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現役キックボクサー 駿 太 選 手


41歳(2023年現在)にして現役キックボクサー、格闘家としてのキャリア22年めを迎える「駿太」選手!!

幾多の猛者やムエタイ強豪選手と激戦を繰り広げ、Bigbangスーパーフェザー級王者、第15代マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟フェザー級王者、第2代WMAF世界フェザー級王者のタイトルを獲得。歴戦の代償として顔面(左頬骨)を骨折したことによる後遺症として、現在も顔面に感覚異常が残存。後遺症の症状としては、起きている時だけでなく寝ている時も左側の顔面がシビれや痛みが走っている。

自ら選んだとは言え、過酷かつ危険極まりない格闘家の道に挑んだ訳は・・・?


道は思わぬところから始まり、我が魂の燃えゆくままに歩む・・・


18歳のとき、少年院の中で「目標を決める授業」というものがあり、その時に「プロキックボクサーになる」という誓いを立てたんです。

幼少期から合気道や少林寺拳法などの格闘技を習い、それが格闘家としての基礎となりました。そして、中学2年のときに神奈川県伊勢原市にあるキックボクシングの名門「谷山ジム」へ入門しました。 

僕自身、勉強は苦手でしたが、運動が得意という訳でもなく、何か突飛な才能があった訳でもありません。しかし、秀でた能力がなかったとしても何か一つのことに集中して継続すれば、それなりの力を発揮できるはずということを信じていました。このことは、今も変わらぬ信念です。

その信念を貫き続けていることもあり、今も現役キックボクサーとして闘い続けています。自分自身でも、まさか30年以上経った今も現役でいるとは思ってもいませんでした。人生はなにでどう動く分からないものですね。

弱さを知るのは、強さを知る一歩


その後、一応は高校へ進学したものの、同級生と喧嘩したことを事由に退学となってしまいました。喧嘩の原因なんてホンの些細なことでしたし、不必要な争いをするのは弱さの表れだったのでしょう。

その頃の僕は、「強さ」を勘違いしていて、「強いとは何か」「何のため強くなるのか」ということを理解できていなかったのですね。

高校を退学したことにより何もすることがなくなり、更に不安定さを増した僕は、非行の道に逸れていきました。暴走族「相州連合 紫陽花」というチームに属し、夜の街をバイクで走り回っては、喧嘩や悪さをしてばかりいました。

そのうち窃盗罪で逮捕され、少年院に送致されてしまいました。収容期間は11カ月でしたが、模範囚として認められたので9カ月半で出院しました。

この入院期間中は、資格取得の勉学に励みながら自分自身のしたことについて振り返る時間となりました。自暴自棄になっていたとは言え、「強さ」や「自分自身の在り方」を勘違いしていたのは恥ずべきことだったと痛感しました。

母のことを何度も泣かせなくては、自身の愚かさに気付けなかったなんて・・・本当どうしようもないですよね。

舘野:自分の弱さや愚かさに気付くことができるなんて素晴らしいことだと思います。自分自身のことって、恥ずかしい思いや泣くほど悔やまなければ、しっかりと向き合えないのかもしれませんね。悪さをした人が改心したときの強さは、実体験に基づかない裏付けなき強さなんかよりも強靭で揺るがないものかと思いますし。

駿太:僕は、失敗しなくては学習できないタイプなんですよね。

けど、失敗から学ぶことで、ここまでやってこれましたし、自分の道も見つけることができています。

舘野:なんとなく学校に行き、やる意義があるのかどうか曖昧なままで勉学に励むよりも、「この道だ!」という明確な目標に向かって歩めるって、意外とできないことだと思います。

駿太:「この道に決めた」というより「この道しかなかった」というのが真実です。

少年院での誓いを胸に


少年院を出てからは、保護司の方針で「悪友の影響を受けかねないから、すぐには地元(神奈川県平塚)に戻らない方が良い。」と言われ、静岡県で仕事をしていました。

しかし、そこにはキックボクシングのジムがない上、友人や知り合いもいない土地でしたので、自分の思い描く未来に進むことができないと思い、保護司と相談して地元・平塚に戻りました。

そうして谷山ジムに戻ってからは、ひたむきな姿勢で練習に打ち込むようになりました。浮ついた気持ちから遊びを優先してしまうこともありましたが、この道しかないという崖っぷち状態からの気持ちを奮い立たせて、厳しい練習に励んでいました。 

 その結果、栄誉ある王座のタイトルを獲得できました。志を成し遂げるためには、才能だけでなく努力や信じる力をもつことが大切であることを自ら証明できて感無量でした。

舘野:最近は、エンタメ要素の強い格闘技イベントも人気を博していますね。格闘家には、エンターテインすることも求められてきているかと思われますが、駿太さんはどのようにお考えですか?

