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コールセンターとサバイバー

商品が故障して修理依頼したい、サービスが利用できない困りごと・・・
そんな時の味方。

【コールセンター】

電話口から聞こえてくるオペレーターのハキハキした応対、的確な答えや案内。
 
電話口の向こうには、颯爽とスーツ姿や制服に身を包んだオペレーターたちが品格を持った応対で、業務をこなしている姿を想像する。
 
だが実際の現場は、スーツ勤務は珍しい。
私服O K、オフィスカジュアルで主婦やフリーター、学生など様々な人がオペレーターとして働いている。
業務が行われるフロアでは、毎日いろいろなことが起こっている。
 
人の入れ替わりも激しい業界だ。
時には、状況により臨機応変に対応を変える必要も出てくる。

そう、コールセンターは特殊な世界なのである。

◆オペレーターに求められるもの

コールセンターには主に発信(アウトバウンド)と受信(インバウンド)がある。
 
電話を使って、お客様とオペレーターが1対1で話しをするシンプルなものだ。
しかし、オペレーターに求められるものは多岐にわたる。
 
まずはpcのタッチタイピング能力である。
応対内容を、専用画面に入力する必要があるのだ。
たくさんのオペレーターが働いていて、次も同じオペレーターに繋がる可能性は低い。
別の人が応対できるよう履歴を残して情報共有する必要があるためである。
 
 
そして2つ目は、コールセンター業務の関門である「聞く力」
これは、厄介なのである。
話す相手が、いつも丁寧でわかりやすく伝えてくれる訳ではない。
 
その人の独特の言い回し。
曖昧で抽象的な表現。
説明が長く何を言っているかわからない。
専門用語で押してくる。
 
・・・などだ。
 
オペレーターは相手の知りたいことを、なんとしても理解しなければいけない。
ここをミスしてしまうと、相手の求める答えを述べることができなくなってしまう。
 

次に「調べる力」だ。
 
相手が求める答えを導き出すには、知識が必要になる。
しかし、全てをOJT研修から学んだ知識ではまかなえない。
 
その時に、マニュアルを使って答えを見つけなければならない。
自分で答えを見つけることができるか、お客様を保留して待たせているプレッシャーとの戦いが始まっている。
 
一人の力では対処できない問題は必ずあるだろう。
だからこそ、S V(スーパーバイザー)やリーダーに質問できる体制が整っている。

誰かの力を借りても、最終的に案内をするのはオペレーター。
基本的な疑問は、経験を積むほどにSVやリーダーに質問しづらくなってくる。
オペレーターは独り立ちを常に求められる。

よって、自分で調べて答えを見つけ出す能力は、欠かすことはできないのだ。
 
 
最後は「要約力と伝える力」だ。
 
ここまで相手の言うことを理解し、答えも見つけることができた。
最後の関門として、相手に答えをわかりやすく伝えなければならない。
 
説明が下手な人は悩んでしまうだろう。
要点をまとめられずにわかりにくい説明に終始すると最後の最後でクレームに発展してしまうこともあるのだ。

オペレーターは対応を終える最後の最後まで、気が抜けないのである。

◆笑ってばかりじゃいられない

発信業務の場合は、こちらから一方的に電話を架けている。
相手は架けてきて欲しいなんて一言も言ってないし、思ってもいないのだ。
 
だからいきなり商品の説明や営業電話をしたところで、相手の反応は冷ややかである。
 
これも相手の機嫌を損ねる対応をしようものなら、クレームに発展してしまう。

敬語でなんとかできるようなものでもない。 
敬語は、ピンチの時に守ってくれない。
 
受信業務は、相手が何か問題を抱えていて解決方法を求めて架けてくる。
相手が納得することは一つ、問いへの答えである。
 
結果が求められる。
どんな理由であれ、問いに答えられないオペレーターが、いくら敬語や応対を良くしていても問いについて答えられないと、お客さんは笑顔ではなくなってしまう。
 
そうなれば、理不尽なことも言われる世界。
顔や姿が見えないだけに、お客さまの立場を超えて、容赦なく口撃してくる輩もいる。

ワークスペースの中に身を潜め、インカムを装着し一人戦うサバイバーと言っても過言ではない。
オペレーターは笑ってばかりじゃいられないのである。

◆まとめ

コールセンターのオペレーターに求められることは多岐にわたる。
タッチタイピング能力、聞く力、調べる力、要約力・伝える力
 
電話を使ってお客様とオペレーターが1対1で話しをするシンプルなものだが、状況により臨機応変に対応を変える必要も出てくる。
 
人の入れ替わりも激しい業界で、一つの判断ミスがクレームに直結するため気を抜くことはできない。
 
オペレーターを守ってくれるものはあるのだろうか?
 
O J T研修でも必ず行われる敬語の講義。
しかし業務上でミスをすれば、守ってくれるのは敬語ではない。
 
結果が求められる。
電話口の向こうから笑顔が見える対応をすること、美しい敬語で対応すれば良いわけではなく、綺麗事で済まないことがあるのがコールセンターの世界だ。
 
コールセンターのオペレーターは対応を終える最後の最後まで、気が抜けない仕事なのである。

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