の荷主にとっては謎に包まれたような存在であり、輸送経路や輸送キャパはほぼ知られていません。 国土交通省において事業者に対してアンケート調査を行い、フェリー航路の積載率が公表されました。 積載率70%未満の航路も複数 下図は、国土交通省の調査結果をもとに作成したものです。2023年4月~6月のデータです(ht

          フェリー航路の積載率が公表されました

          トラックGメン、参上!

          取締りの対象は荷主と元請事業者 2023年7月21日、国土交通省において、162名のトラックGメンが誕生しました。(001620339.pdf (mlit.go.jp)) トラックGメンは、トラック運送事業者を取り締まるのではありません。取締りの対象は、荷主や元請である運送事業者です。 というのも2024年4月以降、トラックドライバーの残業時間は罰則付きで上限規制が始まります。日々の運行においても拘束時間を減らし、休息期間を長くとらねばなりません。長距離ドライバーにおい

          トラックGメン、参上!

          普通郵便は都内でも翌日届きません

          働き方改革の一環 上の画像は日本郵便のサイトで「千代田区1丁目1番地」から「千代田区1丁目1番地」へのお届け日数を調べたものです。 こんな都心から都心への郵便でも、普通郵便は翌々日配送になっています。夜間の仕分け作業をやめたことにより、1日届くのが遅くなったというわけです。人手不足解消、労働環境改善の取組みが進められているといえます。 土曜、日曜、休日の配送もやっていないので、木曜日に投函したものは月曜日到着、月曜日が休日ならば火曜日となります。 レターパック、ゆうパックな

          普通郵便は都内でも翌日届きません

          ドライバー不足解消の、多分最も真っ当な対策

          閣僚会議でも討論  物流の2024年問題が脚光を浴び、一般ビジネス誌や地上波ニュースでも取り上げられるようになってきています。  岸田総理大臣も出席する「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」は6月2日、2回目が開催されました。 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/index.html  2024年問題の解消に向けた「政策パッケージ」として、幅広い検討がなされており、なかでも商慣行の見直しについては、かなり踏

          ドライバー不足解消の、多分最も真っ当な対策

          物流の「2024年問題」、知ってる人は少ないらしい

          2024年問題とは 「2024年問題」とは、2024年4月から、ドライバーの労働時間に関わる法的規制が変わり、これまでよりも短時間しか働けなくなることを言います。 働ける時間が短くなるので、運べる距離が短くなったり、運べる量が減ったりすることになります。 とくに450kmを超える長距離輸送、片道150kmを超えた往復輸送には、大きな影響が出ると思われます。今までと同じにはできなくなります。 政府も危機感を持ち、首相が対応するよう指示を出しました(上記写真、2023年3月31

          物流の「2024年問題」、知ってる人は少ないらしい

          物流が歴史的転換点を迎えています

           2023年3月16日、ライフ、ヤオコー、サミット、マルエツが連名で、持続可能な食品物流の構築に向けた取り組みが宣言されました。 https://www.summitstore.co.jp/news/pdf/20230316a.pdf  大きく4つの取組みが宣言されていますが、なかでも、これまで短くなる一方だった「納品リードタイム」の延長が宣言されたことは、まさに歴史的転換点と感じられます。  他の取組みも以下のとおり、もちろん、賞賛すべき内容です。 ●納品期限を賞味期限の3

          物流が歴史的転換点を迎えています