駿太:僕の場合は、強さ>エンタメですね。割合で言ったら、強さ:エンタメ=8:2くらいが黄金律だと考えています。

僕は、純粋な強さのみを求めて格闘技をやってきましたので、そのような割合を示しました。でも、そうした比率の数字が人によって異なるのは、むしろ良いことだと思います。格闘家という括りの中でも、さまざまな魅せ方があるから面白いのですし。

・・・そうは言うものの、大して強くもないのに、ふざけて目立っている選手を見ると、腹立たしく感じる時期もありましたね(笑)

でも、観てくれる方々に感動を与えるのが、格闘家の使命でもありますからね。各選手のキャラクターを活かした自由な魅せ方で良いと思っています。

それぞれの魅せ方があってこそ


舘野:
「自由な魅せ方」って素敵ですね。「型」も大切ですが、奔放な在り方の中にその人の魅力が出たりしますものね?

駿太:はい。型も大切ですけど、型通りだけでは、それぞれの持つ個性や特質を活かしきれないですからね。型も尊重しつつ持ち味を出せたら、その人の良さがいっそう出ますね。

舘野:格闘技でも基本の型を習得した上で応用をきかせられる訳ですし。人間にとっても「型」のようなものはあるのでしょうかね?あるとしたら、どこで養われるものでしょう? 

駿太:いわゆる教養とか養育環境といったところなのでしょうかね・・・

空手とキックボクシングの型が異なるように、育った土壌や環境によって、どう育つかも変わってくるのでしょう。

そういった点では、最終学歴が「中卒」という自分には、アカデミックコンプレックスがありました。
格闘家として肉体的な強さは得たつもりですが、知的な部分には劣等感があったんです。賢さへの憧れが嫉妬みたいな感情も生み出していたのかもしれません。それを払拭すべく、独学で英語を勉強してみたことがありました。
しかし、明確な目的意識があったわけではなくコンプレックスを解消することが目標でしたので、語学力を習得できずに中途半端なところで終わってしまいました。
そうして、気付いたのは、すべてできるようになる必要はなく、人には劣ったところがあっても良いということでした。

苦手な面を埋めることができなかったことで好きなこと・得意なことだけでやっていこうと、より強く思うようになれました。なので、現在力を入れているYouTuber活動では、「ヤンキーチャンネル」や「大食いチャンネル」などの自分の特性を活かした内容が主軸になっています。

発信するとリアクションがくるものですし、それが良い内容ばかりではありません。アンチによるコメントや誹謗中傷する内容も少なくないです。

そうした内容を見たときは、わざわざ投稿してくるなんて「ヒマなんだな~」と思いながら見ています。

自分の調子が良いときは、アンチさんの目線になって共感してみて、コメントを返すこともありますが、調子の悪いときは、思いっきり反論したり、画面をスクショしてSNSに晒して解消していますね。


群雄割拠の格闘技界を生き抜き、熾烈な競争が繰り広げられているYouTubeの世界を生きる


時はSNS戦国時代を迎えていて、数えきれないほどのYouTuberやネット配信者が増加の一途を辿っています。

そのような中、僕も約6年前からYouTubeを始め、再生回数の多いときには10万回を超えることもありました。ここ最近は、チャンネル登録者数や再生回数の増減を繰り返す中で、一喜一憂しながらYouTuberとしても活動しています。

インスタのフォロワー数も増えてはいますが、爆発的に伸びている訳ではありません。「思うように伸びないものだな~」と日々難しさを感じています。

元々、「有名になりたい」という思いで、あらゆる活動を続けてきましたので、数へのこだわりもありましたが、数字ばかり追ってはいけないことに気付かされました。

再生回数やフォロワー数は、その人物の知名度を測る指標かもしれませんが、再生回数の質が大切であると!また、コメント数よりコメントの熱量が重要だと!

バズるよりコツコツと積み上げていくことで、たしかなファンを掴んでいきたいです。

フォロワーとファンは違いますから、暇つぶし程度で見られるのではなく、1つ1つの動画を心から楽しんでもらえたら最高ですね!!

これから・・・


承認欲求を満たしたいために「有名になりたい」という思いを秘めながら、さまざまな活動をしてきました。

結局、僕は誰からどのように認められたかったのでしょう・・・自分でも分からないんです。ただ単に、自分で決めたことや取り組んでいることを自分自身が納得のいくところまでやり続けたいだけなのかもしれません。果たして、その納得するラインが、どこになるのかも分かっていませんが、不思議と充実感に満ち溢れた日々を過ごすことができています。

これからも自分が楽しいと思えることを追求していきますが、自分だけが楽しむのではなく、みんなが楽しいと思ってもらえるようなことに積極的に取り組んでいきたいです。

僕は、気の合う仲間や価値観の合う人たちとワイワイ楽しくやってたいだけなんです。それをYouTubeの中で体現化していけたらと考えております。

現代社会では、フォロワーやイイネの数が多いほうや派手に目立った人が勝ちというような空気が漂う世の中ではありますが、量より質・表面より中身で勝負できる男になっていきたいです!!


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